巨人 ヤクルト 今村先発 2014/5/14 得点ハイライト
◆巨人3―10ヤクルト(14日・ひたちなか)
巨人の先発・今村がバレンティンに15号満塁弾を浴びるなど、4回途中6失点で今季初黒星を喫した。5人の投手が計15安打で2ケタ失点したのに加え、3回には坂本のタイムリー失策で同点とされていた。攻守で精彩を欠き、チームは3連敗となった。
あっけなく、打ち砕かれた。今村は、マウンド上でうなだれた。4回2死満塁。バレンティンにグランドスラムを浴びて、試合は決した。「今日はすべてがダメでした。試合を壊してしまいました。申し訳ありません」
8日のDeNA戦(東京D)に続き、今季3度目の先発。だが、同じように4回途中でKOされた。持ち味だった90キロ台のスローカーブは全99球中、1球だけ。直球が自己最速の149キロと走っていたから、強気に押した。だが、緩急がなければ打者のタイミングは外せず、ボール球にする変化球も見切られた。警戒するバレンティンの打席では、常に走者が埋まっていた。毎回の7安打、4四球で6失点。3回1死一、二塁で三遊間のゴロを坂本がエラーをして、同点とされたが、これもリズムの悪さが招いた、ともいえる。
8回の守備中、原監督は降板した今村を呼び寄せ、厳しい口調で話し込んだ。約10分。会見では、その内容を明かさないまでも、左腕に対する思いを吐いた。
「全力で投げているけど、なかなか結果がでない。しかし、いい経験はしている訳だから、それを糧として欲しい。彼は悪くない。悪いのは先発させた私と、それを指導できていないコーチ陣。大きく彼には育ってもらいたい」
この言葉が表す意味―。指揮官は2月のキャンプ中から、今季期待する若手投手として、今村、そして宮国、沢村、小山の名前を挙げていた。「この辺の投手が先発ローテーションを狙おうと、虎視眈々(たんたん)と元気な状態で控えていたら、理想型になる」と話していた。現在、小山はファームで上り調子だが、1軍を脅かす存在ではない。だからこそ、今村への接し方も自然と厳しくなった。
今季チームワーストの10失点。3連敗を喫した。3位・阪神にはゲーム差なしに迫られた。この敗戦を機に、今村が成長すれば御の字。リーグ3連覇へ必要不可欠な若武者の再生を、指揮官は願っている。