Sanrio Gamesが目指す未来とは?辻󠄀社長が語る「ファン層拡大の手段」「ゲーム発のIPも」

Sanrio Gamesが目指す未来とは?辻󠄀社長が語る「ファン層拡大の手段」「ゲーム発のIPも」

株式会社サンリオ(以下、サンリオ)は、初の自社ゲームブランド「Sanrio Games(以下、サンリオゲームズ)」の立ち上げを発表。
「サンリオ パーティランド」を初めとし、今後3年以内に10作品を展開予定とした。
大きな転換点を迎えたサンリオだが、今回はゲーム事業説明会で行われた代表取締役社長 辻󠄀朋邦氏と常務執行役員 濵﨑皓介氏による質疑応答の様子をお届けする。

サンリオが描くゲーム事業構想とは。辻氏と濵﨑氏が語るサンリオの行く先
スライド「Sanrio Games」

サンリオ初の自社ゲームブランドとして立ち上げられた「サンリオゲームズ」
「サンリオ パーティランド」を皮切りとして今後もゲームを展開していく予定とのことだが、その展望とは。
辻󠄀氏と濵﨑氏が語るゲーム事業構想についての質疑応答を紹介する。

濵﨑皓介氏濵﨑皓介氏
― ゲームタイトルでの売り上げ目標の設定は。また、ゲームの価格帯やターゲット層となる地域や年齢はどう考えているのか

濵﨑氏: ゲームの売り上げ目標といった、数字的な部分については回答を控えさせていただきます。
地域に関しましては世界同時発売ですので、パッケージ版・デジタル版両方をグローバルでお届けしたいなと考えています。
またパーティーゲームですのでファミリー層はもちろん、サンリオキャラクターはZ世代を中心に北米・欧州、中国やアジアで大変認知が高いですので、そういった層にも遊んでもらえるのではないかと考えています。

辻󠄀朋邦氏辻󠄀朋邦氏
― 27年3月期までにM&Aで500億円の投資を行うとのことだが、そのうちゲーム事業に投資していく方針はあるのか。その場合、どういった分野・人材に投資する考えか

辻󠄀氏: ゲーム事業にいくら、というようには決めていません。
基本的には人材も含め機能拡充という意味合いで行いますので、もちろんゲーム事業に対して行う可能性もあります。
500億円の枠の中で今後のビジネスに即した投資を行う予定です。

― IP×ゲームだとポケモンが有名だが、サンリオがベンチマークとしている企業やタイトルはあるのか。またポケモンは対戦・育成という強固なジャンルを築いているが、サンリオが採用したキャラクターならではのジャンルをどのように設計しているのか

濵﨑氏: 個別具体のIPや企業は差し控えさせていただきますが、日本はキャラクター大国と言われるように、色々なキャラが色々なゲームジャンルでご活躍されているのかと思います。
例えばグローバルで人気なFPSですが、親御さんの立場だと銃を打ち合うゲームはお子さんに遊ばせるのは抵抗感がある方もいらっしゃいますよね。
しかしキャラクターの世界観に包むことで全く違うゲーム体験になり「こういうゲームなら遊ばせてもいいかも」「自分も一緒にやってみたい」と思っていただけるゲームの事例が日本でも多く見られます。
そのため、我々もサンリオキャラクターと「みんな仲良く」という理念を、世間で人気のあるゲームジャンルと組み合わせることで、新しい遊びに昇華できるのではという思いで取り組んでいきたいです。
その中でも我々のキャラクターの強みである「可愛いところ」は活かしていきたく、今回発表したパーティーゲームに関しましても、シナモロールがジャンプすると耳がふわっとするなど新たな可愛さを知ることができます。
そういったところがサンリオの強みなのではと考えています。

スライド「みんななかよく」
― ゲーム事業は莫大な初期投資が必要だが、事業の最大のリスクは何と考えるか。また「みんな仲良く」という理念が、ゲームのジャンル選定の制約になることはないか

濵﨑氏: ご指摘いただいたようにゲーム開発の初期投資は大きくなっていて、昨今ではAAAタイトルがグローバルでは主流になっている中で、我々がどういったゲームを提供できるのかというのは日々考えております。
具体的に申し上げますと、ゲームのポートフォリオをきちんと作っていくことが重要だということです。
10タイトルリリース予定という話でしたが、様々なユーザーに笑顔を届けられるように多様化していき、その中で成功事例が見つかればナンバリングや横展開、周辺領域へ攻勢する計画です。
失敗したら1本でおしまいではなく、得られた収益からまた次のゲームジャンルの開拓に使うことでリスクを下げていきます。
また、共同事業化で開発会社さんと一緒にリスクをとってゲームを運営することで、多様なゲームを届けることがリスクヘッジに繋がるのではないかと考えています。

スライド「ゲームリリース計画」
― 「サンリオ パーティランド」の価格について決まっていることがあるか。ゲーム事業に関して、今期は赤字の見込みと決算会見で話があったが、黒字化の見立てはどれくらいになるのか

濵﨑氏: 具体的な価格については今回は差し控えさせていただきますが、一般的なコンソールゲームの価格だと思います。
ゲーム事業は今期赤字ということですが、PLの都合上タイトルのリリース1年目ですべて減価償却するので、やはり1年目はコストが乗りやすく赤字になりやすいとIRではご説明させていただきました。
ゲームタイトルがきちんと1本1本ヒットして収益化していければ、ゲーム事業単体で収益化することは十分可能だと考えています。

スライド「ファンの拡大とロイヤル化によるビジネスの拡大」
― 北米など海外での成長拡大に注目が集まっているが、グローバルに展開する上で、ゲーム事業の意義や成し遂げたいこと、目標などはあるか

濱崎氏: 海外でもサンリオキャラクターは認知がありますので、ゲームでも数多くのファンの方にも受け入れられるのではないかと思っています。
サンリオキャラクターの新たな一面を知ってもらうという意味でも意義のあるものになるのかなと思っています。
加えて、グッズ展開がそこまで進んでいない地域やテーマパークがない地域にも、ゲームが先に届くということが起こりうるのではないかと思っています。
結果的に新たなサンリオファンの獲得に繋がるのではないかと期待しています。

辻󠄀氏: 現在我々の北米でのキュラクターライセンスシェアは3〜4%ほどなんですけど、そのうち60%強がハローキティとなっています。
10年後北米でのシェア率10%を目指していますが、単一のキャラクターで3%を超えるのはなかなか難しく、クロミやシナモンといったキャラクターのシェア率も上げていかなければなりません。
そのため今回パーティーゲームとなっていますが、様々なキャラクターが映像と異なる形で展開できるので、今後の北米でのライセンス事業にとって大きな意味合いがあるのではないかと考えています。

スライド「サンリオ パーティランド紹介」
― 「サンリオ パーティランド」ではサンリオキャラクターズ全員が出るということだが、今後の10タイトル全てでそういった形式をとるのか。過去に出たジュエルペットの作品のように、特定のキャラクターや世界観に限定した作品を作ることはあるのか

濵﨑氏: 現在フラガリアメモリーズというキャラクターのゲームをエイチームと一緒に作らせていただいています。
そういった単一キャラクターに焦点を置いたゲームや新規キャラクターのゲーム、特定のキャラクターの世界観を深掘りするようなゲームも今後出てくると想定しています。

スライド「ゲームを入口にサンリオIPと出会う機会を創出」
― これまでサンリオと接点がなかった層にどのようにアプローチしていくのか

濵﨑氏: まずパーティーランドは非常に多くのキッズファミリーの方々にも遊んでいただけるタイトルになるのでは思っています。
プロモーションの観点では、色々なメディアを通じて認知してもらい、子どもが初めてやるゲームはなにがいいのかと気にされる親御さんが「サンリオゲームズって安心安全でいいゲームだよね」と受け入れてもらえるタイトルにしていく。
そうすることによってゲームという領域で新しい方々にサンリオファンになっていただく余地はあるんじゃないかなと考えております。
今後はコンソール以外にもモバイルのタイトル等々を想定しておりますが、やはりサンリオキャラクターは色々な形のコラボレーションをゲーム事業に限らずやってまいりました。
例えば音楽アーティストや他社キャラクターさんだとか、様々なコラボレーションがありましたが、そういったことをサンリオゲームズでも実現していくことで、サンリオキャラクターのことをそこまで知らない方や、ゲームに触れていない方にも興味を持ってもらう機会というのを作っていけるんじゃないかなと考えております。

辻󠄀氏: IPに期待していきたいと思っているので、男児や男性といった今までどちらかというとサンリオのファン層でなかった方々にもプロジェクトをかけていきたいと考えています。
「サンリオ パーティランド」がターゲットにしているファミリー層は、グッズでのアプローチができてこなかったところです。
今後もキャラクターのブランディングであったり既存キャラでアプローチできるところを増やしていきますし、新たなターゲットも作っていきたいです。

スライド「サンリオ パーティランド」
― 「サンリオ パーティランド」はファミリー向けということだが、今後の9作品はターゲットを分けて展開していく方針ということか

濵﨑氏: 様々なターゲットに向けて様々なジャンルのタイトルをお届けするつもりです。
それぞれのゲームタイトルごとに、こういうターゲットであればこういう接点でこのゲームを知ってもらいキャラクターを好きになってもらえるだろうということを、企画段階からかなり意識して作っておりますので期待していただければと思っています。

― サンリオはこれまでRobloxやVRコンテンツを手がけてきたが、これらへの投資は継続されるのか。

濵﨑氏: Robloxに関しては、やはりグローバルで最大のゲームプラットフォームであり、ライセンス形式でゲームを出させていただいています。
サンリオ夢中時間を作っていく観点で、非常に大事な接点として取り組んできたいと思っております
VRはゲームとはまた違った体験ができます。
キャラクターの世界にそのまま入り込むことができる没入感だったり、そのVR空間の中でキャラクターやユーザー、クリエイター同士でコミュニケーションできたりといった、ゲームとは違った価値がある領域です。
ですので、ゲームとはまた別の事業としてしっかり育てていきたい、投資をしていきたい、と考えています。
デジタル同士の連携も視野にあり、例えば特定のゲームでゲットしたアイテムがVR空間に持っていけるような、そういったことも想定はしているので、VRのコンテンツを作っていきながらそれがゲーム事業のコンテンツともしっかり連動するということを考えていきたいなと思っています。

― 今後もRobloxやVRコンテンツと並行して開発を進めるのなら各ゲームプラットフォームの想定ユーザーの違いと、プラットフォーム間のシナジーは想定しているか

濵﨑氏: ゲームプラットフォームのユーザーの違いで言うと、やはりまだVRの方は比較的コアファンであったり男性が優位な状況です。
サンリオとしては自社IPにこだわらず他社IPと一緒に協業しながら色んなコンテンツを作ってまいります。
そういった中でゲーム事業の方は比較的サンリオキャラクターの既存のファンの方も多くいらっしゃいますので、様々な方に笑顔を届けていき、体験として繋いでいくことによってファン層を拡大していくということができるのではと考えております。

― 協業で開発するとのことだが、現在どれくらいの会社と契約を結んでるのか。公開できる範囲でどういった会社がいるのか

濵﨑氏: 展開予定の10タイトルは、一部重複はあるものの基本的にはほとんど違う開発会社をパートナーにさせていただいています。
共同出資もあれば、サンリオが100%出資など、色々なパターンでの協業があります。
こちらがゲームジャンルとターゲットを考慮したうえで開発会社さんを検討し、開発会社さんの側もサンリオキャラクターであれば一緒に作りたいと思ってもらえることが重要です。
そういった会社を協業先として選んでいます。

スライド「ゲーム事業計画」
― 新しくゲーム事業部を立ち上げたとのことだが、内部での開発とパートナー企業による外部開発の割合はどれくらいになるのか。

濵﨑氏: 現在サンリオ社内には、いわゆるエンジニアと言われる人員がいないため、基本的に開発するタイトル全て外部の協業パートナーさんと一緒に共同制作させていただく形になっております。
サンリオの中ではどちらかというと企画を立てさせていただき、サンリオキャラクターやゲームジャンル、ゲーム会社さんの選定と届けたい体験の設計と進行を主に見させていただいてます。

― 開発に関わるパートナー企業に求める要素は何か

濵﨑氏: 特定のゲームジャンルで過去に実績があるとか、こういうパイプラインを持つ会社さんであれば魂込めて一緒に作っていただけるだろうというとことを重視しています。
一方でサンリオゲーム事業部のプロデューサーの人材がもともと関係値がある開発会社さんの中から、密にディスカッションさせていただきました。
このジャンルでこのチーム体制であれば良いゲームが作れそうだなと自信を持つタイミングで企画としてスタートという形が多くなっています。
今後によっては内製化もゲーム事業の展開によってはあり得ない話ではないと思いつつも、まずは外部の色々な魅力的なゲームを作ってくださったパートナーさんと一緒にゲームを作っていくことを想定しております。

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