乃木坂46 6期生が初舞台に刻んだ足跡 矢田萌華、森平麗心らセンター、ライブ&特技披露から見えた個々の輝き また、大越とは6歳差の川端は、乃木坂46結成年の2011年に生まれた、グループと同い年の14歳。乃木坂46愛が人一倍強く、自己PRと特技披露のどちらでもグループへの思いをアピールしていた。
「君に叱られた」に乗せてジャグリングをしながら乃木坂46のシングル全38作を言い切る場面でも、余裕すら感じさせるほどだった。“生まれも育ちも乃木坂46”というキャッチフレーズは、彼女の大きな武器になっていく予感がする。
ここまでセンターメンバーを中心に触れてきたが、ほかにも特技の華道で春組と夏組が乃木坂46としてさらなる高みへと登っていくことを表現した愛宕心響、5歳から習っていたバレエの経験から「Actually…」での創作ダンスを披露した小津玲奈、平原綾香「Jupiter」で6期生としては唯一歌唱力をアピールしている海邉朱莉。
書道や茶道、そして巫女の経験から乃木坂46に“好運”をもたらすことを約束した鈴木佑捺、「裸足でsummer」をBGMに披露したフラダンスで細やかな表現力を見せた長嶋凛桜、エアタイピングに、奇怪なスキップ、片手卵割りといった斜め上の発想と行動、純真な笑顔でファンを魅了した増田三莉音と個性豊かな11人が6期生として出揃った。
卒業発表が相次いでいる3期生と入れ替わるようにグループに加入した6期生。乃木坂46結成年生まれの川端が象徴的なように、またグループは大きなターニングポイントを迎えようとしている。梅澤が口にしていたように、今彼女たちが目指すのは5月に味の素スタジアムで開催される『乃木坂46 13th YEAR BIRTHDAY LIVE』。そこが6期生にとって、初めてのグループ全体でのライブになるのかもしれない。
この3年、5期生の加入によって乃木坂46は大きく変化していった。もちろん、変わらずに大切に守り続けているものもありながらも、現在、副キャプテンの菅原や最新シングル『ネーブルオレンジ』でセンターを務める井上、中西がグループの先頭に立っているように、いずれ6期生がその立場を受け継ぐことになっていくのだろう。また乃木坂46の歴史の継承、“乃木坂らしさ”とは何かの問いかけが始まる。 乃木坂46 6期生にとって初イベント『乃木坂46 初披露の会 「はじめまして、6期生です」』が、4月6日にぴあアリーナMMで開催された。
【写真多数】乃木坂46と同い年14歳のメンバーも…6期生がついにお披露目
イベントのラストに初披露された6期生にとって初めての楽曲「タイムリミット片想い」のステージを観て、グループのYouTubeに公開された紹介動画などを通して見ていた彼女たちからイメージはまた大きく変わっており、格段に頼もしくなっているように感じた。
2024年の春と夏の2回に分けて実施された6期生オーディション。春オーディションで合格した春組5名と、夏オーディションで合格した夏組6名の計11人が乃木坂46に加入し、事前に紹介動画と特設サイトにてプロフィールが公開になっていた。5期生の初お披露目の場から、早3年。MCにはキャプテン・梅澤美波と並んで、副キャプテン・菅原咲月が5期生として初めての後輩メンバーを迎え入れる立場にいた。
11名の中で、開催前から一際注目を浴びていたのが矢田萌華だった。春組のトップバッターとしてその姿が公開となり、「タイムリミット片想い」でセンターを務めるメンバーだ。5期生の井上和を彷彿とさせる位置に矢田はいると思われる。雪に覆われた出身地の秋田県で撮影されたお披露映像のイメージも強く、「タイムリミット片想い」のMVでも雪という共通項で彼女の世界観が確立されていた。
どこか流麗で神秘的な印象があったが、蓋を開けてみると、小学生の頃からもたもたしていることから“もたもたのもったん”と呼ばれているというのだから、人は見た目だけでは判断ができない。菅原の誘い水もあり、“ドンクサ女王”の異名を持つ中西アルノとの対決は確約されたも同然だ。
自己紹介では秋田のナマハゲになりきり、さらには秋田の羽後町に伝わる“西馬音内盆踊り”を披露していることから、故郷に強い思い入れがあることも窺える。久保史緒里、佐藤璃果との東北出身メンバーにも仲間入りできるだろう。一方で、ライブステージでは「タイムリミット片想い」に加えて、「歩道橋」でもセンターポジションに。「タイムリミット片想い」は曲調的にはストレートなポップソングだが、「歩道橋」は昨年12月にリリースされた〈木枯らしに襟を立てる季節になっても〉の歌い出しが印象的な、穏やかで柔らかなミディアムバラードだ。オリジナルセンターの遠藤さくらとも違った、麗しいオーラを矢田は纏っている。
「制服のマネキン」でセンターに立った森平麗心は、およそ2時間のイベントの中で成長を見せたメンバーだった。自己紹介で緊張のあまり涙していた彼女が、ライブ終わりに突如梅澤からコメントを求められ、「ペンライト振られることって、すごいことだと思って感動しました」と晴れやかな笑みを見せていたからだ。
クールな表情から、最後に微笑みを覗かせる「制服のマネキン」に然り、笑顔がチャームポイントで憧れのメンバーだという賀喜遥香に然り、森平は“笑顔”に関連するポイントが印象に残った。自己PR時に見せたほかメンバーとの団体芸の真相も気になるが、特技として披露した「ここにはないもの」に乗せてのバレエも特筆すべきポイントだ。
「制服のマネキン」とは対照的な弾ける笑顔でライブの口火を切った「おひとりさま天国」でセンターを張ったのは、瀬戸口心月。彼女もイベント冒頭で、用意してきた一言がなかなか出てこないほどに緊張していた1人だが、「他人のそら似」とともに披露したチアダンスで大きな歓声を浴びていた。
その眩しいくらいの明るさやエールは、「おひとりさま天国」の曲調にもマッチしており、お決まりのフレーズ〈It’s the single life〉も最高の笑顔でしっかりと決めていた。梅澤が言及していたように、乃木坂46ファンにとっては“懐かしい鹿児島弁”も、心をくすぐるチャームポイントである。
「インフルエンサー」でWセンターに立ったのは、大越ひなの、川端晃菜という6期生内での最年長と最年少コンビ。大越は、自己PRの際に自ら始めた寸劇で恥ずかしさのあまりに笑ってしまう一幕もありながら、特技の大書では「逃げ水」に乗せて“舞”の文字に願いを込めた(自己採点の「100点満点中6点」は6期生になぞらえてだろうか?)。“舞”を選んだ理由は、「タイムリミット片想い」のサビラストの一節〈思い出だけが空に舞うでしょう〉から取った一文字だという。
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