明治39年11月「新小説」

のどかな春の昼下がり、散策の途次訪れた山寺にて。貼り付けられた巡礼の札の中に、水茎の跡も麗しい一首の和歌があった。
 うたた寝に恋しき人を見てしより
 夢てふものは頼みそめてき
小野小町の和歌をめぐって、ある若者の物語が語られる。

鏡花随一の傑作との呼び声高い連作、前編です。

泉 鏡花:1873年(明治6年)11月4日 – 1939年(昭和14年)9月7日

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