デル・テクノロジーズ(以下、デル)は3月13日、同社のゲーミングPCブランド「Alienware」の新製品発表会を行なった。発表会ではNVIDIAの最新GPU「GeForce RTX 50シリーズ」を搭載し、筐体を一新したゲーミングノートPCのほか、ゲーミングモニター、ゲーミングノートPCを収納して持ち歩けるパックパックがお披露目となった。本稿ではイベントのレポート共に、新世代の「Alienware」製品を紹介していこう。
デル ジャパンコンシューマー&リテール アソートメントプランナー兼コンサルタントの松原大氏と新製品の「Alienware 16 Area-51」2025年は日本国内のPC市場が大きく伸長する
まず発表会では、デル本社のCSB Online Executive セールス担当バイスプレジデントのアンジェラ・リチター氏が登壇。日本における個人/中小企業向けビジネスの現状について以下のように説明を行なった。
2022年以降、日本国内のPC市場は右肩下がりであったが、2025年には大きく伸長すると見込まれている。2025年10月に迫るWindows 10のサポート終了や「コロナ禍初期に購入したPCの買い替え需要」が大きな要因だ。また「Copilot」をはじめとするAIアシスタントに対応した“AI PC”も市場をけん引している。
Dell Technologies CSB Online Executive セールス担当バイスプレジデントのアンジェラ・リチター氏
2022年以降、国内のPC市場は右肩下がりであったが、2025年には大きく伸長すると見込まれている。その理由として「Windows 10のサポート終了」や「コロナ禍初期に購入したPCの買い替え需要」が挙げられる
これに合わせてデルは先日、「Inspiron」や「XPS」など様々あった製品ブランドを廃止し、コンシューマー向けの「Dell」とプロフェッショナル向けの「Dell Pro」、「Dell Pro Max」へと刷新。それぞれ無印、Plus、Premiumといった製品群が用意され、用途に応じてふさわしい製品を選ぶことができるようになった。
また、デルはAI PCに注力しており、数多くのAI PCをすでに市場に投入。今回発表された「Alienware 16 Area-51」と「Alienware 18 Area-51」もAI PCのカテゴリとなるほか、マイクロソフトが策定する「Copilot+ PC」の仕様を満たし、最新のAI機能を利用することができる。
デルのPCポートフォリオ。コンシューマー向けの「Dell」とプロフェッショナル向けの「Dell Pro」「Dell Pro Max」に大別され、それぞれ無印、Plus、Premiumといった製品群がある
デルの最新AI PCポートフォリオ。一部はCopilot+ PC準拠である。今回「Alienware 16 Area-51」と「Alienware 18 Area-51」、「DELL Slim/Tower」が追加された新デザインコンセプト「AW30」を採用した「Alienware 18 Area-51」と「Alienware 16 Area-51」
続いて、デル ジャパンコンシューマー&リテール アソートメントプランナー兼コンサルタントの松原大氏が登壇。今回発表されたゲーミングノートPC「Alienware 18 Area-51/Alienware 16 Area-51」とデスクトップPC「Dell Slim/Dell Tower」の全4製品のプレゼンテーションを行なった。
デル ジャパンコンシューマー&リテール アソートメントプランナー兼コンサルタントの松原大氏
デルの最新製品ラインナップ。地色が黄色の製品は発表済みで、緑色の製品が今回発表された新製品
「Alienware」ブランドの新世代ゲーミングノートPCとなる「Alienware 18 Area-51」と「Alienware 16 Area-51」は、CPUとGPU共に最新世代のモノを採用。4月3日に先行発売となるモデルは、共通してCPUに「Core Ultra 9 275HX」、GPUに「GeForce RTX 5080 Laptop」を搭載しており、ディスプレイは2,560×1,600ドット/300Hz、メモリ32GB、SSD1TBという構成になっている。
だが18インチディスプレイ搭載の「Alienware 18 Area-51」はCPUとGPUを合わせた冷却可能な能力であるトータルパフォーマンスパワー(TPP)が280Wと高い一方で、筐体が一回り小さい16インチディスプレイ搭載の「Alienware 16 Area-51」はTPPが240Wとなっている。そのため、同じGeForce RTX 5080 Laptopを搭載していても性能的には「Alienware 18 Area-51」のほうが有利だ。
Alienware 18 Area-51は、リフレッシュレート300Hzの18型液晶を搭載したゲーミングノートPC。先行発売モデルは「Core Ultra 9 275HX」と「GeForce RTX 5080」の組み合わせで、TPPは280Wとなる
Alienware 16 Area-51は、リフレッシュレート300Hzの16型液晶を搭載したゲーミングノートPC。基本的な構成は「Alienware 18 Area-51」と同じだが、TPPが240Wとなっている
両製品とも新たなデザインコンセプト「AW30」を採用。より曲線的なデザインとなったほか、底面の一部にゴリラガラスを採用した“サーマルバンプ”が設けられており、内部のファンなどが見えるようになっている。また「Alienware」のエコシステムとして、新たに「Alienware 16 バックパック」と「Alienware 18 バックパック」を発売。それぞれ「Alienware」のノートPCを収納・持ち歩くために設計されており、高い衝撃耐久性を誇る。
先行発売モデルの参考価格は「Alienware 18 Area-51」が73万円~、「Alienware 16 Area-51」が65万円~となる。また、後日「Core Ultra 7 255HX」やさまざまな「GeForce RTX 50」シリーズを搭載したバリエーションが用意される予定だ。
またコストパフォーマンスの高いデスクトップPC「Dell Slim/Dell Tower」も併せて発表。Dell Slimはスリムな筐体が特徴の一方で、Dell Towerは「GeForce RTX 3050/4060」の搭載も可能で、ゲーミング用途にも最適なPCとなっている。
シンプルでコストパフォーマンスが高いデスクトップPC「Dell Slim/Dell Tower」。Dell Towerは、GeForce RTX 3050/4060の搭載も可能ノート用「GeForce RTX 50」シリーズは性能の大きなジャンプアップに
次に、ゲストとしてNVIDIA シニア テクニカル マーケティング マネージャーの澤井理紀氏が登壇し、「GeForce RTX 50」シリーズの解説を行なった。2025年1月よりデスクトップ向けの「GeForce RTX 50」シリーズが順次発売されているが、今回の「Alienware 16/18 Area-51」を皮切りに順次ノートPCにも「GeForce RTX 50」シリーズが搭載されていく。
NVIDIA シニア テクニカル マーケティング マネージャーの澤井理紀氏
最新のGeForce RTX 50シリーズのノートPC向け製品が登場
「GeForce RTX 50」シリーズは、新しい「Blackwell」アーキテクチャを採用し、非常に高いAI性能やレイトレーシング性能を実現。「GeForce RTX 50」シリーズで利用可能な新技術の中でも、特にゲームにおける恩恵が大きいのが、レンダリングされたフレームから複数のフレームをAIによって生成する「マルチフレーム生成」に対応したDLSS 4だ。DLSSを無効にした場合と比べてフレームレートは最大7倍にも向上する。すでに75のメジャータイトルがDLSS 4に対応しており、今後も多くのゲームが対応予定だ。
省電力機能の「Max-Q」もより進化し、最大40%長いバッテリー駆動時間を実現。「RTX 5090」搭載ノートPCは「RTX 4090」搭載ノートPCに比べて、最大2倍程度のパフォーマンスを叩き出している。「GeForce RTX 30シリーズ」かそれ以前のGPUを搭載したゲーミングノートPCユーザーがまだ70%いるということだが、そうしたユーザーにとって「GeForce RTX 50」シリーズは性能の大きなジャンプアップとなる。
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