川栄李奈川栄李奈 公式インスタグラムより

川栄李奈がテレビ番組で語った「態度が横柄」「あいさつをしない人もいる」という趣旨の発言が、思わぬ方向へ広がっている。

川栄は誰の名前も出していない。それなのに、SNSでは橋本環奈の名前が浮上した。なぜ、そこまで話が飛んだのか。

 

川栄李奈が語っていたのは「芸能界を辞めたかった理由」

きっかけは10月5日放送の日本テレビ系『しゃべくり007』だった。柳楽優弥と出演した川栄は、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』のヒロインオーディションを受けた当時を振り返った。川栄にとって朝ドラのヒロイン挑戦は6回目。このオーディションに落ちたら芸能界を辞めようとマネジャーにも伝えていたという。

そこで語ったのが、売れている人の中にも態度が横柄だったり、あいさつをしなかったりする人がいることへの嫌悪感だった。「なぜこの人が売れているのだろう」と感じ、芸能界そのものから離れたいと思った時期があったという話だ。つまり本来のテーマは特定の芸能人への告発ではなく、川栄自身が女優を続けるか迷っていた過去だった。ところが放送後、関心は「その人は誰なのか」に移っていった。

 

名前を出していないのに、橋本環奈へ飛び火

SNSで橋本環奈の名前が取り沙汰される材料になったのが、2024年の舞台『千と千尋の神隠し』をめぐる映像だった。橋本、上白石萌音、川栄、福地桃子の4人が主人公・千尋を演じた作品で、製作発表時の一場面を切り取った動画などが再び拡散。川栄の表情や橋本の発言を根拠に、「川栄が話していた人物は橋本ではないか」と推測する投稿が出始めた。

だが、表情だけで人間関係を判断することはできない。数秒の映像に、数年前の発言を後から重ね合わせれば、どんな関係にも物語を作れてしまう。今回広がったのは、川栄自身が示した情報ではなく、視聴者側が別の映像を持ち込み、空白だった「誰?」に名前を当てはめたものだ。

 

時系列を見ると、橋本環奈との接点は後だった

さらに大きいのが時期のずれだ。川栄が番組で振り返っていたのは、『カムカムエヴリバディ』のオーディションを受けていた頃。作品は2021年度後期に放送されており、川栄が芸能界を辞めようと考えていたのも、そのオーディション当時の話として語られている。

一方、橋本と川栄が主人公・千尋役として共に参加した舞台『千と千尋の神隠し』は2024年。SNSで今回“根拠”として持ち出された映像は、川栄が芸能界を辞めようと考えていた時期より後のものだ。少なくとも、この映像だけを使って「川栄が言っていたのは橋本」と結論づけることはできない。

 

実際の2人は、舞台上でも互いを評価していた

公開されている当時の発言を見ると、SNS上で作られた“不仲”のイメージとも距離がある。2024年の製作発表で川栄は、橋本の千尋について、明るさや無邪気さと同時に芯の強さを感じると評価していた。橋本も川栄の演技について、ひたむきさがあり「応援したくなる」と評している。

同年6月には、橋本が川栄の大阪公演を観劇。川栄は自身のInstagramで橋本が来場したことを喜び、2ショットも公開していた。当時の投稿だけで2人の私生活まで分かるわけではないが、少なくとも「川栄が橋本を嫌っていた」と裏付ける材料にはならない。

 

なぜ橋本環奈の名前は“それらしく”見えてしまったのか

今回の拡散には、橋本をめぐる過去の報道も影響しているとみられる。2024年、一部週刊誌が橋本のスタッフに対するパワーハラスメント疑惑を報じ、大きな話題になった。ただし、所属事務所ディスカバリーネクストは当時、報道された内容について「事実無根」「明らかに事実と異なる」と公式に否定している。

一度広がった強いイメージは、その後の別の話題にも結び付きやすい。「横柄」「あいさつをしない」という川栄の言葉に、過去に名前が大きく報じられた橋本が重なり、さらに『千と千尋の神隠し』という実際の共演歴まであった。バラバラだった材料がつながり、一つの筋書きとして拡散していった。

 

「誰?」を埋めた瞬間、発言の意味まで変わる

川栄が番組で語ったのは、芸能界への違和感から引退まで考え、それでも6度目の朝ドラオーディションに挑戦した自身の転機だった。ところが「横柄な人」という強い部分だけが切り取られ、「誰のこと?」「橋本環奈では?」へと話題が変わった。その結果、名前を出していない川栄と、名指しされていない橋本の間に、新たな“不仲説”まで生まれた。

SNSでは、答えが示されていない話ほど「答え合わせ」が始まりやすい。過去の動画や発言が集められ、点と点が結ばれる。一見すると検証のようでも、最初に「この人ではないか」という結論が置かれれば、それに合う材料だけが集まりやすくなる。今回の一件は、名前の出ていない発言にSNSが“答え”を与えることで、憶測が一人歩きしていく過程をそのまま映している。

 

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