知人が「フランスのホテルの冷蔵庫に忘れものをした」と大騒ぎしたことがありました。なにを忘れたのか問うと「海藻入りバター!ものすごく美味しいやつ!」。なにもそんな変わったもののためにここまで……と思ったそれが出会いでした。
月日は流れ、あるとき出張先のパリの食料品売り場で発見したわけです。水色の文字でAlguesと書いてあるボルディエのバター。これがあのときの。試しにひとつ買ってみるかとそこからが虜ですよ。同じ塩気でもぜんぜん違う。海の幸の味がする。磯の匂いがする。パンにのせても美味しいけれど、ほうれん草炒めとかしいたけ炒めとか、山のものに海の風味が加わることで味がお互いをひきたてあって旨み倍増。かつての大騒ぎの理由を舌で納得したのでした。
かくしてフランス出張の際は保冷剤と保冷バッグを用意して、まとめてふたつみっつ買うようになりました。お土産定番でもあるボルディエのバター、賞味期限が短いのが悩みではありますよね。とても期限内には消費できないので、冷凍保存しています。
海藻バターと同じくらい好きなのが風味爽やかな柚子バター。柚子の旨みはフランス人の味覚にもヒットしているようですが最近、フランス語の国語辞典に「UMAMI」ということばが登録されたと聞きました。これって味覚のジャポニズムっていうことなんでしょうか?(編集G)#フランス土産#ボルディエ#バター#発酵バター#海藻バター#SPURうつわ#黒木泰等#sizuku#SPUR編集G

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