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代表作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が2020年2月に新たに刷新された新パスポートや2024年度から使用される千円札のデザインに採用されるなど、今なお愛され続ける世界的アーティスト 葛飾北斎。19世紀にヨーロッパでジャポニズムブームを巻き起こし、マネ、モネ、ゴッホ、ゴーギャンなど数々のアーティストに影響を与え、西洋近代絵画の源流となった、世界で最も有名な日本人で、米LIFE誌“この1000年で偉大な功績を残した100人”にも唯一の日本人として選ばれている。そしてこの度、その北斎の知られざる生涯を初めて描く映画『HOKUSAI』が、新型コロナウイルスの感染拡大による丸1年の公開延期を経て5月28日に全国にて公開する事が決定、海外でも順次公開予定。
今回解禁された映像は、今もなお、幅広く様々なジャンルで世界中に多くの影響を与え続けている天才絵師・葛飾北斎(田中泯)が若かりし頃を回想するところから始まる。人気浮世絵版元(プロデューサー)蔦屋重三郎(阿部寛)に向かって「北極星にちなんでつけたんだ。」と、決して動かぬ星であることが自身の名前の由縁であると真っすぐな瞳を向けて語る人物こそが若き日の葛飾北斎(柳楽優弥)。腕はいいが、食うことすらままならない生活を送っていた北斎に目をつけた重三郎。しかし、絵を描くことの本質を捉えられていない北斎をなかなか認めず、“絵を描く意味”を問いかける。勝ち負けにこだわる北斎は、歌麿や写楽などライバル達にも完璧に打ちのめされ、先を越されてしまい、もがき苦しみ、生死の境まで行き着き、大自然の中で気づいた本当の自分らしさを見つける。そして、北斎は重三郎の後押しによって、遂に唯一無二の独創性を手にする。
江戸時代後期は幕府によって浮世絵や戯作などの風俗が厳しく取り締まられており、蔦屋が営む耕書堂や、武士の家系であることを伏せて筆を取り北斎とタッグを組んでいた戯作者の柳亭種彦(永山瑛太)も弾圧の対象に。彼もまた自問自答し、「先生は絵のために全てを捨てられますか?」と北斎に問いかけるも、北斎の気概や諦めない姿を目の当たりにし、己の信念を最後まで貫き通すことを決心する。一方で、志を共にする表現者たちを失い続けてもなお創作意欲が衰えることのない老年期の北斎(田中泯)は、筆一本を手に黙々と描き続けた絵で、誰よりも雄弁に“表現の自由”を求め、時代に抗い続ける。厳しい弾圧の中、「こんな日まで絵を描くのか。」と問われても、「こんな日だからだ。」「今だから見えるものがある。」と内に秘める熱い想いを言葉にする北斎の姿からは、若き日に重三郎に自身の名前の由来を語った青年の時と変わらぬ北極星のように生涯決してブレることのない強い信念を持ち続けた人物であったことが伺える。また、何があっても絶対にあきらめず、自分を信じ、絵を描き続けた北斎の人生は、コロナ禍で多くの自由を奪われた人々に“今だからこそ”感じることができる多くの共感や勇気を与え、時を超えた北斎からのメッセージのような作品となった。

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