【樹齢2000年】 神々し過ぎる 高森殿の杉 | 熊本
今回は熊本県阿蘇郡高森町にある『高森殿の杉』(たかもりどんのすぎ)をご紹介します。
高森殿の杉は、高森町の「上色見熊野座神社」の境内にある巨木で、樹高は約50m、幹周は10m超、樹齢は約2000年と推定されています。
日本の天然記念物に指定されており、その巨木の姿は訪れる人々を圧倒します。
この杉は、古くから地元住民にとって神聖な存在とされ、信仰や祭事に深く関わってきました。
「殿」という尊称は、この杉が神聖視されてきた証でもあります。
高森殿の杉が立つ上色見熊野座神社は、阿蘇山の神々を祀る熊野信仰と結びついた神社です。
この信仰は平安時代から中世にかけて広まったもので、熊野三山の影響を受けたものでした。
神社の創建は明確には分かっていないものの、杉の樹齢を考慮すると、非常に古い時代からこの地に存在していた可能性が高いとされています。
杉は神木として扱われ、地域住民はこれを神の宿る木として崇めてきました。また、災害や疫病の際には杉に祈りを捧げるなど、生活と密接に結びついた存在でもありました。
高森殿の杉には多くの伝説が存在し、その一つが阿蘇地方の豪族や武士たちがこの木に戦勝祈願をしたという話です。
特に戦国時代には、近隣の領主たちが戦いの前にこの杉の前で安全祈願を行ったと言われています。
また、「杉の精霊が現れる」という神秘的な伝承もあります。
満月の夜や霧が立ち込める日には、杉の周囲に神秘的な光が見えるという言い伝えがあり、現代に至るまで多くの人々が訪れるきっかけとなっています。