Shopify連携により、ブランドは外部サイトを介さずにRoblox内で商品販売が可能となった。

初期テストで高収益を記録し、今後はフードや旅行など多分野へ拡大予定である。

Roblox(ロブロックス)は、自社プラットフォームを仮想ショッピングモールへと進化させる大きな一歩を踏み出した。

同社は5月中旬、「Commerce API」を正式に発表した。これは、対象となるクリエイターやブランドが、自身のRoblox内の体験を通じて物理的な商品を直接販売できるようにする新たなツールである。この発表にあわせて、Robloxは「Approved Merchandiser Program(認定マーチャンダイザープログラム、AMP)」も導入した。このプログラムでは、現実の商品を購入すると、Roblox内で使えるアバター用のバーチャルアイテムがアンロックされる仕組みとなっている。

今回の取り組みは、Robloxが昨年実施したパイロットプログラムを基盤としている。このパイロットプログラムでは、Shopify(ショッピファイ)を初のコマース連携パートナーに起用し、ロブロックス上で物理的な商品を販売できる仕組みを試験的に導入していた。

Shopifyを通じてすでに商品を販売しているブランドは、自社のストアをRobloxに連携させることで、外部の決済ページを経由せずに、コスメやアパレル、アクセサリーといった実際の商品をRobloxのゲーム内で販売できるようになった。「今では、コマースを簡単に組み込むことができ、体験を新たな形でマネタイズすることが可能になった」と、Robloxのグローバルブランドパートナーシップ担当VP、ステファニー・レイサム氏は述べている。「これはほんの始まりにすぎない」とも語った。

このシステムはすでに初期段階で成果を上げている。クローズドベータテストでは、クリエイタースタジオのツインアトラス(Twin Atlas)が、ローンチから数週間で6桁規模の売上を記録した。購入の90%はRoblox内のショッピングインターフェース経由で行われ、そのうち約半数がリピーターによるものだったという。

ローンチ時点では、リアーナのフェンティ ビューティ(Fenty Beauty)やザ・ウィークエンド(The Weeknd)といったブランドが、Roblox上でのショッピング体験を開始する。フェンティ ビューティは、Roblox体験内でのみ手に入る限定版のグロス「グロス ボム(Gloss Bomb)」を提供し、ザ・ウィークエンドは、自身の新作映画のチケットバンドルとデジタルアイテムのセットを販売する。

Robloxでのフェンティ ビューティーの体験

今回の発表ではファッションやエンターテインメント分野に焦点が当てられているが、Robloxは今後、フードデリバリーや旅行といったほかのカテゴリーにもコマース機能を拡大していく方針だ。「フライト前の体験や、ゲーム内からのデリバリー注文なども想像できる」とレイサム氏は語った。「文脈に合っていれば、可能性は無限だ」と述べている。

[原文:Marketplace Briefing: Amazon sellers recommit to Prime Day after tariff relief ─ but scramble to restock in time]

Allison Smith(翻訳・編集:坂本凪沙)

編集部

WACOCA: People, Life, Style.

Exit mobile version