パ・リーグ   ソフトバンク7─1オリックス ( 2026年9月17日    京セラドーム )

和田アドバイザー(左)からリーグ優勝を祝福され笑顔の前田悠(撮影・岡田 丈靖)
Photo By スポニチ

 開幕から無敗の12連勝でソフトバンクの3連覇に貢献したのが、3年目左腕の前田悠伍投手(21)だ。かつての左腕エース・和田毅球団統括本部付アドバイザー(45)との「Vトーク」が実現。急成長のシーズンについて振り返り、和田アドバイザーからはプロ野球で03年の自身以来となる23年ぶりの「満票新人王」指令も出た。 (取材・構成=木下 大一)

 ――昨季1勝からの大きな飛躍でした。

 和田 一試合ごとの投球はできると思って見ていましたが、シーズン通して続けた点は想像以上でした。自分ではここまでできるって想像してた?

 前田悠 全くできてなかったです。特にキャンプの時は“どうなってしまうのかな”と。

 ――キャンプでは和田アドバイザーから投球フォームの取り組みの助言もあった。

 和田 「一つだけを信じるより、いろんなことを考えて駄目なら一度やめて違うことにもチャレンジしないといけない」と気付いた日ではあったんじゃないかと思うんです。

 前田悠 もうその通りです。12月からやってきたことが2月になってもうまくいかなかった。もうその日から変えていきました。

 和田 マウンドでの立ち姿はとても21歳には見えない。いい意味でよ?いい意味でふてぶてしいというか。

 前田悠 (笑い)

 ――ピンチで強い姿も目立ちました。

 和田 練習も含めて悔いなく日々を過ごしていないとそういう心境になれないと思う。「この球を投げて打たれたら仕方がない」ぐらいの境地でやってるんじゃないかと思うんです。

 前田悠 もう、その通りです。

 和田 「全然、違います」でもいいからね?(笑い)

 前田悠 いや、本当にそうなんです。準備が大事だなと改めて思って。例えば中6日の中で課題をつぶし、次の課題を探す繰り返しを大事にしました。これだけやったからという自信にもなりましたし。

 和田 その心境に21歳でなれるのが凄いですよね。若い時に彼ほど悔いなく準備しなきゃって思ってたのかと言われるとね。恐れ入りますと。

 前田悠 12月から2カ月間、千賀さんとやらせてもらって。メジャーの人が毎日向上心を持って課題と向き合っている姿を朝から晩まで見ていたので。「やらないとちっぽけな存在になっちゃうな」と思いました。

 ――遠征先でも外食はほぼゼロと聞きます。

 前田悠 シーズン中は年1、2回とかじゃないですかね。その2~3時間あれば肘のケアができますし、ストレッチもできる。長いお風呂にも入れる。行ってからだと睡眠が削られるので。

 和田 そこも千賀とか今永とか教わってきた先輩の影響を感じますね。ちなみに悪い時も悪いなりに投げているように見えるんだけど、いい時がプランAとしたら投球フォームのB、C、Dみたいなものがあるの?

 前田悠 自分の中では持ってます。試合前のキャッチボールの時に1球目で“あかん”と思ったら、例えば気持ち右手を残してみようとか。細かいことですけど。

 和田 その感性が優れてるんですよね。そこが強みというか。試合の中で修正できる能力があると思うので。

 和田 満票で新人王を獲ってほしいですね。実は満票だと(03年の)僕以来なんです。悠伍は3年目なので1年目の選手に票が入るかもしれないですが、最後まで負けずにいけばタイトルもついてきて可能性はあるかなと。ちょっと自慢になりましたけど。

 前田悠 (笑い)。個人の目標では新人王であったり、タイトルを獲りたいとは思っています。ただ、和田さんが言われるように何年も続けることが大事。何年も継続できるように頑張りたいと思っています。

 和田 日々の取り組みとか地に足が着いたことをやっているのでね。その姿や志を見失わなければ何年も活躍できる投手になると信じています。

 前田悠 ありがとうございます。結果で示せるように取り組んでいきたいと思います。

WACOCA: People, Life, Style.