青森県の五所川原立佞武多は、高さ約23mの巨大な人形型の山車灯籠が、力強いお囃子と「ヤッテマレ!ヤッテマレ!」の掛け声のもと市街を練り歩く、威勢の良い夏祭りです(2025年8月5日)
東北の夏祭りを観るために青森県(八戸三社大祭、弘前ねぷた祭り、五所川原立佞武多)、秋田県(秋田竿燈まつり)、山形県(山形花笠まつり)に行ってきました。今回は、青森県の五所川原立佞武多(たちねぷた)の様子を紹介します。
五所川原立佞武多は、毎年8月4日~8日に青森県五所川原市で開催されるお祭りです。巨大な人形型の山車灯籠が力強いお囃子と「ヤッテマレ!ヤッテマレ!」の掛け声のもと市街を練り歩く夏祭りで、青森、弘前とともに青森県三大佞武多と言われています。立佞武多の掛け声の「ヤッテマレ!ヤッテマレ!」は、津軽弁の「やってしまえ」の意味で、喧嘩ねぷたである五所川原立佞武多の威勢の良さを示しています。
高さ約23m、重さ約19tの大型立佞武多は3台あり、基本的に毎年1台作り変えられます。五所川原市内の「立佞武多の館」に展示されていて、祭の際にはそこから出陣することになります。立佞武多の館は、大型立佞武多を制作・展示・収納するための施設で、1階から4階が吹き抜けの空間となっています。残念ながら立佞武多の館は、2025年の祭り当時、大規模改修工事がされており、2025年は新作の大型立佞武多は制作されませんでした。
「暫」(しばらく)は、歌舞伎十八番の一つに数えられる演目「暫」をテーマとして、2021年に制作された大型立佞武多です。2021年の祭がコロナ禍で中止となったため、2022年が初陣となりました。
「素戔嗚尊」(すさのおのみこと)は、2023年に制作された大型立佞武多で、素戔嗚尊が「厄災」になぞらえた八岐大蛇(やまたのおろち)を退治する場面が表現されています。
「閻魔」(えんま)は、2024年に制作された大型立佞武多で、閻魔大王が「浄玻璃(じょうはり)の鏡」で亡者の生前の行いを映し出し、裁きを下す様子が表現されています。