2006年に渡瀬恒彦さんが主演を務めた『警視庁捜査一課9係』から始まったこのシリーズは、2017年の渡瀬さんの逝去という悲しみを乗り越え、井ノ原快彦さんの手によって新たに『特捜9』として生まれ変わりました。それから7年——2025年6月11日、『特捜9 final season』の最終回が静かに、しかし確かに幕を閉じました。

この作品は、刑事ドラマであると同時に、絆・継承・人間模様を描いたヒューマンドラマでもありました。渡瀬さんが演じた加納倫太郎という人物の影は、常に物語の背景にあり、井ノ原さん演じる浅輪直樹がその意思を受け継ぐ姿は、視聴者にとってまさに“バトン”の継承を象徴していました。最終話では、かつての9係や特捜9のメンバーたちが続々と登場し、長年にわたって築かれてきた人間関係や信頼がにじみ出るような演出が施されていました。

そして特に印象的だったのは、浅輪が最後に開けた段ボールの中から、加納にまつわる品々——そば、調理器具、そして懐かしい写真——を見つけるシーン。そばの賞味期限が2017年4月12日、すなわち『season12』の初回放送日であることに気づいた視聴者も多かったでしょう。これは、亡き渡瀬さんへの制作陣の静かなオマージュであり、敬意であり、別れのあいさつだったのです。エンドロールに記された「渡瀬恒彦」のクレジットは、そのすべてを象徴していたといえます。

一方で、SNS上では「宗方班長」を演じた寺尾聰さんの不在に対する寂しさや物足りなさの声も多く聞かれました。特捜9の発足に大きな影響を与えた宗方朔太郎という人物が、一言も言及されないまま終わったことに疑問を呈する声は無視できません。しかし、それでも本作はあくまで「今ここにいる」チームの物語として完結を選び、未来へつながる希望の形を示したのかもしれません。

シリーズを通して描かれたテーマは、単なる事件の解決ではありませんでした。「人が人を思う心」「引き継がれる使命」「変わりゆく中で残るもの」――それらを丁寧に紡いできたこの作品は、令和の刑事ドラマとして貴重な存在でした。井ノ原快彦さんは最終回放送後、自身のInstagramにて、「渡瀬恒彦さんがはじめたドラマを渡瀬恒彦さんが僕に繋げてださった」と語り、その想いの深さに視聴者は胸を打たれました。

視聴率の変化や時代の移り変わりのなかで、20作品という長い歩みを続けたこと自体が、いかにこのシリーズが多くの人々に愛されていたかの証左です。すべてが派手なフィナーレではなかったかもしれません。けれども、静かであたたかなラストは、きっと多くのファンの心に優しく残り続けることでしょう。

『特捜9』という名のシリーズが、一つの“物語”として完結した今。私たち視聴者に残されたのは、登場人物たちが過ごした「日常」そのものの尊さ。そしてその背後に流れ続ける、変わらぬ「思い」なのです。——ありがとう、『9係』。ありがとう、『特捜9』。

#特捜9
#特捜9FinalSeason
#井ノ原快彦
#渡瀬恒彦
#警視庁捜査一課9係
#9係
#浅輪直樹
#加納倫太郎
#宗方朔太郎
#寺尾聰
#中村梅雀
#津田寛治
#山田裕貴
#中越典子
#遠藤久美子
#畑野ひろ子
#刑事ドラマ
#テレ朝ドラマ
#水9ドラマ
#シリーズ完結
#感動の最終回
#刑事モノ
#ヒューマンドラマ
#ありがとう9係
#ありがとう特捜9
#バトンを繋ぐ
#思い出のドラマ
#20年の軌跡
#Instagram投稿
#視聴者の声
#渡瀬さんありがとう
#さようなら9係
#永遠のチーム
#井ノ原くんありがとう
#日本のドラマ
#テレビ朝日
#刑事たちの絆
#渡瀬恒彦永遠に
#思い出が詰まった箱
#記憶と共に生きる
#ノスタルジードラマ
#俳優陣に感謝
#制作陣に感謝
#視聴者と共に
#ドラマの力
#静かなる感動
#シリーズの終幕
#ファンの宝物
#20作の物語

WACOCA: People, Life, Style.

Pin