日向坂46「6回目のひな誕祭」開催 2日間で計114曲をパフォ グループを卒業した一期生メンバーもサプライズ登場:レポート 日向坂46のデビュー6周年を祝うライブイベント「6回目のひな誕祭」が4月5日、6日の2日間に渡って、横浜スタジアムで行われた。今年の目玉は、日向坂46として発表した楽曲の全曲披露。前身グループ・けやき坂46(通称ひらがなけやき)時代の名曲も含め、2日間で計114曲をパフォーマンスした。
【写真】日向坂46「6回目のひな誕祭」ライブの模様
また、結成時からグループを支えてきた佐々木久美と佐々木美玲の「W佐々木」が、本イベントをもってグループを卒業。5日に美玲、6日に久美の卒業セレモニーが行われ、各日4時間を越えるイベントの中でファンは涙と笑いに包まれた。オフィシャルレポートでは、グループのキャプテンを務めていた久美の卒業セレモニーを含む、6日のイベントの模様をお伝えする。
ライブ冒頭、シースルーの生地をあしらった春らしい新衣装で登場したメンバーたちは、シングル表題曲の「ドレミソラシド」「ソンナコトナイヨ」「ってか」を3曲続けて披露。曲間には、河田陽菜が「ひな誕祭2日目、声出して行くぞー!」と観客をあおった。
最初のMCでは、スタジアムの上に広がる青空を見上げて「晴れたねー」とメンバーたちが笑顔を見せる。今日は雨予報だったにもかかわらず、日向坂46というグループ名の通り、晴天を引き寄せた形だ。そして昨日卒業セレモニーを行ったばかりの佐々木美玲が、「2日目もおじゃましまーす」と、トレードマークの太陽のような笑顔で挨拶した。
次は期別曲のコーナー。まずは四期生が「シーラカンス」「雨が降ったって」を披露。続いて三期生が「愛のひきこもり」「Right?」、二期生が「沈黙が愛なら」「君のため何ができるだろう」、一期生が「愛はこっちのものだ」「骨組みだらけの夏休み」を連続してパフォーマンスした。
その後のMCでは、さっきまで雨が降る中でカッパを着てリハーサルを行っていたと明かしつつ、「雨が降ったって」のセンターを勤めた小西夏菜実が「雨の中で踊るかなと思ってたら、(本番は)こんなにぽかぽかに晴れて! おひさま(日向坂46のファンの総称)のおかげですし、日向坂のおかげでもありますし、晴れ女の久美さんのおかげでもあるなって」と、感謝の言葉を伝えた。
そしてメンバーたちは、フロートも使ってアリーナいっぱいに広がって「ときめき草」「友よ 一番星だ」「思いがけないダブルレインボー」を披露。いずれも隠れた名曲として知られるカップリング曲を、ファンとコミュニケーションを取りながら歌った。
短いMCを挟み、怒涛のユニット曲のコーナーへ。「SUZUKA」「一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルを思い出せない」「ママのドレス」「やさしさが邪魔をする」「窓を開けなくても」「恋とあんバター」「See through」「まさか 偶然…」と、8曲を立て続けにパフォーマンスした。富田鈴花がセンターを務める「SUZUKA」は、これがライブ初披露。河田陽菜、森本茉莉、平尾帆夏、藤嶌果歩による「恋とあんバター」も、愛知県でのライブでしか披露されていなかったレア曲で、観客を沸かせた。また、富田と松田好花のユニット「花ちゃんズ」による「まさか 偶然…」は、ふたりがアコースティックギターで弾き語りをした。
三期生によるMCでは、コロナ禍の2021年に行われた2周年イベントで、1年1ヶ月ぶりに有観客でライブを行った際の思い出が語られた。髙橋未来虹、森本茉莉、山口陽世はこのとき初めてファンと対面したが、「イヤモニでさ、先輩方が歌いながら泣いてんのよ。もうそれがグッときたね」(山口)と、一、二期生の涙混じりの声をイヤモニ越しに聞いたというエピソードを語った。
続いては、カップリング曲を中心にしたブロック。「青春の馬」「川は流れる」「見たことない魔物」といったライブ定番曲に混じって、初披露の「孤独たちよ」もパフォーマンスした。また、四期生が制服に着替えて登場した「見たことない魔物」では、藤嶌果歩が「横浜スタジアム、全員叫べー!」とあおり、新世代のライブ番長ぶりを見せた。
ここで佐々木久美をフィーチャーしたVTRに。2016年、けやき坂46としてグループが結成された際に、初イベント「おもてなし会」を行ったお台場を訪れ、様々なことを語った。「TOKYO IDOL FESTIVAL2017」の楽屋で、久美が他メンバーの態度に激怒し、「悔しくないの、みんな?」と訴えたグループ初期の出来事について、「初めてですね、あんなふうに、自分の気持ちをみんなに言ったのは」と語った。そしてこれまでのグループでの活動を「楽しかったです。もう、9年間ずっと楽しかったです」と感慨深げに振りきに立ち会えなかったのが、すごい心残りだったから」と言って涙を浮かべると、全員が集まってハグをした。
また、今日は会場に来られなかった柿崎芽実の手紙を潮紗理菜が代読。佐々木美玲、佐々木久美、そして5月のライブで卒業が決まっている高瀬愛奈へのメッセージとともに、「おひさまのみなさん、日向坂46を好きでいてくれてありがとうございます。これからもずーっと一緒に応援しましょうね」と、自身もファンのひとりとして観客に呼びかけた。VTRで出演した齊藤京子と合わせると、グループ結成時の12人が全員今回のライブに関わった形となり、9年経っても失われない絆を感じさせた。
さらに、一期生にとって思い出が詰まった名曲「永遠の白線」をパフォーマンス。二〜四期生も全員参加し、OGとの奇跡の共演を果たした。
ここからは現役メンバー全員で「僕に続け」と「HEY!OHISAMA!」を歌う。後者では、上村ひなののリードでファンとコール&レスポンスを楽しんだ。そして髙橋未来虹がセンターを務める「錆つかない剣を持て!」を、鬼気迫る表情でパフォーマンス。
終盤のブロックは、シングル表題曲を立て続けに披露。「僕なんか」「君しか勝たん」「君はハニーデュー」「卒業写真だけが知ってる」と、クールな曲とキュートな曲を織り交ぜ、日向坂46の多面性を見せた。そして佐々木久美がセンターを務める2ndアルバムリード曲「君は0から1になれ」へ。バレエ経験者でダイナミックな踊りに定評のある久美を中心に、ダンサブルなパフォーマンスで観客を沸かせた。
本編最後は日向坂46のセルフタイトル曲「日向坂」。欅坂46のアンダーグループ・けやき坂46としてスタートし、2019年に日向坂46としてメジャーデビューしたというグループの歴史をたどるような内容の楽曲だ。
そしてアンコールが開けると、ステージ上に異変が。メンバーが誰一人も登場しないまま、モニターに楽屋前の映像が流れる。どうやら楽屋から出てこようとしない一期生に、二期生の松田好花が「好きですねー、立てこもり」と言って呆れる。2017年に起こったグループ史上最大の事件「一期生衣装部屋立てこもり事件」をオマージュした演出だ。二期生やファンの呼びかけに応じ、高瀬愛奈、佐々木美玲は楽屋から出てきたが、久美は楽屋から出るなり会場へ走り去ってしまった。
その久美が、今度はアリーナを自転車で爆走しながら登場。「ライブまだまだ終わらせねーぞー!」と叫び、そのまま「ひらがなで恋したい」を歌う。他のメンバーが呼びかける中、ようやくステージに上った久美は、振り付け通りに河田陽菜を豪快に振り回した。こうした卒業セレモニーでは、アンコール明けに卒業メンバーがドレスを着て登場するのが定番だが、お笑い好きの久美らしく、ここでも「茶番」を仕込んでいたようだ。
たいに賢治)
WACOCA: People, Life, Style.