今回紹介するのは、ミュージシャンのGACKTさんの元愛車ですが、そういった『付加価値』を抜きにしても素晴らしい1台です。
車両の概要は以下の通り。
↓
1999年型 ポンティアック ファイヤーバード トランザム ラムエアー(WS6)
・車両本体価格:ASK
・車検:令和5年10月
・走行距離:30357マイル(4万8571km)
・排気量:5.7リッター V8 OHV (LS1)
・ミッション:4AT(4L60E)
・ボデイカラー:レッド
・内装:オールレザー(カスタムインテリア)
・乗車定員:2名
・カスタムポイント
・リアワイドフェンダー
・アメリカンレーシング18インチ鍛造3ピースアルミホイール
・タイヤサイズ:F/275/35ZR18、R/335/30ZR18
・フロントブレンボブレーキ
・強化ダウンサス
・ビルシュタインダンパー
・調整式パンハードロッド
・ボーラマフラー
・タワーバー&マスターシリンダーストッパー(アドバンスオート製)
・BBKスロットルボディ
・フルレザーインテリア
・ワンオフメーターパネル
・カスタムATセレクター
・プッシュスタート式エンジンスターター
・MOMOステアリングホイール&ボス
この車両、新車並行輸入車で、1999年型にして走行距離は3万マイルちょっと。外装の状態が素晴らしく、内装は豪華なフルカスタム仕様。足回り&ブレーキはサーキット走行が可能なくらいしっかり組んであるし、吸排気系のライトチューンでパワーも申し分なし。第3世代&第4世代のファイヤーバード&カマロが大好きな筆者が見ても、非常に魅力的な中古車です。
99年型WS6のノーマルのスペックは、320hp&468Nmで、同世代のカマロSSとほぼ同じですが、展示場内を軽く走らせただけでも、ノーマルよりも明らかにパワーがアップしているのが分かりました。
筆者は90年代後半から2000年代前半にかけて、カマロ、トランザム、コルベットなどのLS1ユニットを搭載したモデルのカスタム&チューニングカーに数多く試乗しましたが、NAのままでここまでパワーが出ている車両は数えるほどしか思い出せません。
この車両は、現在車両を販売しているMOTAさんが製作したわけではないし、もちろん、最初に車両をオーダーしたGACKTさんにインタビュー出来るわけもありません。したがって詳細(正確なところ)は不明です。
と言う事で、ここからはあくまでも筆者の推測の域を出ませんが、軽く乗った感じでは、ファイナルギア比もカマロZ28の正規輸入車よりかなりローギヤードになってる感じを受けたし、トランスミッションも、昔、都筑にあった某有名ショップが販売していたリビルトミッションみたいなダイレクトな繋がり方をしている気がしました。
非常にマニアックな話になりますが、もう20年以上も前、雑誌時代に試乗させていただいたアドバンスオートさんの4thカマロZ28 SSRとか、ウエストクラブインターナショナルさんの4thカマロ Z28のデモカーと同等という感じ。つまり、その道の専門ショップのチューニングカーレベルのパワーが出ているという事。
しかも、その状態が2022年現在まで維持されているわけですから、凄いとしか言いようがありません。
リアのワイドフェンダー化&335/30R18の極太タイヤに関しては、走行性能ではなくビジュアル重視という感じですが、その造形は見事の一言。適度なローダウンと相まって、問答無用の格好良さを実現しています。
なお、動画中で「フロントタイヤは245だったと思う」と言ってますが、撮影終了後に帰社して資料を確認したところ、WS6ラムエアーの純正タイヤは前後とも275/40ZR17でした。なので、フロントタイヤは外径もタイヤ幅もノーマルとほぼ同じでした。
外装も足回りもブレーキも吸排気系チューンも、カマロ&ファイヤーバード好きの筆者が見ても「良く出来てるなぁ」「趣味が良いなぁ」と思う仕上がりですが、この車両の最大の特徴は内装カスタムになります。
詳細は動画を見ての通りですが、この車両の内装を一言で言えば「普通じゃない」です(笑)。
SEMAショーなどに出展される旧車ベースのハイテック系のカスタムカーの中には、このくらい内装に手を入れた車両も存在します。が、この車両の場合、外装や足回りといった外観が「ノーマルのスタイルを生かす系」なだけに、内装のぶっ飛び加減にビックリするというか…、色んな意味で驚きました。
20世紀後半〜21世紀初頭のアメ車の中には、リモートでエンジンスタートが可能なシステムを組んだカスタムカーは存在していたので、プッシュボタン式のエンジンスタートに変更した程度であれば驚くほどではないのですが、そのボタンがドアパネルに埋め込んであったり、メーターパネルをセンターに移設してカスタムしたり(それもダコタメーターなどの社外ゲージではなく純正メーターを改造するという手法!)、極め付けはオートマチックトランスミッションのセレクターレバーを廃して、スライド式のセレクターに変更するとか、「よくこんな事を思いついたな」という感心するほどです。
この車両の内装がGACKTさんのオーダーなのか、ビルダーのセンスなのかは不明ですが、今から20年以上も前、20世紀にこのデザイン&機能にカスタムした4thトランザムが日本に存在していた事に驚嘆します。
動画中でも言っている通り、この車両はGACKTさんファンはもちろん、GACKTさんの事を知らないオヤジのアメ車ファンが見ても、非常に魅力的な1台だと思います。
なお、この車両ですが、「国境を越えてアジアを一つにする」というチャリティプロジェクトの一環として、2010年12月にオークションに出品されており、その後は複数のオーナーが所有していたようなので、GACKTさんご自身が所有していたのは1999年〜2010年までとなります。
ただ、オークション時点での走行距離は約2万4000マイルだったみたいなので、GACKTさん以降のオーナーさんは6000マイル程度しか乗っていないと言う事。まぁ勿体無い気がして、普通の人はちょっと乗り回せないですよね?(笑)
◾️取材協力
・MOTAダイレクト
(USトヨタガレージ店)
TEL:04-7136-7608
千葉県野田市目吹1665−1
◾️撮影:小関 一尚(Ozeki Kazunao)
◾️撮影&編集:田中 享(Tanaka Susumu)
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(チャプター)
00:00 GACKTさんの元愛車
02:00 1999年型ポンティアックトランザムWS6
02:50 ワイドフェンダー
04:02 タイヤ&ホイール
06:38 ローダウン
08:23 ラムエアー
09:00 V8エンジン
11:15 テールエンド
12:28 BOLAマフラー
13:22 内装カスタム
20:15 センターメーター
22:33 4ATカスタムシフト
26:21 車両総論
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