大規模な捜索が行われていた、潜水艇「タイタン」。
破片の発見と共に示されたのは、乗っていた5人の死亡だった。
海底およそ3,800メートルに沈む豪華客船「タイタニック号」の見学ツアーで起きた事故。
「タイタン」は、5人の乗客と共に、現地時間6月18日早朝に潜水を始めるが、およそ2時間後に通信が途絶え、消息を絶った。
そして、捜索開始から5日目。
アメリカ沿岸警備隊は、最悪の結果について発表した。
アメリカ沿岸警備隊「(捜索していた)ロボットが、タイタニック号の船首から約500メートルのところでタイタンの後部を発見しました」
沿岸警備隊によると、発見されたのは5つの大きな破片で、その理由として「タイタンは水圧で押しつぶされた」と断定。
ツアーの運営会社は、「全員が死亡した」と発表した。
アメリカメディアは、「タイタンが消息を絶った直後に、海軍がモニタリングを開始し、現場海域で破壊音を感知していた」と報じている。
おそらく、この時点で「タイタン」は押しつぶされていたとみられ、捜索隊が確認していた、たたくような音は無関係だったという。
犠牲となったフランスの探検家・ナルジョレさんの友人は、突然の別れを、「せめて苦しまなかったことを祈る」と惜しんだ。
また、イギリスの富豪、ハミッシュ・ハーディングさんの家族は、「家族は深い悲しみに包まれている」、「素晴らしい父であり、夫だった」と声明を発表している。
そして、父の日に海底に向かったパキスタンの実業家シャザダ・ダウッドさんと息子(19)の親族は、「捜索活動に関して、心より感謝する」としている。
映画「タイタニック」のジェームズ・キャメロン監督は、ツアーの運営会社を批判している。
ジェームズ・キャメロン監督「オーシャンゲート社は、運航すべきではなかった。もっと早く言うべきだったが、研究不足で認証を得ていないとは知らなかった。ラッシュCEO(最高経営責任者)から、『今期は行かないか』と誘われていたが興味がなかった」
4年前に撮影された「タイタン」内部の様子。
船内は薄暗く、全員が床に座っている。
また、操縦はモニターを見ながらゲーム機のコントローラーで行っているのがわかる。
現場海域で、別の潜水艇ツアーに参加したことのある男性は、今回の事故原因を「可能性としては、何度か潜っているうちに、潜水艇の本体などに小さな亀裂が生じたのかもしれない。その一点に圧力がかかれば、ボンッ! とつぶれてしまう」と推測する。
今後、ツアー会社の運航責任が問われるとみられる。
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