【この記事に関する別の画像を見る】

 「パタポン」と言えば、2007年12月20日にソニー・インタラクティブエンタテインメント(当時:ソニー・コンピュータエンタテインメント)がプレイステーション・ポータブル用ソフトとして発売したリズムアクションゲームだ。2008年11月27日には続編となる「パタポン2 ドンチャカ♪」が発売され、2011年4月28日には「パタポン 3」が発売されている。

 今回新たに発売される「パタポン1+2 リプレイ」では、1作目と2作目をバンドルしつつ、タイコのコマンドの常時表示機能やリズムの入力タイミングの調整機能追加、「EASY・NORMAL・HARD」の3段階の”新基準”での難易度調整、そして高画質化に加えてSwitchとSteamでのマルチプラットフォーム展開に対応する。また、Switchでは最大4人のローカル通信プレイに対応している。

 今回は、そんな「パタポン1+2 リプレイ」を試遊してきたのでその所感をお届けしていこう。なお、試遊はプレイステーション 5によるものとなっている。

■ 4拍子のリズムに合わせて不思議で可愛いひとつ目の「パタポン」を采配するリズムアクション

 「パタポン」は、コントローラーの○・×・△・□ボタンを4拍子のリズムに合わせて入力し、ひとつ目の生物パタポンたちを采配する横スクロールのリズムアクションだ。基本操作はこのボタン入力での“コマンド指示のみ”というのがポイントで、簡単な操作性ながら「リアルタイムストラテジー」のように、状況に合わせた指示を送っていくことで、ステージを攻略していく。

 ゲーム中は常に一定間隔でリズムが刻まれており、プレイヤーはそのリズムに合わせてボタンの組み合わせから構成されるコマンドを入力する。たとえば、4拍子のリズムに合わせて攻撃指示の○→○→□→○を入力すると、「ポン(○)」「ポン(○)」「パタ(□)」「ポン(○)」の“せめろ”のコマンドが成立し、パタポンたちが近くにいる敵に一斉攻撃を行なうといった具合である。

 筆者は第1作目をプレイステーション・ポータブル(PSP)でリアルタイムにプレイしていた世代だ。当時まだ中学生という多感な時期ではあったが、リズムゲームに戦略要素を掛け合わせた「パタポン」のゲーム性に夢中だったのを覚えている。

 しかし、攻略中に集中力が途切れてタイミングを見失ってしまったり、焦って入力コマンドを忘れてしまったりすると、行動が遅れて敵に蹂躙されてしまうことが多々あった。それが「パタポン」の持つ難しさでもあり、練達していく楽しさでもあったと思う。ただ、「パタポン1+2 リプレイ」においては、画面の下にコマンド表を常時表示することができる。これが非常に便利で、移動と攻撃に加え、さまざまな種類があるコマンド入力方法がいつでも目の届く範囲内にあるから遊びやすい。

 ゲームをプレイし続けていれば、自然と体がコマンドを覚えるものだが、ことボスバトルにおいては、ボス敵の予備動作を察して、防御指示なり回避指示なりをリアルタイムに出さなくてはならない。

 予備動作を目で捉えて感覚的に適切なコマンドを入力できれば良いのだが、筆者はそれが上手くできないタイプだ。「次はどうすべきか」「あのコマンドなんだっけ」と思考していると、うっかりコマンド入力のミスが発生する。結局、そのミスが原因で連鎖的に集中力を切らしてしまい、戦闘中の立て直しに時間がかかってボコボコにされるのである。これを防ぐためにかつてはコマンド入力中のコンボだけは切らぬよう、思考中は状況にそぐわなくとも、出しやすいコマンドを命令することで、その場のお茶を濁すような采配の癖があった。

 しかしながら本作はコマンド表が即確認できるお陰で、「あのコマンドなんだっけ」と、記憶を手繰り寄せる必要がほとんどない。敵の動きとパタポンたちの状況を瞬時に確認したら、そのまま視線をコマンド表に移して、その通りにコマンド入力すればいい。なので、過去PSPでオリジナル版をプレイしたときよりも、スムーズなコマンド入力が可能となって、さまざまな状況に対処しやすくなった実感がある。

 ゲームの試遊時間はかなり限られていたが、ステージ攻略とボスバトルを通して、「パタポン」のゲーム性を振り返ったようだった。自分の記憶の中の「パタポン」は“難しいゲーム”だが、「パタポン1+2 リプレイ」になって、難易度バランスの調整や先述したコマンド常時表示が、より遊びやすさに貢献していると思う。

 また、「パタポン」の魅力はゲーム性だけではない。ステージに合わせて部隊を編成するRPG要素や装備集めなどの育成部分もやり込めるところだろう。Switch版ではローカル通信によるマルチプレイも楽しめる。本試遊はあくまでゲーム性の体験的な趣旨が強かったが、難しくてオリジナル版のプレイを途中で諦めてしまった筆者でも、新たに調整された「パタポン1+2 リプレイ」なら、クリアまで遊び込めるリベンジが期待できそうだ。簡単になったというよりも遊びやすくなって、ゲームシステムを楽しむためのハードルがグッと下がった感覚である。

 「パタポン1+2 リプレイ」からは、細かな調整に加えて、TIPS一覧表示機能(TIPSアルバム)や部隊編成画面のヘルプなど「パタポン2 ドンチャカ♪」に存在していた便利機能が、一作目の「パタポン」でも適用されているという。筆者と同じようにオリジナル版をプレイして躓いてしまったユーザーも、ぜひ本作でリベンジを果たしてもらいたいところ。

(C)2025 Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Bandai Namco Entertainment Inc.
Patapon is a registered trademark of Sony Interactive Entertainment Inc. in the U.S. and other countries.

GAME Watch,そりす

WACOCA: People, Life, Style.

Exit mobile version