想像をはるかに上回る難しさに絶句……

 今となってはハッキリ覚えていないが、筆者が本作の存在を初めて知ったのは「ファミコンマガジン」か「コミックボンボン」に掲載された紹介記事だった。何でも「全100ゾーンもの壮大な世界を冒険するゲームらしい」とのことで興味を持った。

 その後、テレビ東京系列で放送されたファミコンの特集番組(※司会は桂文珍と高見恭子だった)の新作ソフト紹介コーナーで、本作がプレイ動画とともに紹介され、その軽快なBGMも相まって「遊んでみたい!」と思うようになった。だが、当時の筆者は別のソフトを先に買うことを決めていたのでお金が足りず、ほかのゲーム仲間もしばらくの間、本作を誰も買わなかったこともあり、最初に遊んだのは発売日から数か月後であった。

 筆者が本作を初めて遊んだ印象は、率直に言って「難しい!」であった。

 ボンは画面内に1発ずつしか投げることができず、ウィンが立った状態としゃがんだ状態とでは、投げたボンの飛距離が変わることもあり、目の前にいる敵1体を倒すだけでもひと苦労。しかも一部の敵は、ボンを投げてから数秒後に爆発したタイミングで当てなければ倒せず、爆発したボンにウィンが触れるとミスになってしまう。

写真の空を飛ぶ敵、ジャック・ビーはボンを当てるだけで倒せるが……ガイコツのガイボーンを倒すには、ボンが爆発するタイミングで命中させることが必要だ

 時間との戦いがシビアであることも、本作が難しいと思った大きな要因だった。

 最初につまずいたのが2ゾーンの洞窟だった。ヤドカリ型の敵、ヴォンチャーはボンを投げると甲羅の中に隠れ、隠れている間はボンが爆発しても倒せないこともあり、繰り返しボンを投げ続けていたらあっという間に時間がゼロになってしまった。何度か遊んでいるうちに、敵は無理に倒さずジャンプでかわしたほうが時間が稼げることに気付いたが、それでも制限時間ギリギリの戦いを毎回強いられた。

 2ゾーン以降に出現する洞窟のマップは、さらに地形が複雑になり、落ちたら即死するトラップが随所に仕掛けられていて、パターン化するのがとにかく難しかった。マップ上のあちこちには、取ると高得点が加算される宝箱があるが(※中には、たった1点しか入らない宝箱もあるが……)、得点を稼ぐ余裕はまったくなかった。

筆者にとって最初の関門となった2ゾーンの洞窟こちらは77ゾーン。敵と画面外への落下を避けつつ素早く進まないと、次のゾーンにつながる扉まで間に合わない

 全100ゾーンものボリュームに加え、途中でルートが複雑に分岐することも、さらに本作の難しさを筆者に印象付けた。

 本作は1ゾーンの段階で、いきなり複数のルートに分岐する。スタート地点の近くで見つかる扉に入ると2ゾーンに進むが、さらに奥の位置にある扉に入ると、いきなり11ゾーンに進む。2ゾーン以降も、複数の扉が存在するのはごく当たり前で、どの扉がどのゾーンにつながっているのか、1つずつ覚えるのも本当に大変だった。

1ゾーンより。画面右へとしばらく進むと見つかる扉に入ると2ゾーンに進むが……無視してさらに奥に進むと、11ゾーンまで一気に進める扉が現れるモチベーションを再燃させた、数々の裏技の存在

 難しさのあまり、本作になかなか夢中になれずにいた筆者のモチベーションを大きく好転させたのが、本作に隠されたさまざまな裏技の存在だった。

 その中でも特に衝撃だったのが、敵に何回やられてもウィンのストックが減らなくなる隠しコマンドだった。自爆または画面外への落下によるミスをすると、パワーアップの効果が消えてしまうことに変わりはなかったが、ストックが無限になったおかげで、未知のゾーンにどんどん進めるようになったと記憶している。

 当時の各ファミコン専門誌の裏技コーナーには、毎号のように「隠し扉発見」の裏技が載っていたので、記事を読むたびに本当に隠し扉が出るのかどうか、毎回試すのが大きな楽しみとなった。また「コミックボンボン」に連載されていたマンガ「ファミコン風雲児」で、主人公のウィンがボンを投げまくり、隠し扉を発見して窮地を脱するシーンにも大いに触発された。

93ゾーンより。一見すると何もない場所でも、ボンを爆発させると隠し扉が出現する一例

 1ゾーンなど、特定の場所でウィンをわざと自爆させると、ウィンのストックが減らずに別のゾーンに進める「隠しワープ」の存在にも驚かされた。最初は「本当にワープできるのかなあ……」と半信半疑だったが、実際に試したら本当にワープしたのでびっくりした。

11ゾーンより。わざとウィンを自爆させると、何と52ゾーンまでワープする!

 20ゾーンに出現する3体のモアイ像と、謎のメッセージ「NAGOYA」に隠された、高得点ボーナスが獲得できる裏技も絶大なインパクトがあった。

 ゾーンの終盤、画面上部にアルファベットで「NAGOYA」と唐突に表示されたのを見た筆者は、幼心に「数字の7、5、8のことかな?」と、何となく推理はしていた。だが、具体的にどうすればいいのか、いろいろ試してみたが自力で解明することはできなかった。

 その後、たまたま購入した「ファミコン通信」だったか「ファミコン必勝本」だったか、裏技コーナーに「NAGOYA」の謎を解説した記事が載っていた。早速試したら、ラスボスのザヴィーラと思しき敵が出現する小部屋にワープし、あっと驚く400万点の超高得点ボーナスが獲得できた。

 各ゾーンのあちこちにある宝箱は、取ってもせいぜい数千〜数万点(※実際には、100万入る宝箱もごく一部にある)だったので、まさにケタ違いのボーナスが入ることには本当に驚かされた。また当時の筆者は、100ゾーンへ進んだことがまだなかったので、ここで初めて実物のザヴィーラを見た(※実はニセモノだが……)ことでも、本作は今なお思い出深い。

 無限ストック、隠し扉、ワープなどの裏技が続々と判明した後も、筆者は結局、100ゾーンをクリアすることはできなかった。だが、雑誌の裏技や攻略情報をいろいろ試しつつ、偶然ではあるが自力でも何度か隠し扉を発見できたこともあり、本作に悪戦苦闘した日々は今となっては楽しい思い出となった。

【「NAGOYA」の謎と隠しボーナス】

20ゾーンでは、特定の場所で一定数のボンを投げると裏ファイナルゾーンに一気にワープするザヴィーラ(のニセモノ)の下を通過すると、400万点の超高得点ボーナスがもらえる!

 本作は、現在でもNintendo Switch OnlineとプロジェクトEGGで配信されているので手軽に遊べる。それぞれ任意のタイミングでセーブとロードができるほか、前者には失敗したら直前の状態からやり直せる、便利な巻き戻し機能も搭載されているのが実に嬉しい。40年ぶりにリベンジを果たしたい古参プレイヤーも、本作の存在をまったく知らなかったZ世代の皆さんも、この機会にぜひ100ゾーンクリアにチャレンジしていただきたい。

 ちなみにNintendo Switch Online版では、別売りの「ファミリーコンピュータ コントローラー」でプレイすると、IIコントローラーのマイクに向かって叫ぶと敵キャラクターが一時的に動けなくなる効果を持つアイテム「ボイス」も、ちゃんと使えるようになるのでぜひお試しを。

Nintendo Switch Online版でも、ボイスのアイテムを取ってからマイクに向かって叫ぶと、敵を一時的に止めることが可能だ

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