2019年度第69回高知県芸術祭助成事業  KOCHI ART PROJECT
「泣きたくなったら、ここにおいで。」
原作/泣きたくなったら、ここにおいで
作 /野村生一 
第47回高知県芸術祭文芸奨励賞
後援/須崎市、土佐市、NHK高知放送局、高知新聞社、RKC高知放送、KCB高知ケーブルテレビ、エフエム高知
協力/高知県芸術祭執行委員会、高知県高等学校文化連盟放送専門部、須崎市観光協会、土佐市観光協会、奥四万十観光協議会、須崎市民文化会館
出演/渡辺かおる、高澤祐介、金田弘明、マヒロ、荒木晶成、小田祐介、新城貴大、大ちゃん、ヤス、川島敬三、濱田正人
監督脚本/野村生一
撮影/濱田征太郎、上村幸宏、伊達裕樹
編集/濱田征太郎、森下克彦、上村ゆり
録音/明神高文
写真/小川淳誠
プロデューサー/野村生一、永井みさえ、上村幸宏
題字/今泉岐葉
音楽/伊藤心太郎
制作/「泣きたくなったら、ここにおいで。」製作委員会、chuchuman picturs、ゆめのかたち合同社

物語
突然の事故で、夫を亡くし、自分も怪我をする木島直美。失意の中、医者から告げられた思いもよらない事実。妊娠しているのだ。奇蹟的にも、母子ともに健康だった。動揺する直美だが、歯科医の仕事に復帰。しかし、夫の誠一と約束した、夫の故郷である高知県須崎市浦ノ内への旅を、夫の弔いも兼ね直美ひとりで行くことに。旅の途中、レンタカーで黒潮ラインから黒潮横浪ラインを走り須崎へ。黒潮ラインでは宇佐の港で神祭と呼ばれる愉快な祭りと人々の笑顔に出会い、黒潮横波ラインでは、半島が連なる絶景を目にする。そして、須崎で出会う様々な人は偶然にも、皆、誠一を知る人たちだった。そして出会った友人に見せられる写真には、誠一の屈託のない笑顔があった。その笑顔は、まるで直美の訪れることを知っていたかのような直美を見つめ微笑む写真だった。
直美は、誠一と一緒に乗ることを約束していた、ふるさとの海の巡航船「市営巡航船」に乗る。その船で、地元の子どもたちに「神様」と呼ばれる船長に出会う。
確かに神様のような、浮世離れした雰囲気。だれも居なくなった船内で、神様は不思議なことを語りはじめる。ある高校生の話しだったが、まさにそれは、誠一のことだった。すると、夕日に染まる船内に高校生の制服を着た誠一が現れた。語ることはなく静かに微笑むだけの誠一。とめどもなく涙がながれる直美は、その暖かな時間につつまれて幸せを感じる。
神様が鳴無神社に到着したことを告げる。船を降りる直美に神様は、言う。「泣きたくなったら、ここにおいで」と。
鳴無神社を参拝すると、神様が巡航船の中で話してくれた伝説を想いだす。
千年以上も前。龍神を治めるため、自ら龍神の子となった、龍神小僧の物語。
そして、子を想う母は、巫女となり、いまでも子を見守っているといわれる。
不思議なことに、直美の前に巫女が涙して立っていた。
「悲しみや、つらいことをこの紙に一言書いて海に流しなさい。龍神小僧が柄杓ですくって飲み干してくれます・・・」直美は、一言つづり、海に流した。
巡航船が桟橋に停泊していた。神様が優しく微笑んでいる。その横に、確かに誠一がいた。
直美は、二人を後にし、前へと歩きだした。fin

高知県を舞台に高知まだ知られていない素晴らしい景色をも見ていただき、是非高知に一度足を運んでいただきたい。たくさんの願いと思いを込めて。
コロナ禍から一年が過ぎ、私の心の中も少しづつ整理かついてきました。公開できなかったこの映画をなかったことには、できない。
野村生一監督の遺作となります。
みなさんに感謝を込めて。
           渡辺かおる

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