
山中中野球部を応援するために駆けつけた沢田愛士さん(中)と野球部メンバー=加賀市中央公園で(沢田慎一郎さん提供)
2024年の能登半島地震の影響で石川県加賀市に二次避難し、同市山中中学校に一時通っていた沢田愛士(あいと)さん(14)=愛知県愛西市=が、所属していた同中野球部の応援に駆けつけた。中学最後の夏を戦う元チームメートの姿に、沢田さんは「みんなの活躍に興奮した。いつか高校野球でみんなと対戦できるよう頑張りたい」と笑顔で話した。(小川祥)
加賀市中央公園で14日にあった県大会予選。沢田さんは山中中野球部のユニホームを身に着け、スタンドから声援を送った。前日夜にこの日の試合を知った父慎一郎さん(52)から応援に行くか問われ、自分のチームの練習があったものの二つ返事で行くことを決断。慎一郎さんの運転で2時間半かけて到着、友人たちの熱闘を見守った。
沢田さんは地震の影響で石川県輪島市から加賀市の旅館に二次避難。24年4月に山中中に入学し、野球部に所属した。当初はふさぎ込んでいたが、チームメートとの交流で元気を取り戻した。慎一郎さんの再就職の関係で同年8月に愛西市の中学校に転校したが、山中中野球部で過ごした4カ月を「ここで野球ができたことは宝物だった」と振り返る。転校後もチームメートは「友達がいなくてさびしいだろう」と愛士さんを思いやり、交流サイト(SNS)やゲームで連絡を取り続けた。慎一郎さんは「環境が変わって不安もあったが、友達が支えになってくれた」と感謝する。
応援した試合、山中と錦城中の合同チームは最終回に同点に追いつきタイブレークの末サヨナラ勝ちを飾った。元チームメートは、駆けつけた愛士さんに驚きと喜びの声を上げた。最終回2死で同点の3塁打を放った小坂埜斗(ひろと)さん(14)は「愛士が来てくれて驚いた。うれしかった」。岡田笑太郎さん(14)は「テンションがめちゃくちゃ上がった」と話す。石川昂太郎さん(14)が「あいつも愛知で頑張ってるからおれもやってやると思えた」と言い、袖ケ市晴十郎さん(14)も「力になった。ありがとう」と笑顔を見せた。
慎一郎さんは、スタンドから声援を送る愛士さんの姿に「震災でつらいこともあったけど、愛士とみんなを出会わせてくれた。こんな素晴らしい試合も見せてくれて、チームメートに感謝したい」と話した。
沢田さんは、名古屋市の硬式野球チーム「名古屋LAポニー」で野球を続けている。「またみんなと野球したくなった。過ごした時間は短かったけど、温かく迎えてくれたみんなの活躍を直接見られてすごく刺激になった。みんなに負けてられない」と笑みを浮かべた。
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