2025年7月6日放送のTBS系「アッコにおまかせ！」で、和田アキ子（75）が鋭いコメントを放ち、全国の視聴者の注目を一気に集めた。話題の中心は、伊東市の田久保真紀市長（55）に浮上した学歴詐称疑惑。番組内で取り上げられたのは、市長が市議会議長らに卒業証書を「チラ見せ」したという驚くべき行動であり、それに対して和田が発した「手品やないねんから！」という一言が、全国のSNSでトレンド入りするほどのインパクトを与えた。
田久保市長は、今年5月に伊東市長選で当選したばかりの期待の女性リーダーだった。しかし、市議会に出回った匿名の告発文書により、その経歴が大きく揺らぎ始める。文書には「東洋大学卒ってなんだ」「彼女は中退どころか、除籍だったと記憶している」と記されており、これが市議たちの疑念を呼び起こした。
その結果、議長と副議長が直接、田久保市長に卒業証書の提示を求めた。だが、田久保市長は卒業証書とみられる文書をほんの数秒だけ開いてすぐ閉じるという「チラ見せ」行為を2度繰り返しただけで、正式な提示とは言い難い対応に終始。真偽のほどを確認することは不可能だったという。
この不透明な対応に対し、番組内で和田アキ子は鋭く切り込んだ。「手品やないねんから、そんな子どもだましみたいなことしても、誰が信じるんですか？」と語り、スタジオを静まり返らせた。その後も、「私、高校もちゃんと行ってないんですけど、卒業したかどうかなんて、自分でわからんもんですか？」と疑問を投げかけた。
出演していたTBSの山形純菜アナウンサーは即座に「分かりますよね」と同意し、元NHKアナウンサー中川安奈は「私も同じ大学です。卒業証書は先生が一人ずつ渡してくれるので、絶対に覚えています」と体験談を語り、和田も「それならなおさら、チラ見せはおかしいわ」と納得する場面もあった。
田久保市長は2日に行った記者会見で、「除籍であることが判明した」としつつも、学歴詐称については否定。進退に関しては「まだ考えがまとまっていない」「逃げ出したくない」と述べ、明確な態度を示すことはなかった。
しかし、彼女の対応には市民や市議会からの批判が噴出。近く、市議会では辞職勧告決議案が提出される見通しだ。すでにSNSでは「田久保市長、なぜ最初から真実を言わなかったのか」「嘘を隠すような政治家は信用できない」といった厳しい意見が相次いでいる。
一方で、和田アキ子の発言には「代弁してくれてありがとう」「アッコさんの一言で本質が見えた」と共感する声も多く、芸能界の大御所としてだけでなく、社会を見つめる一市民としての立場に支持が集まった。
この一件は、地方政治の根幹である“信頼”を揺るがすものとなった。市長という立場にある人物が、自らの過去を正しく説明できないことの重大さ。そして、それを取り繕うかのように「チラ見せ」でやり過ごそうとする姿勢が、いかに信頼を損なうかが浮き彫りとなった。
卒業証書という個人的な書類であっても、政治家である以上は説明責任が伴う。それを果たさずに「見せた」と言い張るのは、市民を欺く行為に等しい。
今回の件で、和田アキ子が語った「手品やないねんから」という言葉は、単なる笑いではなく、痛烈な社会批評だった。巧妙に本質を突き、「信頼とは何か」「誠実とは何か」を視聴者に問いかける強烈なメッセージだった。
今後、田久保市長がどのような行動を取るのか。進退を明確にするのか、それとも批判の中で政治生命を続けようとするのか。いずれにせよ、市民と全国の注目は彼女の次の一手に集まっている。
この出来事は、政治家のあるべき姿勢と責任の重さ、そして“見せかけの誠意”がどれほど危険かを改めて私たちに示した。信頼は、透明な行動と誠実な説明によってしか築かれない。
和田アキ子の鋭いコメントは、芸能と政治、そして社会の境界を越え、今を生きるすべての人々に強く響いた。
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