【ファミリアのデニムバッグ ― 思い出の服 ―】
母は私が生まれる前、ファミリアで働いていた。よって、私は生まれてからファミリアのベビー服で育ち、ファミリアの服が私の制服となっていた。勿論、小学生のとき、お稽古ごとには、ファミちゃんがパッチワークされたデニムバッグを持って通った。月日が経ち、私は中高一貫の女子校に入学した。なんとファミリアの創業者がOGということで、学校指定のバッグが、自分と同じ制服を着た女のコがパッチワークされた、ファミリアのデニムバッグだった。6年間苦楽を共にしたこのバッグは、手提げがボロボロになっても使い続けた。ボロボロであることは、ある意味先輩らしくカッコイイとさえ思っていた。
 そして、今年。大学4年生の私は、就職活動に励んだ。その結果、志望する客室乗務職に内定を頂き、ホッとしていた。就活で荒れていた部屋の掃除をしていると、小学校の卒業文集を発見した。クラス全員の将来の夢を書いているページに、私は「将来は客室乗務員になる」と宣言していた。
 10月、朝ドラ「べっぴんさん」がスタートするということで、モデルとなったファミリアについて調べてみた。すると、内定先とファミリアがコラボしているではないか! ネットで探しまわり、ついに憧れの制服に身を纏ったファミちゃんがついたデニムバッグを入手した。この新しいデニムバッグと中高生時代のボロボロのデニムバッグとを並べて、母と「可愛いね」と言い合った。人生は、何かしら筋が通っているんだなとしみじみと実感した。(haru 兵庫県)
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