2026年8月29日(土)に東京ビッグサイト 会議棟で、QuizKnockが主催する高校生以下が対象のクイズ大会『ハイスクールクイズバトル WHAT 2026』(以下『WHAT』)の2日目が開催された。

8月16日(日)に行われた1日目は、東京会場、大阪会場、オンラインの3つで開催され、2531人がエントリー。その中から勝ち抜いた30人が挑んだ、2日目の様子をレポートする。

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【準決勝】30人中7人が中学生!「知っている・知っていないに差はない」

8月29日(土)と30日(日)に開催された『QuizKnockフェス2026〜クイズと謎でお祭り騒ぎ〜』の、1日目のステージコンテンツのひとつになっていた『WHAT』。この日は「準決勝」「敗者復活戦」「決勝」が開催された。

MCを務める須貝駿貴とふくらP、そして大会長であり問読みを担当する東言がスーツ姿でステージに登場すると、会場は拍手で包まれた。

今回で5回目を迎える『WHAT』が過去最多の参加者となったことについて、須貝が東に話を聞くと、「すごくうれしいですね。毎日のように、『今日はこれだけエントリーがあった』と数字を見ながらワクワクしていました。締め切ったときは『2531人!? “531”って僕の誕生日やないか〜い!』と思ったりしていました」と会場の笑いを誘っていた。

須貝によって観戦時の注意事項が読み上げられたあと、「準決勝」参加者の30人が呼び込まれ『WHAT』2日目がスタート。

今回から、東京会場を勝ち抜いたプレイヤーは赤色、大阪会場を勝ち抜いたプレイヤーは青色、オンライン会場を勝ち抜いたプレイヤーは緑色のネームプレートが掲げられていた。

「準決勝」では、昨年と同じく50問早押しボードクイズを実施。30人全員が早押しボタンを持ち、1人がボタンを押した段階で問読みが止まる。

1問につき最大5人がボタンを押すことができるが、ボタンを押して正解すると5ポイント獲得できる一方、不正解だとマイナス5ポイントとなる。さらに、早押しボタンを押して2回誤答すると、早押しの権利も失われる。

ボタンを押さなかった場合は、正解すると2ポイント獲得でき、不正解でもポイントの減点はなし。50問終わった時点で、合計ポイントが多かった上位9人が決勝に進出する。

会場のスクリーンには全員の得点状況が映し出されており、プレイヤーも観客もリアルタイムで誰が多く得点を獲得しているか把握できるようになっている。

問読みと正誤判定のデモンストレーション、そして全員のボタンチェックが終わると、「準決勝」がスタートした。1問目から早押しボタンを押すプレイヤーも正解者も少なく、静かな滑り出しとなった。

しかし大会が進むにつれ、正解するとガッツポーズをしたり、隣の参加者とハイタッチをするプレイヤーも出てくるなど、場の空気が徐々に熱気を帯びていった。

17問目の段階では、一部プレイヤーの早押しボタンに不具合が起き、大会が一時中断するハプニングも。

スタッフが対応している間に、MCの須貝とふくらPは、準決勝に進出した30人のうち、中学生が7人参加していることに言及。須貝は「知っている・知っていないに差はないので、戦えている」と分析した。

また同段階での順位もスクリーンに表示されたが、暫定1位となっていた平木瞭成は渋谷教育学園渋谷中学校の2年生であり、須貝の分析を表しているような結果となっていた。

25問終了時点で暫定1位となっていたのは、岡本悠誠(筑陽学園高等学校3年)。ボーダーラインの9位には土岐龍惺(灘高等学校2年)が滑り込んだ。

そのあとも頻繁に順位が入れ替わっていたが、40問終了時点では、暫定1位は変わらず岡本。そこに村蒔絵麻(西大和学園高等学校2年)が同点で並び、3位には昨年の『WHAT』の優勝者である有働英永(開成高等学校2年)がランクインした。

残り10問となり、ふくらPは「ここからはボーダーを意識して一か八かでボタンを押す人も増えてくるのではないか」「それぞれのプレイヤーのプレイングが見られるところかなと思います」とコメントしていた。

ふくらPの読みどおり、積極的に早押しボタンを押すプレイヤーも増えたなかで、全50問が終了。

決勝に進むボーダーラインには、宮本晃希(ラ・サール高等学校2年)と石塚意(東大寺学園高等学校1年)が同点でランクインし、サドンデスへ。

正解すれば決勝へ、誤答すれば敗者復活へとすぐに決まる早押しクイズが行われ、石塚が早い押しで決勝進出を決めた。

【敗者復活戦】須貝やふくらPが驚く、挑戦的な早押しも

「敗者復活戦」は、7人ずつで3◯1✕(1回誤答すると即失格)の早押しクイズを行う第1ラウンドと、6人で4◯2✕(2回誤答すると失格)の早押しクイズを行う第2ラウンドを実施。全21人の中から勝ち残った1人が、「決勝」に進出する権利を獲得する。

各組から2人を選出する第1ラウンドの1組目は、蓮見将喜(開成中学校3年)が1問目から着実に正解を重ね、早々に3ポイントを獲得し1抜け。残りのプレイヤーも負けずと攻めの姿勢を見せたが、最終的に扇谷丈太郎(聖光学院中学校3年)が残りの1枠をゲットした。

2組目は須貝やふくらPが驚くほど早い押しをするプレイヤーが多かったが、チャレンジした結果誤答してしまい、序盤で脱落するプレイヤーも。

順調にポイントを重ねた渡邉晴琉(岐阜県立岐阜高等学校2年)が1抜け、続いて小関修弥(開成中学校3年)が第2ラウンドの出場権を獲得した。

3組目は塘岡直樹(浅野高等学校3年)が序盤から2連答し、昨年準優勝となった実力を見せ、そのあとも着実な押しと解答で1抜け。その直後、土岐も3ポイント目を獲得して第2ラウンドに進出を決めた。

6人中3人が中学生となった第2ラウンドは、最初は誤答やスルーが多く、やや空気が重かったものの、蓮見が連続で2問正解したタイミングから場の雰囲気が変化。

決勝に進出できる最後の1枠を獲得しようと、プレイヤーたちは各々のプレイングスタイルで問題に挑んでいた。

最初に3ポイントを獲得し、リーチをかけた渡邉を追うかたちで、土岐が1ポイントだったところから4回連続で解答。1問誤答するものの、最終的に渡邉に押し勝ち、決勝進出を決めた。

【決勝】大会を制したのは“クイズを楽しんだ者”

3ラウンド制の早押しクイズで優勝者を決める「決勝」。当日までシークレットとなっていた第1ラウンドのルールは、5ポイント獲得で勝ち抜け、誤答をすると5人が勝ち抜けるまでは7問休み、5人が勝ち抜けたあとは即失格になることが明かされた。

10人から6人に絞られる第1ラウンドは、1問目から有働が3連答し、それに負けじとほかのプレイヤーも攻めの押しを見せた。

その中で1抜けしたのは、敗者復活戦を勝ち抜いた土岐。そのあとは各プレイヤーがポイントを積み重ねていき、誰が5ポイントを獲得するのか目が離せない展開に。

最終的に、土岐のほか、村蒔、平木、吉永瑛登(東大寺学園高等学校3年)、有働、石塚が第2ラウンドへの進出を決めた。

第2ラウンドでは、1対1の早押しクイズが3組同時に行われた。対戦相手は第1ラウンドで勝ち抜けた人から順に指名する形式で、7ポイントを先取するとFinalラウンドへの進出が決まる。

問題が読まれると誰でも早押しボタンを押すことができ、正解すると1ポイント獲得、誤答すると問題文を読みきった上で、対戦相手に解答権が移行する。

またボタンを押して誤答をすると、2問休みのペナルティがついてしまう。ルール説明が行われたのちに対戦相手の指名が行われ、土岐は石塚、村蒔は吉永、平木は有働と対決することが決定した。

土岐・村蒔・平木がそれぞれ優勢で進んでいった第2ラウンドで、最初にFinalラウンドへの進出を決めたのは、土岐。次にFinalラウンドに進出したのは、村蒔。最後に2連答した村蒔は7ポイント目で「よし!」と小さくガッツポーズを決めた。

残るは平木と有働の戦い。4ポイント目までリードしていた平木が誤答し、解答権が有働に移ってから、驚異の7連続正解でそのままFinalラウンドへの進出を決めた。

これにはMCの須貝とふくらPも興奮を隠せず、「すごすぎる、どうなってんだ」「これはなかなか恐ろしいものを見ましたね」とコメントを残した。

敗者復活戦から勝ち上がってきた土岐、大阪会場の1回戦で1位だった村蒔、東京会場の1回戦で1位だった有働という、誰が勝ってもおかしくない組み合わせとなったFinalラウンド。

戦いが始まる前に須貝が3人に話を聞くと、土岐は「問題が楽しい。少し前の(別の)大会では似たようなルールで有働くんから1点も取れずに負けたので、何点か取りたいと思っています」と控えめに目標を語った。

村蒔はふたりの印象を聞かれ「同じ時期にクイズを始めた3人で戦うことができてワクワクしています」と、興奮と緊張が混ざったような表情で答えた。

有働は「このふたりは手強いですが、力を出し切れるだけ出し切ってがんばりたいと思います」と冷静にコメントした。

Finalラウンドは、参加者がそれぞれ20ポイントのライフを持った状態でスタートし、誰かが正解するとほかのふたりのライフが1ポイントずつ減少していくというルール。誤答すると2問休むことになり、ライフが0になるとそこで敗退が決定する。

初めは誤答を恐れずに、積極的に押していく印象を受けた3人。若干出遅れていた有働がほぼ問題文を聞かずに正解すると、「すごすぎる、なんだ今のスピードは!」と須貝も思わず大きな声でコメントするなど、会場は3人のプレイに引き込まれていった。

中盤までは3人のポイント数は拮抗しており、誰が優勝するのか予想できない状態に。終盤、じわじわと土岐と有働に差をつけられた村蒔が、ふたりに食らいつくように早押しに挑むが、最初にライフが0となり敗退が決まった。

土岐と有働が同点でタイマンとなり、お互い譲らない戦いが繰り広げられていたが、土岐が4ポイント、有働が1ポイントの段階で、有働が苦しい顔をしながらボタンを押すも誤答。

最後は土岐がしっかり問題を聞いた上で解答し、優勝を決めた。

一日気を張っていたように見えた表情をゆるめた土岐に、村蒔と有働が駆け寄り握手を交わしている姿は、同じタイミングでクイズを始め、同期として戦ってきた3人だからこそ見られた特別なもののように思えた。

須貝に「今日一日振り返ってみていかがでしたか?」と聞かれた土岐は、「ボード(準決勝)で負けたときは、ここまで来られるとは全然思っていなかったので、うれしいです。ありがとうございました」と喜びを噛みしめるように静かに笑顔でコメントした。

Finalラウンドの感想を求められると、「めっちゃ強いふたりと一緒に、いい問題をこんなにたくさん押せて楽しいなという感じでした」と話しており、とにかくクイズを楽しんだ者が大会を制した『WHAT 2026』となった。

東言「最後に残るために必要だったのは、ベテランの力」

『WHAT』終了後、大会長である東言と、ファイナリスト3人に取材することができた。

──東言さんは問読みをしながら、かなり近くで参加者の戦いを見られていたかと思います。一番気持ちが高ぶったシーンはどこでしたか?

東言 玄人的な目線からいうと、準決勝を終えてサドンデスが行われたところですね。あの場ってかなり極限状況だと思うんです。正解したら勝ち、相手が正解したら負け、自分が誤答しても負け。そういう状況にポンと放り出されたにもかかわらず、臆することなく素晴らしい押しを見せていたなと思います。

──今回のファイナリストの3人については、どのような印象を持たれましたか?

東言 みなさん高校2年生ということで、ここまで積み重ねられた経験値があるなと感じました。クイズでは、経験が浅くても強いプレイヤーが急に現れたりするんです。

今回は参加者の中に中学生が30人中7人いたということで、若い力もじゅうぶんあったと思います。その中でも最後に残るために必要だったのは、ベテランの力だったのかなということは見ていて感じました。

──ファイナリストのみなさんにとって、『WHAT』はどのような大会ですか?

土岐 クイズを始めたきっかけはQuizKnockですし、『WHAT』の初回が、自分が初めて参加したクイズ大会だったので、そういう意味でも、勝ちたいなと思っていた大会です。

有働 僕は3回目から参加しているんですが、2日目までは行けるけれど準決勝のボードクイズでうまくいかないことが多くて。『WHAT』は幅広いジャンルのクイズに出会える場でもあり、競技クイズをしていてひとつの目標としている大会でした。

村蒔 私は2回目から参加していて、中学3年生からは3回連続で2日目に進出しています。私のクイズキャリアは『WHAT』とともにあるので、今回このようなかたちで決勝のファイナルまで残ることができてとてもうれしいです。

──3人とも5年間クイズを続けてきたとのことですが、クイズの魅力はなんだと思いますか?

土岐 勉強みたいに上からの圧力でやらされるものではなく、自分の趣味にまつわるものとかで得た知識が活かせるのはいいなと思います。

村蒔 私は前に、伊沢(拓司)さんのインタビューを読んでいて出てきた、「クイズというのはさまざまなジャンルの世界への入口を提供している」という表現がすごく好きなんです。

興味がなかったジャンルでも、クイズのために勉強することで知識を得られて、そこで新たな楽しみを見つけることができる。そういう意味で、クイズの勉強をすることは、世界の解像度を上げることでもあるのかなと思っています。

有働 僕は、競技クイズの場合、勉強して得た知識でクイズに正解できるともちろんうれしいんですが、クイズよりも“競技”の部分が好きなのかもしれないな、という結論にたどり着きました。

──ちなみに、言さんは競技クイズならではのおもしろさはなんだと思いますか?

東言 先ほど有働くんが「僕は“競技”が好きだ」とおっしゃっていましたが、僕もちょうど彼ぐらいの時期に同じようなことを考えていて。僕としては、競技もクイズも好きで、そのかけ算である競技クイズが好きだという結論に至ったんです。

競技のおもしろさはゲーム性にあると思うんですが、クイズは競技じゃなくても遊べて、生活や人生が報われるという側面がある。普通だったら混じり得ない、ゲーム的な性質と非ゲーム的な性質が混じるという意味で、競技クイズのおもしろさがあると考えています。

──これから先、『WHAT』をどのような大会にしていきたいですか?

東言 今日行われたバトルは、本当にハイレベルなんです。QuizKnockのメンバーが出たら勝てるのかといったら、たぶんそんなことはないんじゃないかと思います。

ただ、これが『WHAT』のすべてではないんですよね。もちろん、目指すべき頂点があるというのは大事ですが、多くの方に参加してもらっている1回戦の様子をもっと発信していくのも重要なのかなと思っています。

裾野を広げれば広げるほど、競技という分野から外れたクイズプレイヤーが出てきて、さらにおもしろくなっていくんじゃないかと期待しています。

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