エディア<3935>は、グループが保有するIPのアニメ化を推進するとともに、出版、ゲーム、オンラインくじ、グッズなどを組み合わせた多角的な展開を進めている。2027年2月期第2四半期の決算説明会では、アニメ事業による収益化に加え、原作や関連商品への波及効果を狙う方針を改めて説明した。

同社はこれまで、M&Aなどを通じて出版や音楽・グッズ、ゲームといった事業基盤を拡充してきた。今後は、こうして積み上げてきた事業をグループ内で連携させることで、個々の事業の成長にとどまらない収益機会の拡大につなげようとしているようだ。

 

■M&Aなどで積み上げた事業基盤、次はグループ連携へ

エディアは2018年にティームエンタテインメントと一二三書房をグループに加え、出版やグッズなどへ事業領域を広げた。その後も、レトロゲームの復刻やコミックの新ジャンルへの挑戦などを進め、2024年にはゼロディブをグループに加えてコンシューマーゲームの開発力を強化。2025年にはアニメ事業を開始し、IPの多角的なメディア展開に取り組んできた。

こうした経緯を踏まえると、今回の成長戦略は、各事業の基盤を整備する段階から、それらを組み合わせてグループ全体の成長を加速させる段階へと進もうとするものと捉えられる。

同社は決算説明資料で、出版を安定収益の基盤、オンラインくじ・グッズを成長を牽引する高成長・高収益領域、アニメを将来価値の拡大を担う領域として位置づけている。ゲームについても、レトロゲームの復刻などで収益機会を確保しながら、タイトルの選択と集中を進める方針だ。

グループ内に異なる事業を持つことで、作品を生み出すだけでなく、その作品をさまざまな形で商品化し、複数の収益源につなげる余地が生まれる。

 

■出版を起点にアニメ化、ゲームやグッズへと展開

この戦略の起点となるのが、一二三書房を中心とする出版事業だ。ライトノベルやコミックを刊行し、続巻や電子書籍を通じて作品を育てる。そのうえでアニメ化によって作品の認知度を高め、原作の販売やグッズ、ゲームなどへの展開につなげることができれば、IP全体の収益機会を広げられる。

アニメ事業では、グループが保有するIPについて、製作委員会への出資を通じてアニメ化を積極的に推進する。決算説明資料では、製作委員会の組成が完了した案件のほか、組成準備中や検討中の案件を含むパイプラインを公開した。具体的なタイトル名については、一般的に放送開始の半年前から1年前を目安に公表する方針としている。

賀島義成社長は決算説明で、製作委員会の組成から放送までにはおよそ3~4年かかると説明した。アニメ事業の収益貢献も、組成から3~4年後を起点に始まる見通しだという。

一方、同社が狙うのはアニメ事業そのものの収益だけではない。賀島社長は、製作委員会への投資を通じてアニメ事業として収益を回収するとともに、グループが販売するマンガやライトノベル、グッズなど、さまざまな二次展開による収益化も図る考えを示した。

アニメ化によって作品の認知度やファン層が広がれば、原作の販売や電子書籍、関連商品などにも新たな需要が生まれる可能性がある。出版事業をグループ内に持つエディアにとって、原作の刊行から映像化、その後の商品展開までを連動させられることは、IPの価値を高めるうえでの強みとなる。

もっとも、アニメ化によって必ず原作や関連商品の販売が伸びるわけではない。作品ごとのファン層や展開施策を含め、各事業をどこまで有機的に連携させられるかが重要になる。

 

■オンラインくじなど、既存事業との相乗効果も狙う

エディアが持つ既存事業のなかでも、オンラインくじやグッズはIPの収益化を担う領域の一つだ。同社は「くじコレ」「まるくじ」を展開しており、受注生産方式によって余剰在庫リスクを抑えられることを強みとしている。

実績の積み上げによって取り扱うIPや大型IPの許諾が増え、収益性の高いタイトルを継続的に投入できる体制を整えているという。

2027年2月期のオンラインくじの投入目標は年間211タイトル。上期までの実績は64タイトルにとどまるが、会社側は下期に数多くの作品を投入するための準備を進めていると説明した。第3四半期には60タイトルの投入を予定しており、既存事業の成長を継続させる考えだ。

アニメ化によって作品の認知度やファン層が広がれば、こうしたサービスやグッズ展開にも新たな機会が生まれる可能性がある。ゲーム事業も、グループのIP展開を支える選択肢となる。エディアはコンシューマーゲームの移植・復刻などを進めるとともに、今後も新作タイトルの投入を計画している。

個々のIPに応じて適切な展開先を選び、出版、アニメ、ゲーム、グッズを組み合わせることができれば、作品ごとの収益機会を広げられる。アニメを軸に既存事業を連携させる戦略は、こうした収益化の選択肢を広げる取り組みともいえる。

 

■新潟拠点の開設で制作・人材基盤も強化

グループ連携を進めるうえでは、制作体制や人材の確保も課題となる。エディアは2027年1月に新潟オフィスの開設を予定しており、アニメ、ゲーム、コミック、グッズの企画・開発・デザイン・編集などを担う拠点とする計画だ。

賀島社長は、新潟オフィスで新たな人材の採用を進め、将来的には東京本社で行っているような業務を新潟でも展開したいと説明した。新潟県内の企業や自治体との連携も進めながら、新たな事業基盤を構築する考えだ。

新潟にはアニメ・マンガ系の教育機関が集積しており、クリエイター人材の確保・育成を進めるうえでの利点がある。同社は新潟県・新潟市が推進するアニメーション制作分野の地域産業クラスター計画にもハブ企業として参画し、制作工程のDXや高付加価値化を目指す。

アニメを軸にIPの展開を広げるには、作品への投資だけでなく、それを企画・制作し、関連商品へと展開するための人材や体制も必要になる。新潟拠点の整備も、グループ全体の成長を支える基盤づくりの一環と位置づけられる。

 

■既存事業の成長と中長期の投資を両立できるか

2027年2月期上期の連結売上高は22億8500万円(前年同期比1.4%減)、営業利益は2億1800万円(同26.8%減)だった。前年同期には利益率の高いオンラインくじの大型案件があったことなどが影響している。一方、上期の営業利益は期初計画の1億5200万円を44.0%上回った。オンラインくじの原価抑制やライセンスアウト案件の増加による利益率の向上が寄与したという。

通期業績予想は、売上高53億円、営業利益5億5000万円、最終利益5億円で据え置いた。会社側は下期偏重の計画としており、オンラインくじやゲーム、出版の投入数を増やすことで計画達成を目指す。

出版事業では、ライトノベルやコミックの新作第1巻を積極的に投入したことなどから、一時的な減収やコスト増が生じている。賀島社長は、刊行した作品の続巻が販売されることで、紙書籍だけでなく電子書籍の売上も積み上がることに期待を示した。下期以降の作品展開は、既存の収益基盤を強化するうえでも重要になる。

エディアは、出版を安定収益の土台としながら、オンラインくじ・グッズで成長を牽引し、アニメやゲームを通じてIPの将来価値を高める構想を描く。これまでM&Aなどを通じて積み上げてきた事業基盤を、アニメを軸としたグループ連携によってどこまで収益力の向上につなげられるか。今後はアニメ化の進捗だけでなく、原作や関連商品への波及効果も含めて、その成果が問われることになりそうだ。

 

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