2021年9月11日、東京都内で、タクシー運転手が病死、暴走したタクシーに歩行者がはねられ、6人が死傷する事故がありました。
1.5人死傷のタクシー事故、運転手が死亡 発進後に急加速か(朝日)
https://digital.asahi.com/articles/AS…
2.タクシー事故で死亡の女性「問題意識高かった」 同居する弟の無念(朝日)
https://digital.asahi.com/articles/AS…
上記記事2で、死亡した小林久美子さんについて伝えられています。小林さんが「20代から勤めていた労働組合」とは、記事にはありませんが国鉄労働組合(国労)です。小林さんは、長く国労本部で書記を務められました。
小林さんの死去を受け、急きょ、国労の運命を決めることになった1986年の臨時大会の模様を伝えるニュース音源をアップしました。
○ ○ ○
NHKラジオ第1放送では、毎年、年末に、その1年をニュースで振り返る「○○年ニュースハイライト」が放送されていました。この音源は、1986年12月31日放送の「1986年ニュースハイライト」から、1986年10月10日に国労が静岡県修善寺で開催された臨時大会の模様を伝える部分を抜き出しました。わずか1分強ですが、国鉄改革法(=分割民営化)を承認するかどうかをめぐって揺れる国労の内部対立の様子が伝わってきます。
この大会で、国労執行部は分割民営化を受け入れ、国鉄当局・政府との協調路線に転換する方針を提案しますが、音声にあるとおり、賛成・反対両派のヤジ・怒号が飛び交うなかで採決に持ち込まれ、執行部提案は否決。山崎委員長ら執行部が総辞職しました。その後、分割民営化反対派の六本木敏さんが新委員長に就任。国労は改革反対を貫きましたが、その代償も大きく、大半の組合員はJR新会社に採用されませんでした。
国鉄改革法案が参院本会議で可決・成立したのは86年11月28日なので、この臨時大会の時点では成立していませんでしたが、この番組の放送時点ではすでに成立し、JRへの移行は避けられない状態となっていました。「法案成立後も無益な抵抗を続ける国労」を聴取者に印象づけるため、国労の組織について「分裂不可避」などと報じるNHKの「政府・自民党御用放送機関」ぶりが昔も今もあまり変わっていないことも、この悪意ある(?)報道内容から見えてきて、興味深いものがあります。昔も今も、重大な歴史の分岐点、重要な政策変更の最前線では、常に政府・自民党に肩入れするのがNHKだという「歴史的告発」の意味も込めての音源公開です。
WACOCA: People, Life, Style.