ブロックチェーン分析プラットフォームのDappRadarによれば、ブロックチェーンゲーム業界は、4月にユーザー数と資金調達の両面で落ち込みを見せたが、業界全体はむしろ健全化し、成熟に向かっている。
DappRadarのアナリスト、サラ・ゲルゲラス氏は、4月のユニークアクティブウォレット数(日次)は前月比10%減の480万ウォレットに落ち込み、2025年で最低水準を記録したと書いている。分散型アプリケーション業界におけるゲームの優位性も縮小し、現在では分散型金融(DeFi)と並ぶ21%となっている。
ゲルゲラス氏は、「ユーザーの関心がゲームから離れつつあるのは明らか」としながらも、「表面的な数字の裏では、新たなインフラの稼働、主要パブリッシャーによる投資強化、そして高品質ゲームのローンチ準備が進行している」と分析している。
「ブロックチェーンゲーム業界は死んだわけではない。進化している。ノイズからシグナルへの移行だ」と同氏は語る。
「チームは開発を続けており、資金も依然として流入している。今起きているのは、投機的な『プレイ・トゥ・アーン(Play-to-Earn)』から、純粋にゲームプレイや資産所有、コミュニティに関心を持つユーザー中心の健全なエコシステムへの移行だ」
プロジェクトの淘汰が進む
4月のブロックチェーンゲーム関連の資金調達総額は2100万ドルで、3月比69%減となった。
この大幅な減少についてゲルゲラス氏は、「投資家およびユーザーの関心が、現実世界資産(RWA)や人工知能(AI)など、他の分野へと移っている」ことや、「マクロ経済の不確実性がスタートアップの資金調達を難しくしている」ことを主な要因に挙げた。
Blockchain gaming funding has seen a sharp drop since last year. Source: DappRadar
また、「弱いプロジェクトは自然と淘汰され、静かに次世代のブロックチェーンゲームを築くプロジェクトに資金が流れている」とも指摘。今後は「トークンの盛り上がり」ではなく、「持続可能なビジネスモデルやプレイヤーの定着率、実際のエンゲージメント」が重視されていくと述べ、「市場が明確に“リセットモード”に入っている」ことを示唆した。
ゲルゲラス氏によれば、2025年これまでのブロックチェーンゲーム関連投資のうち、66%がインフラ関連に集中しているという事実も、業界の成熟度が高まっていることを裏付けているという。
大手ゲーム会社の実験も継続
ゲーム大手の動きも依然として活発だ。ゲルゲラス氏は、ユービーアイソフトがイミュータブルと提携してブロックチェーンゲームを開発していること、セガが『KAI:三国志バトル』に非代替性トークンやプレイ・トゥ・アーン要素を組み込んでいることなどを例に挙げ、業界の継続的な進化を強調した。
「2025年4月は記録的な月ではなかったが、それで構わない。今起きているのは、業界の再調整だ」と同氏は総括する。
「投機的な熱狂は冷めつつあるが、開発は止まっていない。ゲームは次々にリリースされており、エコシステムは拡大し、インフラは成熟しつつある」
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