【SMALL GOOD THINGS】
日々の暮らしにそっと彩りを添えてくれるもの。主張のありすぎるものは苦手ですが、ごくごく控えめな、それでいてやさしい個性のあるうつわが好きです。イイホシユミコさんのつくるうつわには、“手づくりとプロダクトの境界線”という コンセプト通りの、ニュートラルな美しさが備わっています。冷たすぎず、温かすぎないというか。
先日表参道のスパイラルのエントランスでイイホシさんの新しいシリーズが展示販売されていました。思わず手にとったのは、ReIRABOシリーズのコーヒーカップとソーサー。そのまろやかな色味とマットなテクスチャー、すべすべとした肌あたりに惚れ惚れ。そしてなんといっても薄雲りの空を閉じこめたかのような、もわもわとした塗りムラがいいんです。これは、伝統的な伊羅保(イラボ)釉によるもの。
安定しにくく、量産化するのが大変難しいと言われている伊羅保釉のうつわを、料理を引き立てる名脇役として日々の食卓へ登場させたい。そしてこの、日本の伝統的な技法を世界へ伝えたい。そんなイイホシさんの想いが込められて、日常使いできるプロダクトが完成したそう。
7色もあるものですから、どれにしようか迷いました。結局、コーヒーが美味しく見えそうなイエローベージュと、コーヒーを注いだときチョコミントみたいに見えるかも、とミントグリーンをチョイス。でもしばらくは、何も注がずに眺めているだけでもいいかな……。 実はイイホシさんのうつわを買いに行きたいと思っていた矢先に出合ったポップアップショップだったので、喜びもひとしお。じっくり選ぶのもいいけれど、偶然出合ってきゅんときたうつわを買うのもいいものですね。
9日(日)までスパイラルビルの1階で開催しているので、ぜひ足を運んでみてください。(編集I)
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