MSIといえば、高性能なマザーボードやビデオカードのメーカーとして有名だが、ゲーミングノートPC分野でも数多くの製品をリリースしている。MSIのゲーミングノートPCは、高性能で信頼性に優れており、PCゲームプレイヤーからの評価も高い。ここでは、MSIが5月15日に発表したばかりの最新ゲーミングノートPC「Vector 17 HX AI A2XW A2XWHG-6359JP」を試用する機会を得たので、今年発売された最新ゲーム「DOOM: The Dark Ages」、「Clair Obscur: Expedition 33」、「The Elder Scrolls IV: Oblivion Remasterd」がどれだけ快適に遊べるか検証してみた。

 さらに、シリーズ20周年を記念して2025年5月に新コースが追加された「Forza Motorsports」で、レイトレーシングを有効にした状態でも快適にプレイできるかという検証と、最大で外部3画面出力が可能な本製品のと特徴を活かし、2台の外部モニターのそれぞれで、Webサイトの閲覧やYouTube動画再生を行ないながら、本体の液晶で「モンスターハンター ワイルズ」を問題なくプレイできるかという検証もあわせて行なった。

【Vector 17 HX AI A2XWシリーズ】

最新GPU「GeForce RTX 5070 Ti Laptop」を搭載した高性能ゲーミングノートPC「Vector 17 HX AI A2XWシリーズ」インテル最新CPU「Core Ultra 9 275HX」とNVIDIA最新GPU「GeForce RTX 5070 Ti Laptop」を搭載

 「Vector 17 HX AI A2XWシリーズ」は、17型液晶を搭載したゲーミングノートPCであり、搭載GPUの違いによって上位の「Vector 17 HX AI A2XW A2XWJG-4850JP」と下位の「Vector 17 HX AI A2XW A2XWHG-6359JP」の2モデルが用意されている。今回試用したのは下位のモデルであり、インテルの最新CPU「Core Ultra 9 275HX」とNVIDIAの最新GPU「GeForce RTX 5070 Ti Laptop」を搭載し、高いパフォーマンスを誇る。

 Core Ultra 9 275HXは、開発コードネームArrow Lakeと呼ばれていた製品で、高性能コアのPコアを8コア、高効率コアのEコアを16コア内蔵した24コアCPUである。Arrow Lakeでは、1コアで2スレッドを実行するハイパースレッディングテクノロジーが廃止されたため、実行可能なスレッドもコアの数と同じ24スレッドとなる。Pコアの定格クロックは2.7GHzだが、負荷に応じて最大5.4GHzまで向上する。さらに、処理能力13TOPSのNPUも内蔵した新世代CPUである。

 GeForce RTX 5070 Ti Laptopは、Blackwellアーキテクチャを採用したNVIDIAの最新GPU「GeForce RTX 50シリーズ」の中ではミドルハイに位置する製品であり、12GBのビデオメモリを搭載している。GeForce RTX 50シリーズでは、フレームレートを高める技術であるDLSSがDLSS 3からDLSS 4に進化し、マルチフレーム生成に対応するようになった。従来のDLSS 3では、実際に描画するフレームの間にAIで補完したフレームを1フレームずつ挟むことができたが、DLSS 4では最大3枚のフレームを生成できるようになり、フレームレートが大きく向上する。DLSS 4を利用できるGPUは、GeForce RTX 50シリーズのみであり、GeForce RTX 50シリーズの大きな魅力といえる。

 Vector 17 HX AI A2XWシリーズは、ゲーミングノートPCの性能を左右する重要パーツであるCPUとGPUに、最新パーツを採用し、最新AAAタイトルも快適に遊べるスペックを誇る、高性能ゲーミングノートPCである。なお、上位モデルには、「GeForce RTX 5090 Laptop」を搭載した「Vector 17 HX AI A2XW A2XWHG-4850JP」が用意されている。

【Vector 17 HX AI A2XW A2XWHG-6359JP】
CPU:インテル Core Ultra 9 275HX(24コア/24スレッド、2.7GHz~5.4GHz)
GPU:NVIDIA GeForce RTX 5070 Ti Laptop(12GB)
メインメモリ:64GB DDR5(32GB×2)
ストレージ:1TB NVMe Gen4 SSD
液晶ディスプレイ:2,560×1,600ドット(WQXGA)、17型240Hz非光沢液晶
光学ドライブ:なし
OS:Windows 11 Pro
本体サイズ:380.34×297.97×28.75mm(幅×奥行き×高さ)
本体重量:約3.0㎏
価格:499,800円(税込)
製品ページ:https://jp.msi.com/Laptop/Vector-17-HX-AI-A2XWX/

【Vector 17 HX AI A2XW A2XWHG-4850JP(参考)】
CPU:インテル Core Ultra 9 275HX(24コア/24スレッド、2.7GHz~5.4GHz)
GPU:NVIDIA GeForce RTX 5090 Laptop(24GB)
メインメモリ:64GB DDR5(32GB×2)
ストレージ:1TB NVMe Gen4 SSD
液晶ディスプレイ:2,560×1,600ドット(WQXGA)、17型240Hz非光沢液晶
光学ドライブ:なし
OS:Windows 11 Pro
本体サイズ:380.34×297.97×28.75mm(幅×奥行き×高さ)
本体重量:約3.0㎏
価格:679,800円(税込)
製品ページ:https://jp.msi.com/Laptop/Vector-17-HX-AI-A2XWX/

ゲーミングノートらしい精悍さを感じさせるが、主張しすぎないデザイン

 Vector 17 HX AI A2XWシリーズは、ゲーミングノートPCらしい精悍さを感じさせるデザインであり、ボディカラーもコスモスグレイと呼ばれる落ち着いたグレーを採用し、存在感がありながらも主張しすぎることがない、広く受け入れられそうな外観である。

 ACアダプターは330W仕様とかなり容量が大きいため、サイズや重量も大きめだが、基本的に本体を持ち歩いて使う製品ではないため、特に弱点とはならないだろう。

17型/240Hz対応の2,560×1,600ドット液晶ディスプレイを搭載

 ゲーミングノートPCでは、基本的に搭載している液晶ディスプレイでゲームをプレイすることになるので、液晶ディスプレイのスペックが重要になる。Vector 17 HX AI A2XWシリーズは、2,560×1,600ドット(WQXGA)表示の17型液晶ディスプレイを搭載している。14型~16型クラスのゲーミングノートPCでは、1,920×1,080ドットのフルHD液晶または1,920×1,200ドットのUXGA液晶を搭載している製品が多いが、本製品はより解像度が高い液晶を搭載しているため、より精細な映像でゲームが楽しめる。リフレッシュレートも240Hzと高く、FPS/TPSのようにフレームレートが重要なゲームで不利になることもない。液晶表面の加工は非光沢(ノングレア)で、外光の映り込みが抑えられており、長時間利用していても目の疲れが少ない。

 液晶上部には、207万画素のWebカメラが搭載されている。顔認証にも対応し、物理的にWebカメラを閉じてプライバシーを守るプライバシーシャッターも付いている。

【17型WQXGA液晶を搭載】

液晶はリフレッシュレート240Hz対応で、解像度は2,560×1,600ドットのWQXGA。表面は非光沢仕様で、目への負担が小さい液晶上部には、約207万画素のWebカメラが搭載されている24ゾーンRGBバックライト搭載キーボードと大型タッチパッドを採用

 キーボードは、テンキー付きの全102キーで、24ゾーンに分かれて制御が可能なRGBバックライトが搭載されており、色鮮やかにライトアップされる。また、ゲームで使用頻度の高いWASDキーがトランスルーセント仕様になっており、よく目立って分かりやすい。「ろ」などの右側の一部のキーのピッチが狭くなっていることがやや気になるが、ゲームプレイという文脈ではあまり影響はないだろう。本製品はNPU性能がCopilot+ PCの要求スペックを満たしていないためCopilot+ PCではないが、NPUを搭載したAI PCのため、Copilotキーもちゃんと用意されている。

 ポインティングデバイスとしてはタッチパッドを採用。タッチパッドとクリックボタンが一体化したタイプで、パッドサイズが大きく操作性も良好だ。とはいえ、FPS/TPSなどをプレイする場合は、基本的にマウスを接続して操作することになるだろう。

【キーボードとタッチパッド】

キーボードは全102キーで、テンキーも搭載している24ゾーンで制御可能なRGBバックライトを搭載。WASDキーがトランスルーセントになっており、よく目立つタッチパッドも大型で使いやすいPCIe 4.0対応高速SSDを搭載。シーケンシャルリードは約7,000MB/s

 メインメモリには高速なDDR5メモリを採用し、容量も64GBと余裕がある。メモリが64GBあれば、AAAタイトルをプレイしながらリアルタイムで実況配信をするにも十分だ。また、ストレージは、PCIe 4.0対応NVMe 1TB SSDを搭載する。試用機に搭載されていたSSDはMicron 2500であり、「CrystalDiskMark 8.1.0」を使ってストレージ性能を計測したところ、シーケンシャルリード(Q8T1)は6,926.86MB/s、シーケンシャルライト(Q8T1)が2,505.55MB/sと高速であった。大規模なAAAタイトルの起動やデータサイズの大きなマップの読み込みも短時間で終わり、ストレスを感じずにゲームをプレイできる。

【「CrystalDiskMark 8.1.0」の結果】

シーケンシャルリードは6,926.86MB/sと高速だThunderbolt 5 Type-C×2などインターフェイスも充実

 Vector 17 HX AI A2XWシリーズは、インターフェイスも充実している。USB 3.2 Gen Type-A×2とThunderbolt 5 Type-C(USB PD対応)×2に加えて、HDMI端子や2.5Gbps対応有線LAN、SDメモリーカードスロットも用意されている。Thunderbolt 5 Type-Cは、DisplayPort出力にも対応しているので、変換ケーブルを用意することで、HDMI端子と本体液晶をあわせて3画面出力が可能になる。さらに、ワイヤレス機能として、最新のWi-Fi 7対応無線LANとBluetooth 5.4もサポートしており、インターフェイスについても満足できる。

Core Ultra 9 275HXとGeForce RTX 5070 Ti搭載で最新ゲームも超快適!

 Vector 17 HX AI A2XWシリーズは、インテルの最新CPU「Core Ultra 9 275HX」とNVIDIAの最新ミドルハイGPU「GeForce RTX 5070 Ti Laptop」を搭載した高性能ゲーミングノートPCであり、性能とコストパフォーマンスが高いことが魅力だ。

 そこで、2025年春以降に発売された最新ゲーム3作品をプレイして、パフォーマンスを計測してみた。

まさかの200fps超え! DLSS 4の威力が十分に発揮できた「DOOM: The Dark Ages」

 まずは、「DOOM: The Dark Ages」をプレイしてみた。 「DOOM: The Dark Ages」は、2025年5月15日にBethesda Softworksから発売されたシングルプレイヤーFPSであり、1993年に発売されたFPSの草分け的な存在である「DOOM」の流れを汲む作品であり、2016年に発売されたリブート版「DOOM」と2020年に発売された「DOOM Eternal」の前日譚となる。

 「DOOM: The Dark Ages」の推奨スペックは、CPUがIntel Core i7-12700K以上またはAMD Ryzen 7 5700X以上、GPUがビデオメモリ10GB以上のNVIDIA RTX 3080以上またはAMD Radeon RX 6800以上、ウルトラ4K環境での推奨スペックは、CPUはIntel Core i7-12700K以上またはAMD Ryzen 7 5700X以上で変わらないが、GPUがビデオメモリ16GB以上のNVIDIA RTX 4080以上またはAMD Radeon RX 7900XT以上と、かなり高くなる。今回試用したVector 17 HX AI A2XW A2XWHG-6359JPは、推奨スペックは余裕でクリアしているが、ビデオメモリが12GBなのでウルトラ4K環境での推奨スペックはやや及ばないということになる。

 「DOOM: The Dark Ages」は、DLSS 4のマルチフレーム生成にも対応しており、GeForce RTX 5070 Ti Laptopを搭載した本製品のテストにはぴったりだ。パフォーマンス検証には、CapFrameXを利用し、1分間の平均フレームレートと最低フレームレートを計測した。計測は最初のチャプターで5回行ない、その平均値を採用している。

 まず、解像度を2,560×1,600ドットに設定し、品質の一括調整を最高の「ウルトラナイトメア」に設定。DLSSは使わない設定にして、フレームレートを計測したところ、平均フレームレートは61fps、最低フレームレートは55fpsとなった。これくらいのフレームレートでも、「VALORANT」のような対戦FPSではないので、プレイをしていて特に不利とは感じられず、十分快適であったが、普段高いフレームレートでFPS/TPSをプレイしているプレイヤーだともう少し高いフレームレートで遊びたいと思うかもしれない。そこで、アップスケーラーでDLSSを有効にし、DLSS超解像度の設定は「バランス」にして計測したところ、平均フレームレートは89fpsに、最低フレームレートは74fpsに向上した。

 さらに、DLSSフレーム生成を最高の「4x」(つまりDLSS 4有効)に設定して計測を行なったところ、平均フレームレートは214fpsへと大きく向上した。最低フレームレートは59fpsになっているが、マルチフレーム生成を有効にした場合の最高フレームレートや最低フレームレートの計測結果はあまりあてにならないので、平均フレームレートだけで考えてよい。

 実際のプレイ感覚でも、素早い振り向きの際など、より滑らかに画面が付いてくると感じた。本機のディスプレイは240fpsまで対応しているため、しっかり描画できるのも良いところ。DLSSフレーム生成を最高の「4x」に設定すると、フレームとフレームの間に最大3枚のフレームを挿入するので、理論的にはフレームレートが最大4倍になるのだが、DLSS有効/フレーム生成無効時と比べても約3倍に平均フレームレートが向上している。DLSS 4の威力の凄さがよく分かる結果となった。

 「DOOM: The Dark Ages」は、プレイヤーが魔界のデーモン達が恐れる伝説の戦士ドゥームスレイヤーとなり、次々に現れるデーモンを倒しまくるという、シンプルかつ爽快なゲームである。2025年に登場したゲームだけのことはあり、グラフィックスも非常に美しい。CEROレーティングはDで、残虐なシーンも多いが、Vector 17 HX AI A2XWシリーズなら最高画質でもDLSS 4の威力により、とても快適なプレイが楽しめる。戦いにおいては、相手の攻撃をパリィすることも重要だが、スペックに余裕のあるVector 17 HX AI A2XWシリーズではパリィも楽に行なえた。

今年の話題作「Clair Obscur: Expedition 33」は最高画質設定で快適にプレイできる

 次に、「Clair Obscur: Expedition 33」をプレイしてみた。「Clair Obscur: Expedition 33」は、2025年4月24日にKepler Interactiveから発売された革新的なRPGだ。戦闘がターン制リアルタイムバトルになっていることが特徴で、自分と敵が交互にターンを行うが、敵の攻撃タイミングに合わせて回避やパリィを行なうことで有利になったり、自分の攻撃時にタイミングを合わせることで、相手に与えるダメージが増加するシステムを採用している。本作品を開発したのはフランスのスタジオであり、独特の世界観とシビアなストーリーも魅力だ

 「Clair Obscur: Expedition 33」の推奨スペックは、CPUがIntel Core i7-12700K以上またはAMD Ryzen 7 5800X以上、GPUがNVIDIA GeForce RTX 3060 Ti以上またはAMD Radeon RX 6800 XT以上となっており、今回試用したVector 17 HX AI A2XW A2XWHG-6359JPは、推奨スペックを十分にクリアしている。パフォーマンス検証には、CapFrameXを利用し、1分間の平均フレームレートと最低フレームレートを計測した。計測はACT1「ギュスターヴ」で5回行ない、その平均値を採用している。

 まず、解像度を2,560×1,600ドットに設定。品質の一括調整を最高の「エピック」にし、スケーリングを「DLSS」、スケーリングモードを「バランス」に設定して、フレームレートを計測したところ、平均フレームレートは85fps、最低フレームレートは55fpsとなった。フィールドでの移動はオープンワールドタイプであり、平均フレームレートが60fps超えていれば快適にプレイが可能だ。「Clair Obscur: Expedition 33」は、フレーム生成には対応していないが、Vector 17 HX AI A2XWシリーズなら最高画質設定でも問題なく遊べるといえる。品質の一括調整を1つ下げて「高」にしたところ、平均フレームレートは103fps、最低フレームレートは76fpsに向上したが、プレイ感覚はほとんど変わらなかった。パリィや回避のしやすさも「エピック」のときとほぼ同じだったので、基本的には最高画質の「エピック」でプレイすればよいだろう。

伝説のRPG「The Elder Scrolls IV: Oblivion Remasterd」も最高画質で快適

 続いて、「The Elder Scrolls IV: Oblivion Remasterd」をプレイした。「The Elder Scrolls IV: Oblivion Remasterd」は、2025年4月23日にベセスダ・ソフトワークスから発売されたオープンワールドRPGであり、2006年に発売されたオープンワールドRPGの金字塔「The Elder Scrolls IV: Obvilion」のリマスター版である。

 基本的なストーリーはオリジナル版から変わらないが、グラフィックスエンジンがUnreal Engine 5になり、グラフィックスが劇的に強化された。キャラクターモデルやエフェクト、天候表現なども一新されている。さらに、ダッシュが追加されるなど、システムやUIも全面的に改良され、現代のゲーム環境に適合するように生まれ変わった。

 「The Elder Scrolls IV: Oblivion Remasterd」の推奨スペックは、CPUがIntel Core i5-10600K以上またはAMD Ryzen 5 3600X以上、GPUがNVIDIA GeForce RTX 2080以上またはAMD Radeon RX 6800 XT以上となっており、今回試用したVector 17 HX AI A2XW A2XWHG-6359JPは、推奨スペックを十分にクリアしている。パフォーマンス検証には、CapFrameXを利用し、1分間の平均フレームレートと最低フレームレートを計測した。計測は至聖所で5回行ない、その平均値を採用している。

 まず、解像度を2,560×1,600ドットに設定。品質レベルを一番上の「最高」にし、アップスケール技術を「オフ」にしてフレームレートを計測したところ、平均フレームレートは62fps、最低フレームレートは48fpsとなった。「The Elder Scrolls IV: Oblivion Remasterd」は、FPS視点のリアルタイムオープンワールドRPGだが、この設定でもゲームプレイには特に支障は感じられず、快適にプレイが可能であった。次に、アップスケール技術を「DLSS」に設定し、DLSSモードを「バランス」に設定して、フレームレートを計測したところ、平均フレームレートは101fps、最低フレームレートは77fpsに向上し、より素早い視点変更などが滑らかに描写されるようになった。

 さらに、DLSSフレーム生成を「オン」にしたところ、平均フレームレートは159fps、最低フレームレートは63fpsとなった。最低フレームレートについては、前述したとおり、フレーム生成有効時にはあまり当てにならないので、気にしなくてよい。「The Elder Scrolls IV: Oblivion Remasterd」では、マルチフレーム生成対応ではなく、シングルフレーム生成(DLSS 3)のみに対応しているが、それでもその効果は大きいことが分かる。

 Vector 17 HX AI A2XWシリーズなら、新たに生まれ変わったオープンワールドRPG「The Elder Scrolls IV: Oblivion Remasterd」も、最高画質で快適にプレイできるといえる。

17型/240Hz対応の大型液晶で「Forza Motorsport」の最新コース「富士見街道」を堪能!

 Vector 17 HX AI A2XWシリーズは、繰り返しになるがCPUやGPUが高性能なだけでなく、17型/240Hz対応の大型液晶を搭載していることも魅力だ。15.6型クラスの液晶を搭載しているゲーミングノートPCに比べて、より大きく迫力のある映像でゲームを楽しめる。そこで、大画面と高リフレッシュレートを活かせるタイトルとして、「Forza Motorsport」をプレイしてみた。

 「Forza Motorsport」は、2023年10月10日にマイクロソフトから発売されたレーシングシミュレータゲームであり、人気レーシングシミュレータゲーム「Forza」シリーズの最新作であり、シリーズで初めてリアルタイムレイトレーシングに対応するなど、大きく進化している。

 初代の「Forza Motorsport」は2005年に発売されており、今年で20周年となる。その20周年を記念して、2025年5月に新たに「富士見街道」コースが追加された。「富士見街道」は、初代「Forza Motorsport」から登場し、ファンに愛されてきた「Forza」シリーズオリジナルの架空コースだ。その名の通り、雄大な富士山の景色をバックに爽快なドリフトが楽しめる日本の峠道をモデルにデザインされたコースである。早速、「富士見街道」でのレースに挑戦してみた。

 「Forza Motorsport」の推奨スペックは、CPUがIntel Core i5-11600K以上またはAMD Ryzen 5 5600X以上、GPUがNVIDIA GeForce RTX 2080 Ti以上またはAMD Radeon RX 6800 XTまたはIntel A770以上となっている。もちろん、今回試用したVector 17 HX AI A2XW A2XWHG-6359JPは、推奨スペックを余裕でクリアしている。パフォーマンス検証には、CapFrameXを利用し、1分間の平均フレームレートと最低フレームレートを計測した。計測は富士見街道で5回行ない、その平均値を採用している。

 まず、解像度を2,560×1,600ドットに設定し、ダイナミックレンダリングクオリティを最高の「ウルトラ」に設定、NVIDIA DLSSは「オフ」、レイトレーシングクオリティを「オフ」に設定したところ、平均フレームレートは94fps、最低フレームレートは75fpsとなった。平均フレームレート60fpsでも快適にプレイできるが、100fps程度出せればさらに滑らかに感じられる。次に、NVIDIA DLSSを「バランス」に設定したところ、平均フレームレートは106fps、最低フレームレートは78fpsに向上し、より滑らかに感じられるようになった。

 「Forza Motorsports」は、PC以外にXbox Series X|Sでもプレイができるが、上位のXbox Series Xでも、最大フレームレートが60fpsとなっており、4K解像度で60fps優先(パフォーマンスモード)にするとレイトレーシングをオンにすることはできない。しかし、Vector 17 HX AI A2XWシリーズなら、DLSSを有効にすることで、レイトレーシングオンでも平均フレームレートが60fpsを超えているため、Xbox Series Xを上回るフォトリアルな画質でゲームを楽しめるといえるだろう(解像度は2,560×1,600ドットとなるが)。

Vector 17 HX AI A2XWシリーズ独自の3画面出力機能で「モンハンワイルズ」に挑戦。攻略動画やWebサイト閲覧など、ながらプレイがより楽しく

 Vector 17 HX AI A2XWシリーズは、64GBの大容量メモリと1TB SSDを搭載し、同時に3画面出力が可能なことも特徴だ。そこで、カプコンから発売されている人気ハンティングアクションゲーム「モンスターハンター ワイルズ」(以下モンハンワイルズ)を用いて、3画面出力でのゲームプレイの検証を行なってみた。

 「モンハンワイルズ」PC版の推奨スペックは、最低環境/推奨環境/高/ウルトラの4つが公開されており、それぞれターゲットとする解像度やフレームレートが異なる。2,560×1,600ドット液晶を搭載しているVector 17 HX AI A2XWシリーズは、動作環境「高」(2,560×1,440ドット/60fpsがターゲット)が当てはまる。動作環境「高」では、CPUがCore i5-10400/Core i3-12100/Ryzen 5 3600で、GPUがGeForce RTX 4060 Ti/Radeon RX 6700XTとなる。もちろん、Vector 17 HX AI A2XWシリーズならこの推奨スペックを余裕でクリアしている。

 3画面出力を実現するには、本機の他に外部モニターを2台接続する必要があるが、接続用ケーブルには注意が必要だ。Vector 17 HX AI A2XWシリーズには、外部モニター接続用のHDMI端子が1つ用意されているので、まずはHDMIケーブル(4K/60Hz出力をするならHDMI 2.0以上に対応したもの)が必要だ。

 さらに、USB Type-CーDisplayPort変換ケーブルを用意すれば、左側面に用意されている2つのThunderbolt 5 Type-C(USB PD対応)に一般的なDisplayPort対応のゲーミングモニターを接続できる。

 今回接続した2台のモニターは、1台がフルHD対応、もう1台が4K対応で、Vector 17 HX AI A2XWシリーズのWQXGA液晶も含めてすべてバラバラの解像度だが、問題なく表示が可能であった。

 今回は「モンハンワイルズ」をグラフィックプリセット「高」、フレーム生成「オン」、レイトレーシング「高」に設定して、フルHD対応モニターでWebサイトを表示させ、4K対応モニターでYouTube動画を再生させた状態で「護竜アンジャナフ亜種の狩猟」ミッションをプレイしてみた。

 この状態での平均フレームレートは95fps、最低フレームレートは42fpsで、特に問題なくプレイが可能であった。グラフィックプリセットを「中」に下げると、平均フレームレートは109fps、最低フレームレートは51fpsに向上した。どちらの設定でもプレイは問題なく行なえるので、画質重視ならグラフィックプリセット「高」、フレームレート重視ならグラフィックプリセット「中」にすればよいだろう。

 Vector 17 HX AI A2XWシリーズなら、1台でゲームプレイだけでなく、Webサイトや、攻略動画も同時に楽しむことができる。ハイスペックなゲーミングPCならではの楽しみ方といえるだろう。

最新ゲームを最高画質で快適に楽しめるコストパフォーマンスの高いゲーミングノートPC

 今回の検証で明らかになったように、Vector 17 HX AI A2XWシリーズは今年春に発売された「DOOM: The Dark Ages」や「Clair Obscur: Expedition 33」、「The Elder Scrolls IV: Oblivion Remasterd」といった最新ゲームタイトルも、2,560×1,600ドットの最高画質で快適にプレイできるパフォーマンスを備えた製品である。

 今回検証に使った5つのゲームはすべて最高画質設定または最高画質設定に次ぐ水準で快適にプレイできたが、特にDLSS 4(マルチフレーム生成)に対応している「DOOM: The Dark Ages」は、DLSS 4を有効にすることで、最高画質設定でも平均214fpsという非常に高いフレームレートを叩き出しており、DLSS 4の威力をまざまざと見せつけてくれた。現時点でDLSS 4を利用できるのは、PCプラットフォームのみで、なおかつ最新のGeForce RTX 50シリーズ限定であり、GeForce RTX 5070 Tiを搭載した本製品のアドバンテージは大きい。今後はDLSS 4対応ゲームがさらに増えてくることが期待されるので、将来性についても大きな期待が持てる。

 Vector 17 HX AI A2XW A2XWHG-6359JPの発売日は5月29日で、価格は499,800円(税込)を予定。ゲーミングノートPCとしての完成度は高く、スペックを考えるとコストパフォーマンスも優秀だ。スペースの都合でデスクトップPCを部屋に置くのは厳しいとか、部屋から部屋へ持ち歩いて、色んな場所でゲームをしたいという人には特におすすめしたい製品だ。Vector 17 HX AI A2XWシリーズなら、今後登場する大型ゲームタイトルも快適にプレイできるだろう。

【Vector 17 HX AI A2XWシリーズ】

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