ゴールドボーイ

監督/金子 修介(かねこ しゅうすけ)
平成ガメラ3部作で知られる監督だが、
デスノート(06)
デスノート the Last name(06)
も手掛けている監督

出演/
岡田将生
羽村仁成
星乃あんな
前出燿志

黒木華
松井玲奈
北村一輝
江口洋介

中国で人気となったズー・ジンチェンの小説「悪童たち」が原作の映画化で、日本映画化することで舞台を沖縄にしている。

完全犯罪を企み両親を事故に見せかけて崖から突き落とし殺害した男、東昇(アズマ ノボル/岡田将生)。しかしその様子を偶然動画で撮影をしていた3人の少年少女がいた。

その2人の少年と一人の少女はそれぞれが苦悩を抱えていた。金があれば3人の悩みを解決できると考えた一人の少年は2人にむかってこういうのだった
「僕達の問題さ、みんなお金さえあれば解決しない?」

3人は東昇(アズマノボル)を脅迫して2000万円ずつを手に入れようと考える。その行動力の裏付けには
少年法により14歳以下は捕まらないという自信があったからだ

しかし物語は思いもよらない方向に進み出す…

学生の3人組が脅しをかけ そして やり取りをするという 頭脳線 バトル を想像していたらその斜め上を行く 展開に驚きに満ちた1本に仕上がっている
これはもう予告編の編集力の力。
あの予告編だけを見て映画を見に行くと想像を超えてくるので、ぜひ予告編だけで観に行くのがオススメ

岡田将暉の演技は サイコパス感とともに 自己中心的な考え方や冷静に犯罪を進める様子などを熱演
義理の両親を殺害する手前の笑顔からの変革は冒頭で一気にこの映画の世界に引き込むだけの力を持っている。

ケレン味たっぷりに警察に対して不幸な事故であるシーンを語るところ、刑事に問い詰められても機転を利かす頭脳プレイシーンのちょっとした表情の変化など、岡田将生の演技の巧さがいかんなく盛り込まれている。

豹変する部分なども誇張すぎる演技により、より禍々しい感じを見る側に与えるなど岡田将生の役者の凄さが感じられる。

冒頭の絶叫するシーンに注目しておいて欲しい
その絶叫シーンが最終局面でもデジャブのように出てくる
これはまさに乗り移ったかのような絶叫シーンである

そして主人公の羽村仁成(はむら じんせい)
淡々と語り続ける部分は不敵であり、彼が頭がいいことをほのめかすシーンが何度も出てくる演出に華を添えていると言える。
それを勉強するシーンではなく、会話の可能性を事前に予測して回答を用意している…という、細かな演出部分が何度も繰り返される。
その一つ一つを紐解いていくと、最終的な彼の持っている人間性の底が見えてくるのかもしれない。

そしてヒロインポジションとも言うべき夏月(なつき/星乃あんな)も良かった
若干荒削りな演技もすこしあるものの、一生懸命さと純粋さと恋による変化がミックスされた、心理面の変化の表情などがよく演技できていた。

出てきた当初は、内気で行動力が少なめの印象だったのに対して、後半に慣ればなるほど、相手のためであれば自分が全力でなんとかする
という力強さを感じれる演技の変化は見事です。

王道の美少女に育ちそうで今後が楽しみ

そしてもう一人の少年役の浩(ヒロシ)役の前出燿志(マエデヨウジ)もよかった
冒頭にバタフライナイフを見せ カツアゲ をするイキッタところから、実際に何を始める際にはビビってしまうところが、ある意味リアル感が合った。さらに懐柔捺せられやすい短絡的なところもあの世代のリアルさかもしれない

刑事役の江口洋介はさすがの一言で彼が出てくるだけで 映画 全体に 閉まり感が出てくる 上 電気力もやはり さすがのうまさ であります 1対1の演技の部分に関しては 緊迫感がありまくりでそれが非常に素晴らしい

ミステリー映画であるため 多くの部分で語ることはできないのだが 少年法についてしっかりと語るのかと思いきやそれはあくまでも エッセンスであり映画の中では重要なことではあるが、それを子どもたちがどのように理解しているのかなども描いている。

遺産相続についてのドタバタという大人たちの事情よりもい主人公の少年の家庭環境や 思春期における暴走する反抗心がきめ細やかに描かれている。経験値の少なさやネット情報だけで得ている知識による過度な自信の雰囲気などは現代を風刺しているとも言えるだろうし、あの世代が暴走して歯止めが効かない部分などについては非常にリアルだったと思う

会社の後継者として明確に生前遺言書に書かれたこと、離婚に向けての夫婦の関係性といった犯罪に至る動機などはセリフで思わせる部分だけがさらりと触れてくるので、ちょっと聞き逃してしまうとよく分からいところも出る可能性がある。

そこはわかりにくい、不明点として評価が下がる部分かもしれない。

ただ、主人公の頭の良さは折り紙付きであるという部分がもう少し冒頭にしっかりと説明があれば良かったかもしれない。途中でその年令では解くのも難しいとされる数学の数式を回答する…という演出は合ったが、少し分かりづらかったかもしれない。

例えば 全国模試で上位に入ってるよいうようなシーンもあると裏付けとして分かりやすかったかもしれない。

こういった主人公や敵側のキャラの説明は少ないのが「少し分かりにくかった」と判断される場合もあるかもしれない

しかし、それを差し引いたとしても 映画全体においては演出と出演者の演技の頑張りで緊迫感が十二分に伝わってくるというのは映画の見るところでもあり 見応えのあるところだろう

ラストも思わせぶりに終了させるという展開
あの横断歩道の対峙は緊迫感に満ちている
もしかしたら、赤信号を無視して…と思わせる緊張感のまま暗転するさまは日本映画にはなかなか少ないパターンなので、ぜひ劇場で確認をしてもらいたい。

ネタバレ
最後の最後に
ゴールドボーイ 2

ゴールドボーイ ?
に変わる演出は、興行収益次第…といったことかもしれない

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