このギター・ブックに掲載した曲の中で、最も新しい曲が、この“甍”と言う曲です。“伽羅”と曲想が似ているが、フリーなオリエンタル・ミュージックと言うものを頭の中に描きながら作曲してみた。後で気付いたのだが、“伽羅”で用いたオープンDmよりも、この曲でのチューニングの方が、倍音の響きが良いように思う。これは用いたKeyが作用しているのかも知れない。そして、このチューニングも、 マイケル・ヘッジスの“Two Days Old”と言う曲から学んだ。彼のユニークなところは、クローズ、オープン・ヴォイスに囚われない、自由なコード・ヴォイシングにアプローチしていて、それらを実に巧みに使いこなしている点である。これは和声学を完璧に理解し、尚且つ感覚が優れていなければ出来ない事だ。
いずれにしても、彼のようにセンスのいい音作りをするギタリストは、そうざらには居ない。“Big 44”のコメントでも書いたが、このマイケル・ヘッジス、アレックス・デ・グラッシと言った新感覚のギタリスト達が、僕に大きな刺激を与えてくれる。その事が僕に、大いなる創作意欲を湧かせてくれているように思う。そしていつの日か、彼らと音楽で対話できるように、自分のギター・ミュージックを早く完成させたいものである。
中川イサト
多くの方に聴いて頂ければと思います。
また動画を作って下さり感謝しております。
中川朋美 𝓣𝓱𝓪𝓷𝓴𝓼🎸💕
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