昔、ロシアにLeon Thereminという科学者がいました。彼は、電波とか電磁波というものを研究していたのですが、あるとき電気信号を音に変える装置を発明したのです。それも音程を自由に変えることができる、現在のシンセサイザーの原型の様なものです。1930年代に、彼はこのモノフォニック・シンセサイザーを操ってヨーロッパの多数くのオーケストラと共演したそうですが、どんなコンサートだったのかタイム・マシーンにでも乗って聴きに行きたい気がします。
その後、第二次世界大戦が始まり、一度はアメリカに亡命したものの演奏活動は出来なくなり、戦後になってようやく母国に戻りました。それ以降、レオン・テルミンの名前は忘れられてしまい、1970年に入ってからシンセサイザーが脚光を浴びるようになり、薄び彼の名前が持ち上がって来ました。中にば”テルミン”というネーミングの、シンセサイザーと言うよりエフェクターのような商品まで売られていました。
レオン・テルミンの最初に作った装置は、現在でも何台かは残っているそうですが、なにしろ音程の不安定なシンセサイザーなので、過去も現在もレオン・テルミン以外の人には弾きこなせないのです。でも、彼には一人だけ弟子がいて、アメリカの女性なのですが、後に彼がアメリカに招待された時に二人は再会し、その時に彼女がそのテルミン”と命名されたシンセサイザーを演奏したという話です。
© 1997 by Isato Nakagawa
多くの方に聴いて頂ければと思います。
また動画を作って下さり感謝しております。
中川朋美 𝓣𝓱𝓪𝓷𝓴𝓼🎸💕
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