真造圭伍の漫画『ひらやすみ』のアニメ化&実写ドラマ化が発表された。秋から始まるNHKの夜ドラにて放送される実写ドラマのほうは、すでに主要キャストが続々と解禁され、岡山天音、森七菜、吉岡里帆といった豪華な面々が『ひらやすみ』の日常に入り込む。どの俳優も演じている姿が自然と想像できてしまうキャスティングで、原作ファンにとってもワクワクが高まっていることだろう。

真造圭伍『ひらやすみ』Production +h.でアニメ化決定 NHK夜ドラ枠で実写ドラマ化も

真造圭伍の漫画『ひらやすみ』のアニメ化&実写ドラマ化が決定した。
 原作は、小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』にて2021…

リアルサウンド 映画部

 待望の映像化となった『ひらやすみ』のように、近年、実写化とアニメ化が同時に進行したり、短いスパンで連続して映像化されたりするケースも増えている。2023年にはオジロマコトの青春漫画『君は放課後インソムニア』がアニメ化&実写映画化され、2025年、吉沢亮の演技の振り幅が話題となった『ババンババンバンバンパイア』の実写映画も、アニメと同時期に公開が予定されていた。本記事では、そんな同時進行するアニメ化&実写化の狙いを探っていく。

『九龍ジェネリックロマンス』©眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会

 現在リアルタイムで進行しているのが、眉月じゅん原作の人気漫画『九龍ジェネリックロマンス』だ。どこか懐かしい匂いのする街“九龍”を舞台に、鯨井令子と工藤発のラブロマンスが展開されていく。さらに、過去と現在が交錯する“九龍”の謎が紐解かれていく本作は、アニメ化と実写映画化が発表された段階からふたつの作品がコラボレーションを果たしている。令子と工藤を演じた吉岡里帆と水上恒司が、声優の白石晴香と杉田智和が息を吹き込んだアニメキャラクターとシンクロするティザービジュアルも印象的だった。

 『九龍ジェネリックロマンス』の魅力と言えば、街や物に息づく懐かしさと異国の空気が醸し出す“九龍”の街並み。建物や店の雰囲気を忠実に再現するのであれば、アニメーションに分があるだろう。しかし、映画の撮影では台湾ロケを敢行し、現実と地続きにある世界で“九龍”の情景を思い起こさせる。レモンチキンやプリプリ水餃子など、物語を彩る料理の描写もこだわり抜かれており、映像で登場するたびに食欲をそそられた。

『九龍ジェネリックロマンス』©眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会

 アニメの放送が終わった直後には、アニメ映像と実写映像がクロスオーバーした特別版のPVも公開された。最終話を迎える寂しさを補いつつ、作品に対する興味を持続させるメディアミックスで、同時進行しているからこその手法と言えるだろう。アニメとは結末が異なる「もうひとつの九龍ジェネリックロマンス」という触れ込みもあり、映画でしか観られないストーリーを楽しむことができそうだ。

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