そのギターとはもちろん、彼のトレードマークともいえる、ジェットグロ仕上げの有名な1982年製リッケンバッカー330です。1983年にマンチェスターのギターショップで購入したこのギターは、ザ・スミスのデビュー・アルバムの制作やツアーで広く使用されました。
「当時、僕のヒーローの一人がスチュアート・サトクリフだった。本当にスチュ・サトクリフみたいになりたいって思ってた。Vネックのセーターに白いタートルネック、レイバン。僕が働いていた店は、(レイバンの有名なサングラス)ウェイファーラーが復活したときに、それを最初に販売した店のひとつだった。だから“これを買う”って決めたんだ。
ザ・スミスはみんな、クイッフ(前髪を立ち上げた髪型)で、50年代っぽいスタイルだったんだけど、でも僕はスチュ・サトクリフに夢中だったからね。彼は前髪を下ろして、いわゆる“ビートル・カット”にしていた。それが僕の髪型のルーツなんだよ。髪を下ろした彼は、さらにカッコよく見えたんだ。
(新しい髪型で初めてザ・スミスの写真撮影に姿を現したとき)
バンドの他のメンバーは“お前、どうしたんだ?”って顔だったよ。僕はそのまま現場に行ったんだけど、そのときはもうボウルカットにしていた。あのギターにはこっちの方が似合うと思ったんだよ。
リッケンバッカーを手に入れるつもりだったからね。ボウルカットとリッケンバッカー。この、こだわりにこだわった細かいディテールが、全部ひとつにつながっていったんだ。
(ザ・スミスが成功を収めるにつれて、ファンたちが自分たちのルックスまで真似し始めていることにすぐ気づく)
ファンはみんな、メンバーそれぞれの格好をしていた。あれはちょっと面白かったね。バンガー大学とかラフバラーとか、どこかの会場に到着すると、外に大勢の若者がいて、“あそこにアンディがいる、あそこにジョニーがいる”ってなるんだ。
バスの窓から外を見ると、僕らと同じ格好をした子たちがいた。僕ら自身もまだ若かったから、あれはなかなかの興奮だったよ。自分たちでひとつの文化を作り上げていたわけだからね。バンドというものが、ただ音楽だけの存在だと思っているなら、それは大事な部分を見落としている。今のフォンテインズD.C.を見ても、彼らはすごく強烈なビジュアルを持っている。誰だって必ず誰かの影響を受けていて、完全にオリジナルなんてものは存在しないんだよ」

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