宮尾登美子の長編小説『鬼龍院花子の生涯』は、大正から昭和にかけての高知を舞台に、侠客・鬼龍院政五郎(鬼政)とその娘・花子の激動の人生を描いた作品です。12歳で鬼政のもとへ養女に出された松恵の視点を通して、約50年にわたる一族の興亡が鮮やかに綴られています。

宮尾登美子が土佐の花街を舞台に描いた小説は、置屋の紹介人だった父が残した14冊の日記や営業日記、住所録を主な資料として取材し、創作されたものです。鬼龍院政五郎のモデルとなった人物は、父の日記に登場する、父にお金を借りに来た親分でした。当時その人物はまだ存命で、取材にも協力してくれたため、物語は実際の話をもとに忠実に描かれているそうです。

■監督 五社英雄
■脚本 高田宏治
■原作 宮尾登美子
■製作 奈村協・遠藤武志
■製作総指揮 佐藤正之・日下部五朗
■出演者 仲代達矢 夏目雅子 ほか
■音楽 菅野光亮
■撮影 森田富士郎
■編集 市田勇
■製作会社 東映・俳優座映画放送
■配給 東映
■公開 日本の旗 1982年6月5日
■上映時間 146分

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