

マジックのクールさについて語りまくる「今週のCool Deck」。今回はプロツアー『ローウィンの昏明』で起こったある出来事について。それは……《》の消滅。このトーナメントの決勝ラウンド、スタンダードの構築戦で用いられた《》の枚数は0枚であった。それだけ書くと「そういうこともあるんじゃない?」で終わってしまうが……振り返ってみよう、このプロツアーの直前に行われた競技イベントの最高峰の舞台……2025年12月上旬に開催された第31回マジック世界選手権を。このトーナメントではまさしく《》デッキは絶好調のキレッキレ、クールな活躍を見せたこのエンチャント……なんとトップ8中7人が使用、計28枚という圧倒的な存在感を示すに至った。
《》でこれを戻して出し直すという戦術が大ブームを巻き起こし、スタンダードはカワウソに支配され……しかしそんな環境が、1月30日に開幕した次のプロツアーでは激変し、あれだけ地上を謳歌していたカワウソの姿を全く目にすることなくトーナメントは終了した。僅か2ヶ月足らずでこの変わりよう……スタンダーとはこの変化を味わうフォーマットであるということを、改めて実感した。なんとクールなゲームなのだろう。
流れがあるゲームということで、いつまでも同じカードが活躍せず、別のカードにとってかわられたと思ったら……また再浮上。それこそがマジックの楽しいところである。《》自体、軽くて果敢持ちのクリーチャーでありつつ、カード自体は非クリーチャーであるためこのエンチャントが他のクリーチャーの描かんやそれに準ずる能力を誘発させる。《》で戻して出せば盤面の打点は上がるし頭数も増える、さらに自分の才能を戻しているのでドローも出来て手札が減らない……良いことしかない。才能をレベル2に上げれば、墓地からインスタントorソーサリーを拾える。これでブーメランを拾ってまた才能を戻してと、毎ターンのようにループさせればリソースを損失せずに盤面を作っていける。
またこのムーブが競技シーンを埋め尽くすタイミングが来るかもしれない。いつ来るのかイメージし続けるのもまた、クールなウォッチングというものだ。それに競技と関係なく、自分のデッキは好きなものを使えば良い。このクールなムーブを搭載しているデッキを使いたいなら、何の遠慮もせずに使うべし!
Luka Mrakovcic – 「イゼット・オッターカッター」
CdF Qualifier SCP Urza’s Saga 優勝 / レガシー (2026年2月8日)[MO] [ARENA]
2 《》
2 《》
2 《》
2 《》
4 《》
1 《》
4 《》
1 《》
-土地(18)-
4 《》
2 《》
-クリーチャー(6)-
4 《》
4 《》
4 《》
4 《》
4 《》
4 《》
4 《》
4 《》
4 《》
-呪文(36)-
2 《》
2 《》
2 《》
2 《》
1 《》
1 《》
2 《》
1 《》
1 《》
1 《》
-サイドボード(15)-


スタンダードでのブームが落ち着いた《》×《》だが、他のフォーマットではまだまだバリバリ。上記のリストはレガシーのもので、広大なカードプールでマジック最軽量のパワーカードが集うレガシーにおいても、このパッケージが通用することを証明している。《》《》などの連打でカワウソも膨れ上がり、序盤からガツンとパンチを叩き込めるだろう。このデッキは青赤2色の所謂テンポ系。軽いアクション、手数で勝負だ。
《》は非クリーチャー呪文を唱えると諜報が行え、墓地に4種類以上のカードタイプが集えば昂揚でサイズが上がって飛行も持つ。エンチャントである才能とは2つの能力両方と相性が良いということだ。さらにスタンダードでは使えない《》もレガシーではお望みどおりに使用可能。1ターンに2回呪文を唱えるという疾風の条件、ブーメランのパッケージがあれば簡単に満たしてくれるだろう。この装備品が生成するトークンも果敢持ちなので、ガンガン並べてバキバキ育てて攻めるべし!
この《》、その英語名はCori-Steel Cutter。才能が生成するカワウソはOtter。これらが集うアーキタイプは「Otter Cutter」と表記されることがある。「イゼット(青赤)テンポ」とかアグロとかだと味気ないので、こういった洒落たクールなアーキタイプ名はもっともっと出てきてほしいなと願っている。
Beicodegeia – 「イゼット・オッターカッター」
Magic Online Pioneer Challenge 32 トップ8 / パイオニア (2026年2月6日)[MO] [ARENA]
4 《》
4 《》
4 《》
3 《》
1 《》
4 《》
-土地(20)-
4 《》
4 《》
3 《》
2 《》
-クリーチャー(13)-
3 《》
3 《》
3 《》
2 《》
2 《》
4 《》
2 《》
4 《》
4 《》
-呪文(27)-
3 《》
2 《》
2 《》
2 《》
1 《》
1 《》
1 《》
1 《》
1 《》
1 《》
-サイドボード(15)-


こちらのパイオニアのリストも紹介しておこう。これも「Otter Cutter」と呼べる青赤2色のアグレッシブな果敢系デッキ。《》《》などの果敢持ちクリーチャーの採用枚数が多め。これらを《》などでサイズアップさせてダメージを叩き込む!このアーキタイプが、最近《》が採用されるようになってクールに進化した。『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』にて登場した講義呪文をサイドボードに仕込み、このソーサリーで手札に加えクールな戦術が採れるようになったのだ。《》4枚目や《》など、盤面に合わせて最適な1枚を持ってきてクールに勝利!
というわけで今回は最近スタンダードでは大人しいポジションにいる《》と《》を採用した、他のフォーマットのデッキを紹介させていただいた。これらのリストが君に新たなクールさをもたらしたのであれば幸いだ。自分のデッキが旬を過ぎちゃったのか?と思っても、慌てなくて大丈夫。違うフォーマットで使ったり、あるいは自分がまた流行らせるとあれこれ挑戦する……そういうのがマジックというゲームをクールに堪能するためのアプローチ!
それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Create a boom‼
