AIによって生成された女優として発表され、ハリウッド俳優や映画業界団体から強い反発を受けたティリー・ノーウッド(Tilly Norwood)が、長編映画で主演をつとめることが明らかになった。

米メディア「Variety」などの報道によれば、作品のタイトルは『Misaligned』(外部リンク)。ティリー・ノーウッドを制作したイギリスのプロダクション・Particle6が発表した。

報道によれば同作は、デジタル世界「Tillyverse」を舞台にしたコメディドラマ。身体も子ども時代も実体験も持たないAI存在であるティリー・ノーウッドが、人間性を巡る問いに直面していく物語になるという。

“AI女優”ティリー・ノーウッド、俳優からは批判も

ティリー・ノーウッドは、Particle6およびAIタレントスタジオ・Xicoiaによって制作されたAI生成キャラクター。

ティリー・ノーウッド/画像はYouTubeより

2025年7月に公開されたYouTube動画「AI Commissioner」に出演し、同年9月に開催された「チューリッヒ映画祭(Zurich Film Festival)」の産業会議「Zurich Summit」で“AI女優”として正式に発表された。

しかし、その存在は発表直後から大きな議論を呼んだ。

映画俳優組合・米テレビ・ラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)は、ティリー・ノーウッドについて「ティリーは俳優ではなく、感情も経験も持たないキャラクターであり、制作側はギルドの契約義務を必ず守れ」だと声明で批判。

俳優のエミリー・ブラントさん、ナターシャ・リオンさん、ウーピー・ゴールドバーグさんらも懸念を表明していた。

ティリー・ノーウッド名義のMV「Take The Lead」

その後、2026年3月には、ティリー・ノーウッド名義のMV「Take The Lead」が公開。

動画の冒頭では人間の制作スタッフが関与していることが明記され、Particle6側は、AIと人間のクリエイターによるハイブリッドな制作の可能性を示すものだと説明していた。

AI俳優問題そのものを物語化する『Misaligned』

今回発表された『Misaligned』は、ティリー・ノーウッドにとって初の長編主演映画となる。

物語の中でティリー・ノーウッドは、人間の俳優の代替として別の役柄を演じるのではなく、AI生成の存在である“ティリー・ノーウッド”として登場する。前述したAI俳優を巡る現実の議論を取り込んだメタ的な物語のようだ。

Particle6は同作について、人間の脚本家や監督と編集者に加え、AI専門家が協働する「ハイブリッド制作」と位置づけている。

1990年生まれの地方在住。インターネットに青春時代を持っていかれた。VRとesportsが関心領域。最近はnoteを拠点に活動している。

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