門脇康平監督のアニメーション映画『我々は宇宙人』が、世界3大アニメーション映画祭の一つであるカナダの「オタワ国際アニメーション映画祭」で、長編コンペティション部門の最高賞となるグランプリを受賞した。

同映画祭では、ほかにも『PUI PUI モルカー』の見里朝希監督による新作『キャンディーカリエス』が7歳以上対象のアニメ部門を、アニメーション作家・矢野ほなみ監督の短編アニメーション『エリ』が最優秀短編賞を受賞している。

オタワ国際アニメーション映画祭は1976年に初開催。フランスのアヌシーとクロアチアのサグレブと並び、世界3大アニメーション映画祭と呼ばれている(広島を含めて4大アニメ映画祭とも)。

2026年は9月23日から27日まで開催され、107の国と地域から3026作品の応募があり、長編7作品、短編74作品などがコンペティションに選出された。

国内公開直後の『我々は宇宙人』 門脇康平初の長編監督作

『我々は宇宙人』は、映画レーベル・NOTHING NEWが企画/製作する長編アニメーション映画。門脇康平さんが企画/脚本/監督などをつとめ、音楽をYaffleさんが担当。9月25日から日本国内で劇場公開中だ。

舞台は平成の日本の田舎町。“普通”であることに悩む少年・翼と、クラスの人気者で“特別”な存在の暁太郎が出会い、その後約30年にわたる2人の関係を描く。

『我々は宇宙人』キービジュアル

『我々は宇宙人』キービジュアル

これまではMVを中心に制作してきた門脇康平監督にとって初となる長編アニメーション監督作で、第79回カンヌ国際映画祭の独立部門「監督週間」でワールドプレミア上映。

その後、アヌシー国際アニメーション映画祭の長編コンペティションにも選出されるなど、国内公開前から海外の映画祭で評価されてきた。

今回、オタワ国際アニメーション映画祭の審査員は、異なる視点や詩的な表現によって日常的な出来事を新しく見せる構成や、人生に潜むドラマと不条理を描いた点などを評価。長編コンペティション部門のグランプリに選出した。

なお、同映画祭の長編コンペティション部門では、これまでにも日本の作品が受賞。過去には、2017年に湯浅政明監督の『夜は短し歩けよ乙女』、2019年に岩井澤健治監督の『音楽』、2022年に山村浩二監督の『幾多の北』が受賞している。

見里朝希『キャンディーカリエス』、矢野ほなみ『エリ』も受賞

見里朝希監督のTVアニメ『キャンディーカリエス』は、7歳以上対象のアニメを選出する「Animation for Young Audiences 7+」部門を受賞した。

『キャンディーカリエス』は、甘いものが好きな子ども・アメと、その口の中で暮らす虫歯・カリエスによる日常を描いたストップモーションアニメ。制作はWIT STUDIO内のストップモーションスタジオ「TORUKU」が担当している。

見里朝希監督といえば、『PUI PUI モルカー』やNetflixシリーズ『My Melody & Kuromi』の監督として知られる。なお『My Melody & Kuromi』は、米国外で制作されたテレビ番組などを表彰するアワード・国際エミー賞にノミネートされている。

一方、矢野ほなみさんの『エリ』は最優秀短編アニメーション賞である「Best Animated Short」を受賞。

『エリ』は、朝倉かすみさんの小説『ほかに誰がいる』を原作とする約12分の短編アニメーション。子どもを産まなければ生きていけない乳牛の世界を舞台に、同性に恋をする一頭の乳牛の姿を描いた。

矢野ほなみさんは2021年にも『骨嚙み』でオタワ国際アニメーション映画祭の短編部門グランプリを受賞。また、『エリ』は『我々は宇宙人』と同じく、2026年のカンヌ国際映画祭「監督週間」にも正式選出されていた。

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onda

ポップポータルメディア「KAI-YOU.net」編集長。1985年生まれ。東京工芸大学アニメーション学科卒業後、エンタメのマーケティング・コンサル会社で業界誌やフリーマガジンの編集/記者として従事。2017年からKAI-YOU inc.、2020年1月から現職。アニメや声優といった領域を中心に、取材・編集・執筆を行っている。KAI-YOUフットサル主催。

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