Innovation Dream Techは5月20日、『Time Space Rebuild(再構成された時空)』をPC(Steam)向けにリリースした。ユーザーレビューではさっそく好評が集まっており、好調なスタートを切っている。なお本作は日本語表示に対応している。

本作は、実写アドベンチャーゲームだ。本作の世界では文明が崩壊の危機に瀕しており、主人公のアンソンはあるとき、失っていた「時空を超える英雄」としての記憶を思い出す。そうして彼は今までの日常を逸脱し、個性的なヒロインと出会いながら、世界を救う旅を繰り広げることとなる。なお現時点で本作には「霊境の暴走(The Spiritual Realm Chaos)」編とされる物語が収録されている。

本作には美しい幼馴染のソリン、冷静沈着なセクシーエージェントのチンナン、博識で神秘的な少女エリア、温和で知的なメイドのミヤビ、天真爛漫なお嬢様アイビーの5人のヒロインが登場。数百の分岐ルート、および数十種類のエンディングが存在し、物語はQTEの結果や選択肢次第で枝分かれしていく。時空を超える物語の中で、小難しい用語も頻出する独特な世界観が描かれる点も特徴だ。

本作を手がけるInnovation Dream Tech(未來夢科技)は香港に拠点を置くスタジオだ。本作は同社として初めて手がける作品とみられるものの、すでに好評を獲得。5月20日の発売後、本稿執筆時点のSteamにてさっそく220件以上のユーザーレビューが寄せられ、うち95%が好評とする「非常に好評」ステータスを得ている。ちなみにレビューの内訳を見ると、85%が簡体字ユーザーとなっている(SteamScout)。

これまでSteamでは中国発の実写ADVゲームがさまざま展開され、それぞれ中国語ユーザーを中心に好評を博してきた。中国では网络剧と呼ばれるWebドラマが人気を得ており、そうした土壌も実写ADVゲームの人気の背景としてあるようだ(関連記事)。

そして今回発売された『Time Space Rebuild』はヒロインとの恋愛も軸にしつつ、スケールの大きな物語が展開。映画のように本格的な格闘アクションシーンが散りばめられている点も持ち味となっている。これまでにも恋愛系のほか、ミステリーやデスゲームなど多彩なジャンルの実写ADVゲームが存在したものの、本作は制作規模がひと際大きそうだ。

*公式YouTubeチャンネルで公開されているメイキング映像

レビューでもそうした持ち味は評価を受けており、さっそく好評レビューが集まっている。またいわゆる中二病心をくすぐるようなやけに小難しい用語が飛び交う、壮大な世界観設定なども好評だ。とはいえ先述したとおり、現時点で本作には「霊境の暴走」編の物語のみが収録。本作の公式ニュースによると、今後ユーザーのフィードバックを受けながらさらなる物語が制作され、無料アップデートで実装されていくという。現時点ではボリューム面が物足りない点への指摘は見受けられ、今後の展開も期待されるところだろう。

ちなみにSteamでは繁体字のユーザー数が英語ユーザー数としのぎを削っており、今年2月の春節には繁体字ユーザーが50.06%を占めていた(関連記事)。『黒神話:悟空』のヒットなどを受けて繁体字のユーザーベースが増加している傾向は見られ、実写ADVのような主に中国のプレイヤーをターゲットにした作品も、これまで以上に野心的になっているのかもしれない。

『Time Space Rebuild(再構成された時空)』はPC(Steam)向けに発売中だ。6月3日までリリース記念セールとして、定価の20%オフとなる1600円で販売されている。

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