ゴールデンカムイ

野田サトル氏による漫画が原作で

監督/久保 茂昭(くぼ しげあき)
映画「HiGH&LOW」シリーズの監督
もともとはミュージックビデオの監督でもあり、500本を超える作品を監督

脚本/黒岩 勉(くろいわ つとむ)
劇場版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』
キングダムシリーズ(19-22-23)
累-かさね- (18)
黒執事(14)
謎解きはディナーのあとで(13)
LIAR GAME (10、12)
など
漫画原作、小説原作の映画化脚本を多く手掛けている
とくにキングダムシリーズの脚本を担当したことは、今作の
漫画原作の脚本化にはかなりのプラスになっているのではないか?

出演/
山﨑賢人
山田杏奈
矢本 悠馬(やもと ゆうま)
工藤阿須加
マキタスポーツ
玉木宏
舘ひろし
高畑充希
ほか

コミックスが全31巻あるため、どう考えても映画は途中で終わることになるのは仕方ない…としても
どこでおわるのか?
どのように終わらせるのか?
そして
漫画のあの世界観の雰囲気などをどこまで再現ができるのか?
がきになるところだと思うが、心配は杞憂に終わるといえる

見事なまでに「ゴールデンカムイ」という作品に寄り添った1本になっている。

story
日露戦争でももっとも過酷な洗浄と言われることにある二〇三高地で一歩兵として参加していた杉元(山崎賢人)。多少の怪我をものともしない、回復の速さから「不死身の杉元」と言われていた。
そんな杉元が今いるのは北海道。砂金採りをしているが、居合わせた地元民から莫大な金塊の存在を知る。
その金塊を奪った男は「のっぺら坊」と呼ばれ、捕まる直前に金塊をとある場所に隠し、そのありかを記した刺青を24人の囚人の身体に彫り、彼らを脱獄させた。
その話を眉唾だと思ったものの、男の行動から事実だと信じた杉元。遭遇したヒグマに襲われたときに助けてくれたアイヌのアシㇼパ(山田杏奈)とともに、埋蔵金を探すことに
しかし、大日本帝国陸軍「第七師団」の鶴見中尉(玉木宏)も金塊を国家転覆の実行のために狙っていた。さらに戊辰戦争で戦死したとされていた新撰組の「鬼の副長」こと土方歳三が永倉新八とともに金塊を追い求めているのだった。

杉元とアシㇼパは、鶴見中尉ら第七師団と土方歳三らとの埋蔵金争奪に打ち勝つことはできるのか?

山崎賢人は漫画原作の映画に多数出演していることもあり、
良くも悪くも注目されているが、演技力も高いのも事実。

今作では、近年のキングダムとはちがう雰囲気とテイストで魅せてくれる
杉元らしい傷跡の特殊メイクもしっかり似合っている。
原作をきちんと読み込んでキャラを理解し、役作りをしてくれたのではないかとも感じる

故に今作は彼の代表作になる可能性を秘めているともいる

そして山田杏奈
「名も無き世界のエンドロール(21)」でも一気に注目されているが、今作は見事なはまり役
アシㇼパ 役を見事に演じきってくれた

衣装による雰囲気も彼女が持つ女優としての魅力にプラスされて、今作の
アシㇼパは彼女にピッタリと言えるだろう

最近はスズキのスイフトのCMで娘役で可愛らしい雰囲気を見せていたが、今作では
好奇心旺盛で父との思い出を大切にしている、明るい真面目な雰囲気役柄
もしかしたら、一番本人に似ているのかもしれない

そして
玉木宏と舘ひろし
鶴見役の玉木宏は目的の為なら凶行も平然とやってのける部分を見事に演じていた

土方歳三の舘ひろしもカッコいいし、彼が本格的に暗躍を始める今後の続編にも期待がかかると言える

劇場映画として発表された際にはかなり心配されたのも事実
あの「ゴールデンカムイ」が!?となった人も多いだろう

実際に蓋を開けてみると、
原作テイストをできるだけ感じられるように頑張ってくれたのがとても良くわかる
それは各役者がキャラクターの特徴やポイントを理解しているのを感じる

それは杉元しかり、アシㇼパしかり、
土方歳三の舘ひろしもそうだし
鶴見中尉の玉木宏もそうだろう

いや キャストのほぼ全員が原作漫画のキャラクターの特徴や雰囲気をきちんと理解をして役柄に向き合ったのではないか?と思わせてくれるほど、それぞれのキャラ立ちがしっかりしていたといえる

また、脚本のまとめ具合が秀逸とも言える。
原作で印象的なエピソードやカットを上手に取り込んでいる。
例えば、
白石が頭を噛まれるところだろう
極端に言うとなくても良いカットだが、きちんと1カット入れて原作へのリスペクトを感じられる

いろいろな漫画が映画化されてきたが、
やはり酷評されることは少なくない

おそらく一番足りなかったのはリスペクトだろう

しかしこの作品に置いては、そのリスペクトをあちこちで感じられるからこそ、原作ファンの人でも絶賛の声が明確にしている
それは事実だ

そして改変するさじ加減。
ここが一番難しいところだろう

近年の漫画原作の映画で成功した部類の一つ
「るろうに剣心」があるが、改変の一つとして必殺技をほぼ口にしない
(唯一、飛天御剣流奥義・天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)」くらいか?)
しかし映画的には魅力あるものに仕上がっている

これは剣心のアクションを見える限り原作リスペクトで
それぞれの技を「動き」で再現をしている部分がみえるからだとも感じている。
どう観ても「龍槌閃(りゅうついせん)」であったり「双龍閃(そうりゅうせん)」だったのは強く印象に残っている

この「ゴールデンカムイ」でも
リス食べたくない杉元
小熊に愛着湧いちゃう杉元
アシリパさんにどうしても味噌食べて欲しい杉元

顔芸ともいえるアシㇼパのさまざまな表情もそうだろう

そういった
原作で印象的だったところを、きちんとタイミングよく入れ込んでいる展開
は観ていても気持ちのいいものだった

さらに演出
白い息が出るシーンがいくつかあったが、本当に寒い中のロケだった場合もあるのだろう
CGではないと思われるシーンがいくつもあった
ほんと 俳優の方々をはじめスタッフ一同の頑張りには脱帽である

アクションシーンは「High&Low」の久保監督らしいスピード感溢れる演出
アイヌのグルメもきちんと再現を目指し
テンポよく勧めている

この映画は原作でいうと3巻ほどのところまでではある
「序章だけかよ」
という声があるのもわかるが、もしもこれを6巻分、8巻分まとめたとしたら
「たんなるダイジェストだろ」
という人だと思う。
「キングダム」もそうだが、非常にまとめるのは苦労したと思う

衣装のキレイすぎる感
動物のCG感
など「??」な部分は少なからずあるが、それはさておき…といえてしまうほど内容の濃い1本に仕上がっていることは間違いない

アクションシーンのスローモーションカットは、もう少し少ないほうがメリハリがもっと出る気がしたくらい?
ほんと、観ていて 映画だよ 映画 これぞ映画 と言わんばかりの作品でした
エンドロールのあとにもカットがあるので、最後まで大きなスクリーンでお楽しみ下さい。

3 Comments

  1. 最高でした。また観に行きます。続編是非是非観たいです。

  2. イケメンでも演技がへたな人もいる、ぶさいくでも演技が凄くうまい人もいる。芸能界で一番のイケメン玉木さんは演技も素晴らしくうまい。なかなか両方持ち合わせている人はいない。これからの活躍も楽しみで仕方ない。

Write A Comment