とはいえ、例えば「グローバル・サウス」の存在感──具体的にはブラジル、インド、メキシコの3カ国がトップ5に入っている事実は注目に値する。第1回(2017年)の投票総数は180万票で、その大半が米国からのものだったというから、この10年で同アワードがいかに「米国中心の英語圏イベント」から「真にグローバルなファン投票」へと変質したのかをうかがい知ることができる(実際ここ数年で、アラビア語、ヒンディー語、イタリア語など、英語圏外の声優賞が次々と追加されてきた)。

7300万票の熱狂、そして日本の不在──「クランチロール・アニメアワード2026」が映し出すAnimeの“現在位置”

PHOTOGRAPH: SHINTARO YOSHIMATSU

ところで、『「日本の視聴者をターゲットにしていない」という不思議な構造的矛盾の余波』を筆者も現地取材中に身をもって味わったので、備忘録として書き添えておきたい。

当日、会場には国内外から多数のアーティスト、セレブリティ、インフルエンサーが来場したのだが、『WIRED』日本版は、(個別取材対応可能リストのなかから)The WeekndとASIAN KUNG-FU GENERATIONへの取材希望を事前に提出した。The Weekndは結局「メディア対応は一切なし」となり、まあ、超VIP級アーティストの場合はままあることなので致し方なしなのだが、問題はASIAN KUNG-FU GENERATIONだ。

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PHOTOGRAPH: SHINTARO YOSHIMATSU

アワード事務局の指示に従って事前に質問を送り、立ち話程度とはいえコメントを取れるとのことで準備をしていたものの、当日、事務局に導かれメンバーが足を止めるのは、なぜか海外メディアの前ばかり……。結局時間切れとなり、独自コメントを取ることは叶わなかった(無念)。

水木一郎、ささきいさお、堀江美都子といった「アニソン専門歌手」の領域だった70年代。杏里の「キャッツ・アイ」(1983)やTM NETWORKの「Get Wild」(「シティーハンター」・1987)を嚆矢に、アーティストの楽曲と作品の世界観が徐々にクロスオーバーし始めた80年代。作品世界と関係なく、J-POPのタイアップ色が濃くなっていった90年代。(それこそアジカンをはじめとする)オルタナロックが参入し始める2000年代。そして、ストリーミングやYouTube、TikTok時代に突入し、「アニメのOP曲・ED曲」がそのまま世界チャートへとつながるようになった今日。

そうした流れのなかで20数年を駆け抜けてきたアジカンに、ぜひ、いくつか訊いてみたいことがあった。いつの日かメンバーの方々の目に留まり、答えていただける日が来ることを祈りつつ、事前に事務局へ送った「想定質問」を以下に記しておきたいと思う。

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