今もロシアによる激しい攻撃が続くウクライナ。今、日本に特別に来日しているウクライナ軍の元兵士にトラウデン直美さんが単独インタビュー。生々しい戦争体験、そして今の思いを聞きました。
■「住民に常に緊張感を与えるため」ロシア軍の滑空爆弾
増尾聡 記者
「まさに昨日攻撃をうけた場所です。地元の子どもたちが通う学校だということです」
弾道ミサイルが直撃したという学校は、完全に崩れていました。
増尾聡 記者
「本当に破壊の様子が一帯で分かります 。小さな靴もあり、通っていた子どもの靴だと思いますけれど…本当に考えるだけでもゾッとするような光景がいま広がっているんです」
ウクライナ北東部ハルキウ州。ロシア軍は5月、国境を越えて州の北部に侵攻を始めました。ここ、デルハチはロシア国境から20キロほどに位置し、この2か月だけで50人以上が死傷しています。
増尾聡 記者
「あー ここが…ちょうど爆弾が…うわ、すごい。家がもう完全に内部が露わになっているような状況です。ここで使われたのは『滑空爆弾』と呼ばれるものです」
ロシア軍がいま、ウクライナに対し多用している「滑空爆弾」。翼と誘導装置が付けられていて、重量は最大3トン。大きな威力を持ちます。射程は長く、ロシア領内から投下できるため、防衛は困難です。
増尾聡 記者
「多くの家や建物が同じようにこの1つの爆弾で破壊されています。市民の人にとっては極めて恐怖でしかないと思います」
滑空爆弾の被害を受けた住民
「言葉では表現できないほど怖かった。こんな風になってしまう威力で、あらゆるものが吹き飛んだ」
ロシア軍は、戦闘の前線だけでなく、市民が暮らす集落も滑空爆弾の標的に。その狙いはどこにあるのか。
デルハチ市の広報官
「混乱とパニックを引き起こし、住民に常に緊張感を与えるためです。そうすることで、人々の精神状態を悪化させ、この地から住民を追い出そうとしているのです」
実際にデルハチでは、滑空爆弾の被害が増えてからこの地を離れる人が急増しているといいます。
デルハチ市の広報官
「ロシア軍は住民を恐怖に陥れることで、その目標を達成しつつあります」
■特別来日したウクライナ軍元兵士が語る「戦争」
都内で開催された「ウクライナフェスティバル」。このイベントに出席したのが、ナザール・グラバーさん。ウクライナの戦場で戦った兵士です。19日、軍から特別な許可を得て来日しました。
軍事侵攻が始まった1週間後に兄・イリヤさんとウクライナ軍に入隊。その直後…
トラウデン直美さん
「(攻撃があたったのは)ここですか?」
ナザール・グラバーさん
「ここです」
トラウデン直美さん
「すごく心臓に近くないですか?」
ナザール・グラバーさん
「そうです。手榴弾が私の足元に落ちてきて、友人が私をかばいました。…私は胸の傷で済みましたが、彼の足はバラバラになりました」
胸に銃弾を受け、意識を失ったナザールさん。目覚めたときのことでした。
ナザール・グラバーさん
「司令官から電話があり、『残念だが、お兄さんは亡くなった』と伝えられました。病院で一晩中泣きました。銃声や地雷戦車からの砲撃には慣れますが、隣に座っていた人が亡くなることに慣れることはできません」
■「同じ経験をさせたくない」
首都キーウなどでは、今もロシアによる激しい攻撃が続いています。
トラウデン直美さん
「今もそういった状況(戦闘)は続いていると思いますが、どのようにご覧になってますか」
ナザール・グラバーさん
「いま、ウクライナは戦争開始時よりも厳しい状況にあります」
「終わりの見えない戦争」。それでもナザールさんは前を向こうとしています。亡き兄の名をつけた子どもの支援団体を運営し、物品支援や漫画で先頭を伝える活動をしているのです。
ナザール・グラバーさん
「この人生を終わりにしたいと思う瞬間もありました。でも私はロールモデルにならないといけないと思ったのです」
トラウデン直美さん
「日本の人たちにどんなメッセージを伝えたいですか」
ナザール・グラバーさん
「ウクライナを日本の人々に支援していただき感謝しています。私は21世紀の世界に、このようなことはあってはならないということを伝えています。私がしたような経験をもう誰にもして欲しくないのです」
■「同じ経験をして欲しくない」と思う一方…「ロシアに対する強い憎しみ」
小川彩佳キャスター:
祈りのような言葉がありましたが、トラウデンさんは今回ウクライナ軍の兵士の方にお話聞かれてどんな言葉が印象に残りましたか。
トラウデン直美さん:
戦地の記憶や、兄が亡くなったという事実を片時も忘れる瞬間がない、と。今回、来日して、日本のことがとても好きで「日本に来られて嬉しいんだ」と笑顔でお話をたくさんしてくれましたが、その最中も「片時も忘れることはないんだ」と言っていたのがとても印象的でした。
つらい経験をたくさんしてきた中で、「今後一切、1人として同じような経験をして欲しくない」ということは、すごく強く話していました。
小川キャ…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20240725-6171137)
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