【加賀吉久:重伝建】加賀一番の米蔵で潤った「さまのこ」の町家街
「さまのこ」の町並み、吉久。 1655年に「御蔵(おくら」と呼ばれる大規模な 米蔵を加賀藩が設置しました。 北前船の寄港する伏木港に近く、 江戸や大坂に米を売っていました。 ここ久吉は、廻船業や米商人で賑わいを見せました。 明治期以降に活躍したのは、米穀販売や 倉庫業を営む、「米商」と呼ばれる人々です。 その繁栄は、昭和中頃まで続きました。 今日は、このこじんまりとした街を歩きます。 この吉久は、公共の駐車場が無いため、 飲食店があれば、そこに停めさせていただこうと 考えておりましたが、 本日は、2024年の大晦日。 最悪、路駐も考えていたところ、 何と大晦日の夕方に営業している喫茶店がありました。 「よっさ柴屋」さんです。 早速「さまのこ」に目がいきました。 この千本格子のことを、 北陸地方では、「さまのこ」といいます。 「吉久の町並みを次世代に残そう。」 素晴らしい、心意気です。 お地蔵様が中に納まっている祠です。 両脇と後方の3方は、ガラスで覆われて、 大事にされています。 風雪から守るためだと思います。 富山では、集落の出入り口などに、 このような地蔵堂が数多く建てられているようです。 NPO法人「吉久みらいプロジェクト」 こちらは、毎年10月に「さまのこアート」という アート作品を町家の軒先に展示する 催しを開いているそうです。 通りから、少し北側に入ったところに、 西照寺があります。 ここから北側一帯に、明治時代初期まで 御蔵が建っていました。 最盛期には、120坪の米蔵が、6棟も建ち、 年間1万石もの取扱高があったといいます。 お堂の前の三角形の枠は、参拝者を 屋根から落ちてくる雪から守るための 囲いのようです。 こちらは、一見、町家風ですが、 智徳寺というお寺です。 軒先の小さな梵鐘が珍しいです。 結構、間口の広い町家が多いです。 一階の内部に裏手まで抜ける土間はなく、 2列で奥に3間づつ合計6部屋ある 造りになっているそうです。 玄関の内側には、オイと呼ばれる 吹き抜けの部屋を設ける家もあります。 通りに面した2階には、倉庫として利用された アマという窓の無い部屋がありました。 収穫された米や軽い農具が格納されたそうです。 現在は、改装され、窓が設置されている町屋が 多くを占めるようになりました。 こちらの能松家の2階は、窓がありません。 倉庫になっていた古い形態が維持されている 建物なのだそうです。 農庵は、地域の交流施設として利用されているらしい。 吉久神明社(しんめいしゃ)の灯篭が見えてきました。 10月の秋祭りの舞台です。 獅子舞いが有名とのこと。 ここは、優れた眺望のある地点として選定された 「とやまビューポイント」です。 現在県内60カ所を数えるようです。 氏子さんたちが、初詣の準備を整えていました。 今は、大晦日の午後3時過ぎ。 夜になれば、多くの参拝者で賑わうことでしょう。 クルマを停めさせていただいている 「よっさ柴屋」さんのマスターは、参拝者のために、 今晩未明まで、営業されるとおっしゃっていました。 ここから西側は、古い町家が軒を連ねる 最も良い景観を残す地区でした。 有藤家は、石灰俵編みと農業を営んでいた 大正期の建物です。 「さまのこ屋」さんは、本日お休みですが、 陶工房と喫茶店を兼ねた町屋です。 丸谷住宅は有力な米商、旧津和野家住宅を 買い取ったものです。 主屋の隣に木の塀で囲われた庭があります。 吉久では、珍しいタイプです。 重伝建の南端まで歩いてまいりました。 何故か、「南無妙法蓮華経」の石碑。 西照寺も智徳寺も浄土真宗だったのですが、 「南無阿弥陀仏」ではないんですね。 クルマを停めてしばらく散策することを 許してくださった「よっさ柴屋」さんに感謝いたします。 アップルパイとコーヒーは絶品でした。 会話も楽しかったですよ。 北陸地方独特のさまのこの町並み。 高岡駅から路面電車に乗って訪れるのも、 楽しいと思います。 富山県高岡周辺は、素通りしてしまうには、 もったいないスポットが多数あります。 吉久と周辺の観光地を組み合わせて、 是非、訪れてみてください。 この後、そんな魅力的な観光スポットのうちの一つ 小矢部川を渡った伏木の街の高台にある 勝興寺に立ち寄りました。 こちらは、国宝の本堂です。
富山県高岡市の吉久は、加賀藩の米蔵が築かれ、北前船の寄港地伏木港から江戸や大坂へ売られました。放生津往来が通るこの地には、藩の役人が常駐し、廻船業や米商人が集まり、繁栄は昭和中頃まで続きました。江戸時代から大正時代に建てられた、さまのこと呼ばれる表通りに面した千本格子の家並が今も面影を伝えています。
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【タイムコード】
◆西照寺 : 2:17
◆吉久神明社 : 4:41
◆勝興寺 : 7:38
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【吉久】
◆吉久の重伝建地区は、放生津街道に沿った約600mのこじんまりとまとまった地域です。そこに、北陸地方では「さまのこ」と呼ばれる千本格子の町家が軒を連ねています。
◆飲食店は2件あり、いずれも動画内で紹介しています。主な伝統家屋も紹介していますが、飲食店以外は、通常中を見学することはできないようです。米蔵のあった「御蔵跡」には、現在は浄土真宗の西照寺が建っています。街の中心地には、神明社があります。
◆アクセスは、高岡駅から万葉線を使うか、クルマを利用することになります。クルマの場合は、神明社裏の公民館の駐車場が使えるようですが、現地に案内はないので、地元の方に確認の上、利用するようにした方が無難かと思います。飲食店の駐車場は、混雑していなければ、動画のように散策時間程度であれば、利用させてもらえるかもしれません。
◆高岡近隣の観光地は、勝興寺の他に、高岡城、海王丸、雨晴海岸、金屋町重伝建地区などがあります。
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◆iphone13Pro
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【編集ソフト】
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動画の一部で、地理院タイルに地名・アイコン等を追記した画像を利用して配信しています。
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