とれたてのバズった話題をお届けする「トレバズ」のコーナー。
(大木優紀アナウンサー)
今日は、こちら「ファスト映画」についてです。海賊版・映画泥棒に続く映画界第3の敵とも言われているこの「ファスト映画」、きのう逮捕者もでました。こちらに注目していきます。
そもそも「ファスト映画」とは、映画を10分程度に編集した動画をネット上で公開したもの。短く編集してしまって結論まで含めて、解説つきで動画をアップということが多いそうです。やはり巣ごもり需要もあってか去年の春頃から流行しまして、CODA(コンテンツ海外流通促進機構)によりますと、56のアカウントから2100本余りの動画が投稿されている。中には700万回再生の動画もあるということです。小松さん、こういったものがあることご存知でした?
(小松靖アナウンサー)
知りませんでした。
(大木アナ)
700万回再生はかなりの再生回数なので一定の注目を集めているのかなというところではあるんです。
(小松アナ)
10分だと、なんでこの人が犯人かって絶対わかりませんよね?
(大木アナ)
編集して、あらすじがわかるようにまとめちゃうんですよ。
(小松アナ)
許せない!!
(大木アナ)
そもそも投稿者は違法なアップロードをすることによって、広告収入を得ます。そして映画界にとっては結末がわかれば観客減。 CODAの後藤健郎代表理事によりますと「映画産業がコロナで苦しい状況の中ファスト映画の広告収入で大きな利益が出ているのは許し難い」。被害額は推計956億円にものぼるのではないかと言われています。
そしてきのうこのファスト映画を巡りまして全国で初めて逮捕者が出ました。著作権法違反の疑いで男女3人が逮捕されました。警察は広告収入を得る目的で100本以上のファスト映画を作成していたとみて調べています。逮捕の影響で悪質な56のアカウントの半分ほどが削除・閉鎖されたということで、一定の抑止効果はあったようなんです。
でも、柳下さん!そもそも結論ありきのファスト映画を今の若い視聴者は見たいという欲求があるんですかね?
(柳下圭佑アナウンサー)
やはりネットに慣れ親しんだ世代ですので、すぐに調べたらなんでも出てくることに慣れている。手軽に短くしかも時間を無駄にしないので人気になっちゃってるのかなと思いますね。
(大木アナ)
ただ、その罪は重くて、著作権法違反は10年以下の懲役、または1000万円以下の罰金、またはその両方ということなんです。
そしてファスト映画の実態を、摘発に協力している東京フレックス法律事務所の中島博之弁護士が教えてくれました。最近はファスト映画の実態が複雑化していまして、動画を投稿する際に直接映画タイトルなどの記載がないものも結構あるそうです。例えば「豪華客船で出会った二人が沈没する映画」なんて言って、あーあの名作だろうなと思わせる。直接タイトルを入れないよう巧妙化している。さらに海外で先に公開されている日本未公開の映画のDVDを編集してアップして再生回数を増やそうとするなど非常に手口が巧妙化しているそうです。
また中島弁護士によると今回の事件ではYouTubeの本社があるアメリカの裁判所に情報開示を行なって情報を入手しているそうです。なので本当に摘発は免れませんので絶対にやめてほしいと思います。
一方で、見る側にも問題ありますよね。CODAは「ファスト映画の安易な視聴は控えてほしい」と話しています。そもそも映画って間とか、表情とか、音楽とか全て楽しむものじゃないですか、それなのにこういう動画を見てしまうってのもどうかと思いますね。で、逆を返せば映画そのものの価値っていうのは下がらないというか、また別物なのかなという気もしますけどね。
(小松アナ)
SNSで映画の1シーンって流れてくるんですよ、それが合法か違法かわからないんですけど。この間面白そうだなって思って、実際ネットでお金を払って見たりしたことあったんで、いい意味でPRになればいいんでしょうけど、ファスト動画は違う目的ですからね。監督さん、役者さん、意味があってその沈黙を作っているんだから、そこを勝手につまんじゃだめですよね。
(大木アナ)
ファスト映画を見ますと間接的に投稿者に収益を与えることになりますので、安易な視聴は控えてほしいと訴えていました。以上、今日のトレバズでした。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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