映画『コーダ あいのうた』で「第94回アカデミー賞」助演男優賞を受賞したトロイ・コッツァーが製作総指揮を務める映画『Houria』が、『裸足になって』の邦題で7月21日(金)より、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国で順次公開される。
この映画の監督は、「第72回カンヌ国際映画祭」「ある視点」部門に出品された『パピチャ 未来へのランウェイ』のムニア・メドゥール。
北アフリカのイスラム国家、アルジェリア。内戦の傷が癒えきらぬ不安定な社会の中でバレエダンサーになることを夢見るフーリアは、貧しくもささやかな生活を送っていた。しかしある夜、男に階段から突き落とされ大怪我を負い、踊ることも声を出すこともできなくなってしまう。
すべてを失い、死んだも同然の抜け殻となったフーリア。そんな失意の中、彼女がリハビリ施設で出会ったのは、それぞれ心に傷を抱えたろう者の女性たちだった。「あなたダンサーなのね。わたしたちにダンスを教えて」その一言から始まったダンス教室で、また再び“生きる”情熱を取り戻していく―。
主人公フーリアのダンスは、手話をモチーフにしたコンテンポラリーダンス。言語の壁を超えた肉体表現として、どんなせりふよりも雄弁に私たちにその想いを訴えかける。抑圧された社会の中で、手を携えて立ち上がる女性たちとの交流を通じて、尊い慈愛と生きる力強さを瑞々しく描き出す。
主人公フーリアを体当たりで演じたのは、ウェス・アンダーソン監督『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』で、ティモシー・シャラメらと共演し、キュートな存在感を放ったことも記憶に新しい、アルジェリア出身の期待の新星リナ・クードリ。
本作の脚本も手がけたムニア・メドゥール監督は「アルジェリア社会を舞台に、現代の問題や、人間と言語の豊かさをもっと掘り下げたいという気持ちがあった」と言う。北アフリカのイスラム国家であるアルジェリアは1990年代に“暗黒の十年”と呼ばれる内戦が勃発、その治安回復と同時に膨大なテロ事件が起き、20年以上が経った今でも癒えない傷が人々の心に隠されているのだ。
「『裸足になって』では、事故による変化に苦しむ若いダンサーの物語を語ることで、現在のアルジェリアの歴史に再び踏み込むことにした」「私は元々、ドキュメンタリー映画出身だから、映画でフィクションに書き直すために、自分の記憶の奥や体験に迫るのが好きなの。私自身、事故でかかとを複雑骨折した後、しばらく動けず、長いリハビリをしたことがあって、孤独や寂しさ、障害、そして何よりも再起について語りたいと思っていたのよ」と明かし「フーリアは再生して、最終的にはもっと強い女性、つまり彼女自身になる。耐えることにより偉大になったフーリアのヒロイン像は、傷つきながらも立ち上がるアルジェリアのイメージを想像して出来上がったわ」とコメントしている。
予告編は、抑圧的で理不尽な世界にもがきながらも、新しい人生を見出すために手話を使いながら自身の“身体を解放”し、全身で踊る姿は、観る人の五感を刺激する映像となっている。終盤は「手話の美しさ、表現することの素晴らしさ。世界中の人々が観るべき映画です。」と、製作総指揮を務めるトロイ・コッツァーによるコメントで締めくくられる。
ナレーションは彼女たちの想いを代弁し「心の内に宿る強い意志を感じさせる」人選を進めていく中で、『ルパン3世』の峰不二子役や『愛の不時着』ユン・セリ役、『鬼滅の刃』墜姫役などを務める超人気&実力派声優の沢城みゆきが担当。フーリアのこれからの人生を祝福するような力強いナレーションとなっている。
製作総指揮:トロイ・コッツァー 『コーダ あいのうた』
監督: ムニア・メドゥール
出演: リナ・クードリ、ラシダ・ブラクニ、ナディア・カシ
配給:ギャガ 原題:HOURIA/99分/フランス・アルジェリア/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/字幕翻訳:丸山 垂穂
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