福岡県水巻町で起きた強盗殺人事件についてです。被害者の妹ら3人が逮捕され、1週間がたちました。警察の調べに妹は、一緒に逮捕された知人の親子に数千万円を渡していたと話しているということです。3人の不可解な人間関係の背景に迫ります。
事件はことし6月、水巻町の町営住宅で辻つぐみさん（当時52）が首を絞められて殺害され、通帳などが奪われたものです。
警察は8月18日、強盗殺人の疑いでつぐみさんの妹の辻和美容疑者（51）と、知人の岡村恵美容疑者（46）、その娘の愛香容疑者（24）の3人を逮捕しました。
防犯カメラの映像などから警察は、岡村容疑者親子が結束バンドなどの道具を準備し、和美容疑者がつぐみさんを殺害した計画的な犯行だとみています。
逮捕から1週間が経ち、浮かび上がったのは3人の不可解な関係です。
和美容疑者と岡村恵美容疑者は、20年ほど前に職場で知り合ったとみられます。数年後には、和美容疑者が知人や金融機関などから手当たり次第に金を借りはじめ、住んでいた家を出ざるをえなくなったといいます。
■辻和美容疑者を知る人
「和美さんが借金があるのは聞いたことがあるけど。うちの亡くなったお父さんにもお金を借りようとしていたらしいけど。」
捜査関係者によりますと、和美容疑者はそれから十数年間、北九州市内の公園を転々とするホームレスとなり、不特定多数の男性から金を受け取る生活をしていたといいます。
しかし、「十数年間で数千万円の金を岡村容疑者親子に渡した」という和美容疑者の供述から、男性から得た金のほとんどは岡村容疑者親子に手渡されていたとみられています。
捜査関係者によれば、和美容疑者が事件後に姉の口座から不正に引き出した約74万円も、大半が岡村容疑者親子の元へ渡っていました。
なぜ、それほどの金を渡し続けたのでしょうか。
捜査関係者も「恵美容疑者がでまかせをもとに、言葉巧みに金を払わないといけないようにさせたのでは」と言いつつ、その関係性に首をひねります。
岡村恵美容疑者を知る人は、次のように話します。
■岡村恵美容疑者を知る人
「ウソをいいますね。言う人言う人に全然違うこと言っていると思います。強い人にはついて行くというか従順というか。でも自分より弱い人には、怒るじゃないけど言い方もきつくなる。」
警察の調べに対し、和美容疑者は「姉に金を借りに行った」などと話している一方、岡村容疑者親子は「まさか和美容疑者が姉を襲うとは思わなかった」といった趣旨の話をしているといいます。
警察は、岡村容疑者親子が金銭目的で事件を主導したとみて調べを続けています。
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