ドラマ化された人気漫画「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さんが亡くなったニュースについて、その経緯をお伝えします。

木村拓也キャスター:
芦原さんの訃報から一夜が明けて二つのことがわかってきました。
一つ目が、原作者と脚本家の間に何があったのか。双方がSNSで発信しているということ。
二つ目が、脚本をめぐりトラブルか、ドラマ化の難しさ。どんなトラブルが起きていたのかを見ていきます。

宮司愛海キャスター:
まずは今回ドラマ化された作品についてです。
芦原妃名子さん原作の漫画「セクシー田中さん」は小学館の「姉系プチコミック」で連載中でしたが、去年10月に日本テレビで実写ドラマ化されました。
主人公は、昼間は地味なアラフォーOL、ですが、裏の顔はセクシーなベリーダンサーの田中さん。そしてその田中さんを取り巻くキャラクターたちの恋模様を描いた作品。
作者の芦原さんは、自己肯定感の低さゆえの「生きづらさを抱える人たちに優しく寄り添える作品」にしたいと話していた作品なんです。

木村拓也キャスター:
非常に人気の漫画でして、これがどのようにドラマ実写化されたのか、その構図を見ていきます。
原作者の芦原さんが手がける「セクシー田中さん」は」小学館から発行されています。ドラマ化したのは日本テレビ。制作にあたって脚本家が脚本を書いています。
双方の主なやり取りというのは、日本テレビと小学館の間で行われていたとみられています。「セクシー田中さん」は去年の6月にドラマ化の合意があって、10月から12月まで全10話が放送されました。この脚本をめぐりトラブルが起きていたということです。

宮司愛海キャスター:
ドラマ化に関わった作者の芦原さんと脚本家の方、それぞれSNSにある投稿をしていました。
まず第1話から脚本を担当した脚本家です。
12月24日、最終回の日にした投稿で「最後は書きたいという原作者の要望で事態に困惑した」ということです。
12月28日には「私が脚本を書いたのは1~8話で最終的に9・10話を書いたのは原作者です」「この苦い経験を次へ生かしこれからもがんばっていかねばと自分に言い聞かせています」などと投稿していたのです。つまり脚本家が最後の9話10話を外れる代わりに、原作者の芦原さんが脚本を書いていた事をこの投稿で明らかにしているんです。

榎並キャスター:
この文面を見る限り、脚本家の方は本意では無かったというふうに見えます。

宮司愛海キャスター:
一方で原作者の芦原さんは、行方不明になる3日前に、SNSにドラマ化をめぐる経緯とトラブルを投稿しています。
小学館と再確認しながら書いたという文章の中で、日本テレビのドラマ制作側に2つの条件を提示していた事を明かしました。
1つは、「必ず漫画に忠実に」忠実でない場合はしっかりと加筆修正すること。
2つ目は、終盤はドラマオリジナルパートにすること。原作者があらすじからセリフまで用意するということで、これはドラマオリジナルの部分が、まだ連載中の未完の漫画に影響を及ぼさないためにするもので、場合によっては脚本自体を芦原さんが執筆する可能性もあるとしていたわけなんです。
こうした条件を何度もドラマ制作側に確認していたけれども、守られなかったとして、芦原さんは残念に思っていたようです。
また芦原さんは投稿した文章のなかで脚本をめぐるトラブルの具体的な事例もあげているんです。
まず、あえてセオリーを外して描いた展開を、よくある王道の展開に変えられてしまった。
そして、個性の強い各キャラクターが原作からかけ離れた別人のようなキャラクターに変更されたこと。
さらに、性被害未遂、アフターピル、男性の生きづらさなど、作品の核として大切に描いたシーンが大幅カットや削除されてしまったということです。原作者の芦原さんは、制作スタッフとドラマの内容について一度も直接話をしたことがないとも伝えていました。

榎並キャスター:
明らかに行き違いがあった事をにじませていますね。

木村拓也キャスター:
原作者が脚本を手がける事について、ある元民放のドラマプロデューサーは、「脚本担当が途中で代わることや、原作者が脚本を書くことは異例」ということでした。
ドラマの制作側が気をつけるポイントは、「作品の本質からぶれない」事だということです。
また、原作から変える濃淡については原作者次第で、原作から変えてもいい人もいれば、中には世界観を変えないで欲しいという人など様々いらっしゃる。
今回の「セクシー田中さん」については、多くのテレビ局がドラマ化をしたかった人気作品で、原作者の芦原さんは比較的条件を提示される方と言う印象だということです。
原作者が脚本を執筆するという異例の対応になった今回のドラマ化ですが、一体何があったのか。芦原さんはドラマ終盤で起きたトラブルについても投稿で明らかにしています。

日本テレビから、8話から10話の脚本がまとめて提出されたと。
そしてその脚本は内容が芦原さんのものから大幅に改変されていた。
ベリーダンスの表現も間違ったものがあったと。
そして、原作者が用意したあらすじや台詞をそのまま脚本に落として欲しい、足りない箇所や変更、意見ももちろん伺いますので、脚本として改変した形ではなくて、別途相談してほしい、というような事を返したということです。

それでも、また日本テレビからは大幅に変えられたプロットや脚本が提出されたということです。小学館が「当初の約束通りに」と日本テレビに連絡し、これが数回繰り返されたと芦原さんは聞いていたということです。それがなかなか変わらないまま4週間が過ぎまして、時間的にも限界を感じた芦原さんが、9話10話、ラスト2話の脚本を担当することにしたと。芦原さんが投稿した文章にはこのように書かれていたのです。

宮司愛海キャスター:
そして芦原さんは投稿の中で自ら担当した9話10話の脚本についてこのように綴っています。
「何とか皆さんにご満足いただける9話、10話の脚本にしたかったのですが…素人の私が見よう見まねで書かせて頂いたので私の力不足が露呈する形となり反省しきりです」

原作者とドラマ制作側で一体何があったのか?あるフリーのプロデューサーに取材しますと、あくまで日本テレビ側から聞いた話として、
「日本テレビは芦原先生の意向を小学館側から正確に伝えられていないようだ」
「原作を変えてほしくないことを脚本家も聞いていなかったようで気の毒」
などと話していました。

一方小学館側ですが、芦原さんがブログやXで投稿した条件や意向が日本テレビ側に伝わっていなかったという情報があるという点について確認したところ、「広報室として出したコメントとHPに出したコメント以上のことは答えることができない」という回答でした。

(「イット!」1月30日放送より)

悩みや不安を抱えて困っているときには、電話やSNSで相談する方法があります。「こころの健康相談統一ダイヤル」など複数の窓口があり、厚生労働省のホームページにも案内があります。一人で抱え込まず相談してみてください。

▶「こころの健康相談統一ダイヤル」0570-064-556
▶「いのちの電話」0570-783-556 (午前10時~午後10時)

FNNプライムオンライン
https://www.fnn.jp/

50 Comments

  1. おたくの局も件の脚本家使って原作ガン無視のドラマ作ってましたんやん

  2. ラスト芦原さんが描くのは確定だったんじゃないか。何だコイツ、人間?

  3. 「急死」ねぇ。。
    なんか病死っぽい言い方して煙に巻こうとしてませんかね

  4. 「原作者に用はない」と吐き捨てた脚本家のドラマなど金輪際見たくもありません

  5. 漫画の連載中で ドラマ化❕❔
    気がすすまなかったとのこと
    原作者の意向と違った方向になり、監修や本業ではない脚本、連載中の漫画も書いて 忙しいし、心身共に疲弊されてしまったのだろうな。
    漫画の最終回も迎えられず こんなことになってしまい とても哀しいです…

  6. 日テレは事の経緯を明らかにするべきですが、脚本家が攻められるのは、SNSでの投稿など見れば当然のこと。原作者を蔑ろにした事を攻められている事に気づいて下さい

  7. 脚色家が脚本家(作家)と名乗っている時点でおかしい。
    あと海猿で大揉めしたフジテレビはその事も検証しないとね、今回の事案よりだいぶ酷いらしいしw

  8. 他局のこうした「アクシデント?」「事故?」等は鬼のように報道するのに、自局のことはあっさりまたは触れないのはどうなんだろう?

  9. 芦原先生が自ら命を絶ったのは、テレビ局や脚本家と対立したとこと以上に、味方だと思っていた小学館に裏切られたと感じたからではないでしょうか?この先も続きを描いて行かなくてはならないのに、小学館が信用できなくなってしまったのかも。ドラマがヒットした事で、自分の思惑だけでない作品を描かされる事になるかもしれないということが絶望感につながったのかもしれないなと思いました。味方に裏切られるのが一番つらいですから😢。

  10. なんで1-8話の原作クラッシャー脚本家である「相沢友子」の名前を出さないんですか?

  11. 佐藤さんはこれを利用して個人攻撃してるけど、そんなことして恥ずかしいとは思わないのかな

  12. よく聞く「フリー」のプロデューサー、使い勝手の良い役者みたい。

  13. 海外みたいに専門の交渉代理人雇えばええやん、と思ったけど、それやると今度は出版社が渋い顔して次の作品から原稿をとって貰えなくなるって言ってたな、結局テレビ局側も出版社側も立場の弱い作家の足元見て良いように御してるからこんな事になったんじゃない?
    組織が個人を食い物にするとかえげつないで、ブラック企業を糾弾する側が一番ブラックでしたというオチ。

  14. 脚本家まじないわ。
    原作者あってこその作品、人の作品借りといて偉そうにした挙句、言いたい放題言って…しかも亡くなられた後すぐに配信で反論とかやばいでしょ。

  15. シナリオ作家協会
    「出演者の発言は当協会の公式な見解ではなく、また当協会に所属する他の脚本家の意見を代弁するものでもございません。」
    黒沢を個人攻撃するよう誘導してて草😂

  16. 悪いのは小学館なのか日テレなのか判然としないね。このまま有耶無耶にしてかき消す作戦だろうな

  17. 海外ではとっくに実名報道だが、日本はなぜ匿名にするのだろう?
    なぜ被害者は実名なの?(笑)

  18. 脚本家の名前を挙げて報道しろ。(自分から名前出しているんだから。タイトルクレジットに名前出すってのはそれだけの責任を負うってこと。)

  19. これ、言い淀んでる小学館側がやらかしてる可能性があるな
    原作者との橋渡しした小学館側の担当がちゃんと伝えずに握り潰してたんじゃないか

  20. 原作買ってたからマジでふざけんな
    そんなことで自殺しないでほしいよ

  21. どうせなら海猿原作者のコメントを取り上げて、フジテレビがどういった考えにもとづいて当時どう対処したかも検証したら良いのに。

  22. TV業界がここまで脚本家を増長させたんだぞ?
    人事みたいに語ってるけど、分ってんのかお前等

  23. 小学館も対応酷かった可能性あるよな。
    ガッシュベルの原作者もブチギレて訴訟にまでなってたし。日テレと小学館は逃げずに会見開いて経緯説明しろ。

  24. @user-sd8tm6kz8t

    3 分前

    一般(?)世間(?)にどんなに評価されようとも、視聴者や読者にとって価値なしと判断された作品は判断した本人にとっては「ごみ」。それ以上でもそれ以下でもない「ごみ」なんです。その原則すら理解できないゴミの意見など何を言っても「ごみ」と判断した本人にとっては等しく「ごみ」でしかないので無駄な行為。

  25. マジでいい加減にしろよ。原作ぐらい読んでどういう漫画かぐらいは把握しとけよ。テキトーにつくりゃ視聴率とれるとでも思ってたんだろ。
    それと脚本家が原作者とコンタクト取らないと作品作れないだろ。

  26. 命より重い作品をぶっ壊した製作陣は二度と原作のあるものには関わらないでくれと思います

  27. セクシー田中さん大好きでした。楽しみに続きを待っていたのに残念過ぎてあんな素晴らしい漫画が……なんで極端な道を選んだのか😢

  28. 黒沢久子氏が、原作者死亡のニュースの日に、原作が欲しいだけで原作者には会いたくないと言うしゅしの事を配信した人ですか?録画したものを、UPしただけ?あぁ?じゃ生きている原作者に追い込み掛けようとしてたんじゃないかよ!!
    ドチラでも最低最悪の人間性だわ、いや、人間じゃないわ!!

  29. 日テレ、相沢氏、プロデューサーなど関係者、小学館、担当、その辺に経緯調査すれば明らかになる話。死人に口無し、風化狙ってる様に見られるので芦屋先生がいかに辛い状況におかれていたかこれだけでわかる。
    家族なり、漫画家など同業者なりが戦って同じことが起こらないよう改善して欲しいし、悔い改めて先生に謝ってほしい。謝ってもポーズなら要らない。

  30. できるな先生がXを投稿された26日に戻って誰か寄り添ってあげてほしいと思うほど悔しい!!

  31. 小学館が作者を守らないのは何故かな。人気作家は皆テレビをボイコットしたらいいのに。
    醜い資本主義の縮図を見た感じです。

  32. 脚色に徹する気が無いなら原案でやりなよ。期待してるファンのがっかりした顔想像できんのかな?

  33. いいか!漫画家にとって作品は命なんだよ!
    それが解らないなら、業界から足を洗え!

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