サステイナブルに繋がる、
美しいものづくり。

西村青 / ガラス作家 @sei_glassworks

ガラスが割れた時の美しさを形にしたい。
歴史や美術が好きで、歴史と工芸の関係からガラスに関心をもったという西村青。「有史以来、人はものづくりへの欲求をもち続けています。ものがあふれる時代にありながら、なお作りたいという欲求にロマンを感じます」という彼は、ピーター・アイビーの工房で働きながら吹きガラスで作品を制作する作家だ。
 工房で使う蛍光灯のリサイクルガラスを用いており、早く冷え固まる特性から作品はシャープな表情をもつ。しかしミニマルな美しさを備えるアイビーの作品に対し、西村の作品はどこか装飾的だ。彼にそのインスピレーションを与えてくれるのは「ガラスが割れた時の美しさ」だ。「それはガラス特有のものです。その美しさを装飾に置き換えたいと考えました」という。ガラスのわずかな厚みの差で色の濃淡が生まれ、薄さの中にも奥行きがある。フラットなガラスにはない立体感を極薄の表面に施した作品は、いずれも繊細ながら力強い魅力をもつ。
 これまではタンブラーやグラス、ボウルなどの明確な用途をもった形を作ってきたが、「これからはフォルムだけを意識した作品も作っていきたい」と今後の展望を語る。その作品は、繊細でソリッドな彼の視点をより研ぎ澄ますものになることだろう。

1990年、奈良県生まれ。高校卒業後にイタリアへ留学後、富山ガラス造形研究所入所。2014年よりピーター・アイビーの工房に勤務し、吹きガラスによる作品づくりを行う。5/26までスパイラルマーケット(東京・青山)で個展開催中。

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