【女性のAV監督、エリカ・ラスト。性別の枠を超えて支持を得る彼女のポルノ映画とは?】
日本では「男性のために創られ、男性が観るモノ」という認識がまだまだ一般的かもしれない。しかし、スペインで活躍するエリカ・ラスト監督の作品は違う。彼女の創り出す作品は、「男女問わず楽しむことができるアダルトビデオ」なのだ。エリカ本人にインタビュー。
●自分が観たいと思えるような作品が創りたい
「私のセックスに対する価値観と女性の快楽の重要性について表現し、既存のポルノやジャンルとは完全に異なる映画を創りたかった。最初に創った映画のタイトルは、『The Good Girl(グッド・ガール)』。ピザの配達人が登場するユーモラスな短編映画を作成してオンラインで無料配信してみたところ、数日でかなりのダウンロード数を記録しました。そのときに気付いたんです。従来のポルノなんかより、オルタナティブ・ポルノ(性的感動を生むポルノ)を欲しているのは私だけではない、と。」
●重要視していることは”女性の快楽を表現する”ということ
「女性にだって、性欲や欲望はある。それを視聴者に観せていきたい。男性を満足させることに奉仕し、受け身になるばかりではないということを、です。
たとえば『XConfessions(エックス・コンフェッションズ)』は、女性をリスペクトしたアダルト映画。個人の体験や幻想などを映像化するシリーズを展開しています。人間味のある本物のセックス、女性の快楽やセクシュアリティを視覚的に表現した映画で、従来のポルノではほぼ見られません。この映画がイヤらしいとか、ロマンチックだとか、そんなことが重要ではないんです。女性が意見を言えて、自分の欲望を追求することが大切。それが女性の自信にもつながると思います」

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