初代キャプテンは改めて偉大でした。
なぜかって、それは彼女が史上稀にみるポンコツだったからです。
なにせ、ポンコツシーンが多すぎるせいでこんな長尺になっちゃったんですから……。
褒めてます。
0:00:00 キャップ 前編
0:45:26 みさ先輩
1:01:43 かりん
1:21:23 ゆったんたん
1:32:23 キャップ 後編
1:46:09 おまけ①~やっぱりポンコツ~
1:57:18 おまけ②~やっぱり有能~
それにしても2019年卒業組はなぜかコミュ力高めなメンバーが多いですね。コミュ障の私からはまぶしいです。
あとかりんちゃん以外全員変態ですね。
褒めて……ます。
桜井玲香のキャプテンシー。
それは世間一般で理想とされるリーダー像とは対極にあるような、桜井玲香オリジナルのものでした。
女性の活躍や社会進出の文脈でテレビや新聞に登場する指導者や経営者たち――。
申し訳ないですが、そういう人たちを見ているといつも思います。
「男より男みたいな女だなあ……」
彼女たちが悪いと言いたいのではありません。
男性原理(マッチョイズム)が支配する社会の中で生き抜くためには、女性も男社会の基準に即して強くならざるを得ない。
そういった意味ではアイドルというのは恵まれた職業でしょう。
もちろん大変な仕事でしょうけど、男性化する必要はなく、求められるのはむしろ女性としての魅力をより高めていくことなので。
もっとも、「女性らしさ」とか「男性らしさ」なんてのも作り上げられてきたものであって、理解なしにそれらにこだわるのは危険ですが。
自然界では動物でも植物でも、一般に雌の方が雄より体も大きく優位にあります。
これは生成する配偶子サイズの違いや、妊娠、出産や産卵、子育てなどに要するエネルギーを考えれば当然のことです。
ですが、例外が霊長類をはじめとした哺乳類(と鳥類)で、雄同士の雌をめぐる競争が、雄の方が大きいという性的二形を拡大させた主な要因と考えられています。
雄の強さはやがて同種内での殺し合いを生むとともに、その暴力の矛先は競合相手である雄だけでなく雌そのものへも向かい始めます。
本来「進化」という概念には「よくなる」などの価値判断的な含意は一切なく、世代を超えた形質の変化のみを表しています。実際進化したせいで絶滅した種は山ほどいます。
ただし、子殺しは霊長類に限らず多くの哺乳類で頻繁に見られますが大人の雄同士の殺し合いとなるとチンパンジーとヒト以外にはほとんど見られません。
話を戻して、性的二形が大きい種ほど、特定の雄をリーダーとする群れで行動しがちという傾向があります。
実際「雄の優位性(父権的)」というのが、進化の途上で群れが形成される際に必要条件となった可能性は高いです。
しかし、その維持には必ずしも必須ではないようです。
その証拠に、群れで行動する霊長類でも雌の地位が高い種がいくつかあります。
ボノボやゲラダヒヒなどですが、それらに共通するのは、特に近縁種と比較すれば顕著に、極めて平和的ということです。
ボノボはチンパンジー同様複雄複雌型の父系社会(=雌が群れを出ていく)ですが、チンパンジーでは圧倒的に雄優位(父権的)であるのと対照的に雌雄間の優劣がはっきりせず、むしろ雌の方が比較的優位(母権的)であるという特徴があります。
雄内、雌内それぞれの順位制も一応ありますがチンパンジー等と比べて曖昧で、第一位の雄・雌でもボスやリーダーと呼べるほどの権力はまったくありません。特に雌同士の関係としては順位よりも親密性の方がはるかに目立ちます。
また群れ同士の争いもほとんど起きず、雌をめぐって雄が争うことも少ない。子殺し含め殺し合いも一度も観察されていません。
ときに、子供など最弱者の利益を最優先しているかのような行動すら見られます。
ゲラダヒヒの基本的社会単位は単雄複雌型で、ボノボと真逆に父権的&母系的です。
注目すべきはリーダー雄が雌に対して強権的に振る舞うことが一切なく、しばしば連合した雌に反抗され追いかけまわされることすらあるという点です。
また重層社会(基本単位=ユニットが集まった上位単位=バンドがある)を形成する数少ない種のひとつでもありますが、ユニット間に上下がなく平等になっている、バンド間になわばり争いがない等の特徴があります。
雌をめぐる雄の争いはありますが、そもそも父権的といっても雌を支配できているわけではないため、勝者となっても雌たちに受け入れられなければ意味がなく、最終的な勝敗は雌が決めているともいえます。
霊長類に限らず、また群れの有無にもかかわらず、雌をめぐって争うことの多い雄と異なり雌同士は比較的親密で平和的という種は多いです。
ただし、ゴリラやチンパンジー、マントヒヒ、アカコロブスなどいくつかの種では雌間の親和性が希薄で、互いに激しい攻撃性を見せるものすらあります。
これらに共通するのは「父権的かつ父系的」という点であり、ヒトの父権父系社会における女性の性質について興味深い示唆を与えてくれます。
人間社会でも母権 and/or 母系社会はいくつか残っています(いました)。
また日本も含め多くの地域で古代は母権母系制だったといわれます(母系制はともかく母権制の存在には懐疑的な学者も多いですが)。
母権制(matriarchy)という言葉は定義が確立されておらず慎重になるべきで、少なくとも単純に父権社会の鏡写しのイメージで女性の優位や女性による支配とは考えない方がよいです。
むしろ母権社会とは、平等原理の貫徹する水平社会であり、父権社会のようなヒエラルキー型構造がそもそも現れないことこそが特徴です。
血縁関係を主とした女性同士の結びつきが強く、それが男性に対抗する大きな力ともなっています。
また女性は往々にして、創世伝承における女神信仰と結びついて「創造」や「再生」を象徴する神聖な存在として位置づけられています。
権力の配分は両性間での分業によりバランスされていることが多いですが、女性には権威と尊敬が集められています。誤解を恐れずにいえば「偶像(アイドル)崇拝」に近いのかもしれません。
また母権制との関連は明らかにされてはいませんが、別個のいくつかの研究においても一般に非近代社会には権力の集中を抑え国家(より一般には官僚制)の発現を抑制する機構が備わっていることが観察されています。
近代主権国家の存在意義は第一に安全保障です。
ところで父権父系社会で一般的な夫方居住婚が制度化される主な理由も、安全保障目的であると考えられています。婚姻=女性贈与(交換)という、法の不在空間における同盟手段というわけです。
また近代の家父長制的(父権制的)核家族は、個体レベルでの安全保障を国家に委ねる「社会契約」という前提のもと、近代国家機構や資本制に従属する再生産システムとして適していたため普及してきました。
ですが、女性や子供を男性の保護下かつ支配下に置こうとするこの婚姻モデルは、女性の市場参加拡大や「男女平等」気運の高まり等によって崩壊の一途をたどっているといえるでしょう。
そうでなくとも、ロマンティック・ラブ・イデオロギーが制度化され定着した現代のカップル文化に嫌気がさしているのは私だけではないはず。。。
ヒト以外の霊長類で単雄単雌型の群れ形態をもつのはテナガザル類(と曲鼻猿類の一部)ですが、これらは進化の袋小路に入り込んだと考えられ環境変化への適応や外敵に対する防衛という観点では劣っていると見られます。つまり核家族化というのはある側面では退化とも捉えられる現象なのです(あと蛇足ながら、動物モノのテレビやドキュメンタリーで「お父さん」とか「パパ」とかナレーションつけているやつは誤った擬人化であり、基本的に人間以外には「父親」「父子」なんて概念は存在しません)。
母権社会・母系社会では妻方居住婚もありつつ、妻問婚のように結婚という制度自体がないといえる社会も少なくありません。
婚姻の、安全保障手段としての役割や必要性が薄いことがうかがえます。
実際、個々の実例の詳細は省きますが概して平和的・非競争主義的な社会が多いです。
平和だから母権制なのか、母権制だから平和なのか。それは簡単に解明できる話ではないでしょう。
またここまでの話は仮説の域を出ない部分も多いです。
しかし、争いや競争を防ぐ重要な鍵が女社会には隠されているかと思います。
真の女性の強さとは。
女性が、男性基準ではなくちゃんと女性として強い社会とは。
それはこの閉塞した世界を打破する糸口となるのかもしれない。
残念ながら、男性化した女性の中にその答えはありません。
でも乃木坂46、特に桜井玲香のキャプテンシー等の中にだって、そのヒントはあるような気がするんです。
あ、そんな肩肘はらず気楽に見てくださいね!💛
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