幣立神宮(熊本県 上益城郡 山都町)
夜明け前の森に立つように、私たちは静かに耳を澄ます。幣立神宮――熊本・山都の山肌に寄り添うこの聖地は、郷社という顔を超え、銀河の記憶と人類誕生の秘密、レムリアやアトランティスの残響までも抱きとめる「地球のへそ」だ。分水嶺に降る一滴が東西へ別れるように、ここでは歴史と神話、科学と精神、地域と宇宙が分かたれ、そして再び結ばれる。御神木は倒れては芽吹きを重ね、生命の循環を語り、八大龍王の伝承は「生命の水」を想起させる。五色人の物語は、人類が本来ひとつであることを静かに告げる。
いま私たちは、AI・量子技術・ブロックチェーンが同時に波を起こす大変革の只中にいる。加速する世界は、次の問いを置き去りにした――「私たちはどこから来て、どこへ向かうのか」。幣立はその問いへの応答として立ち上がる。ここは観光名所でも流行の“パワースポット”でもない。宇宙と地球をつなぐ臍の緒、過去を想起し、現在を統合し、未来を選び取るためのポータルだ。分断に慣れた心に、五色神祭の行列は和合のイメージを流し込み、個の不安に沈む夜へ、「あなたは大いなる物語の一部だ」と灯をともす。
この作品が手渡したいのは、情報ではなく感覚だ。石階の冷たさ、木漏れ日の粒子、胸の奥で共鳴する見えない鼓動――それらを通して、星々の叙事詩は個人の物語へ翻訳される。幣立神宮は、私たちに思い出させる。「星の記憶を起動せよ。物質の騒音を超え、魂の中心へ帰れ。未来は、選び取る瞬間ごとに開かれる」。この時代に必要なのは新しい偶像ではなく、新しい感受性だ。人類が次の章を開くための羅針盤は、遠い彼方ではなく、私たちの内側――そしてこの聖地にすでにある。
note記事
幣立神宮(熊本・山都町) ― 銀河叙事詩の交点としての聖地
https://note.com/club_pyramid/n/n1df5ac9a4fd0
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地域の人たちに大切にされてるのはわかるけど人手足りてない
のわかる現状